村岡昌憲の大会参戦記。

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トップへ戻る >>> Battle -村岡昌憲の大会参戦記->>>2001年7月14日T.S.S.T.第2戦

2001年7月14日 -T.S.S.T.第2戦-

 

 

さて。今年の東京湾奥シーバスシーンはランカー不在というか、70UPの確率が非常に低い傾向があって。

そのサイズを取らないことにはどうにも満足できない僕としては何かこう、憂鬱な、煮え切らない気持ちを抱えたまま、結局春シーズンは終わってしまった。

湾奥WEBで振り返れば、春シーズン突入前にランカー乱獲モードに入っていた、HATTORIさんのぶっちぎりといったところか。あのクソ寒い中、通い込む精神と気合い、そして少ない魚を食わせる技術には脱帽の一言だ。

と言うわけで、とっくに心を切り替えた僕の気持ちはすでに青物にある。

心は青物ってのが、どういう事かはそのうちにAREAでUPしていくつもりだが、まあそんなことより、T.S.S.T.が最後に待っていた。

春シーズンの締めくくりとして捕らえて目指すは優勝。

色々とまずは展開を考えた。

潮時は開始直後の下げっぱなから干潮付近までの下げオンリー。通常、川の下げは狙い目なのだが、この日はやや強い南風がずっと吹くという予想が出ていた。となると、川の流れと風の波がぶつかる川筋はどうなるか判らない。おそらく厳しい。

しかも、雨が降らないまま梅雨が明けて、川の水も半分死にかけている状態で川筋勝負は避けがたい。

ということで、今回は荒川筋も旧江戸筋も捨てて、水路一本で勝負と決めた。水路でリミット3本揃えに行く方が優勝の目があると踏んだ。

そして水路は前回優勝者が出ていることもあるし、おそらくハイプレッシャー化は必至。その中で勝ち抜くためのノーシンカーワームを用意した。

ここで粘ってキーパー3本を揃えに行く作戦で勝負開始。

スタートしてHATTORIさんと例のエイの話(詳しくはHATTORIさんのWEBを参照)で盛り上がりながら、水路へ急ぐ。

僕たちは先頭に近かったこともあるので、水路にはまだほとんど人がいなかった。

手前のワンドから眺めるように見て、水路の荒川側ちょい奥に陣取ることに決めた。

通常、下げ潮だと水路は旧江戸からの水がかなりの勢いで荒川側に流れる。その水路に一つの大きなブレイクがあって、ブレイクラインが岸に近づく払い出し、ここを上手く確保できた。6時間粘るならここしか無いという場所だ。そして当日は3時頃、そのブレイクが干上がる。その直前は根がかりの嵐になるだろうから、ウェーダーを履いて根がかりが起きるようになったらブレイク手前までウェーディングしてしまおうと考えた。

早速始める。すでに旧江戸川からサラサラと流れが来てる。岸からそのファーストブレイクにノーシンカーワームを通す。

開始して5分後、バイト。ククン。これだけであったのでなんだか判らないがとりあえずワームをつまんだやつがいる。少し安心しつつじっくりと攻める。

そして10分後、コンとバイト。アワセを叩き込む。水面を割って頭を振る・・・と思ったら水面を滑るように飛んでくる。慌てて巻き上げて見るとあちゃー。

本命には違いないがこれでは。

サイズは測らなかったが7センチぐらい。これ見てそろそろハゼ釣りの季節だな〜なんて考えてしまった。

 

幸先良いのか悪いのか判らないが、とりあえず続けてみる。30分ほどしてまた同サイズがヒット。これは水面でバレてしまう。

しかし、ここで異変が起きた。

水路の潮が止まってしまったのだ。サラサラと流れていた潮がまったりと止まってしまっている。時計を見て時合を見るが下げ潮が効き出す時間。流れが止まるなんて。

一旦一番上の陸に上がって水面を見渡してみる。

すると荒川を吹き抜ける風でできた流れが水路に差し込んで僕がいるところあたりまで流れを押し戻している事が判った。旧江戸の流れは必ずあるはずだから、途中で沖に追いやられてしまっているに違いない。

そこでそっちの方に見に行ってみるとやはり思ったとおり。水路の流れは途中で水路の真ん中まで曲がってしまっていた。ブレイクラインを旧江戸からの流れが洗っているのはわずか50mも無いぐらいだった。

そしてその50mには人がびっしり。入る場所もない。もしかして釣れてるの?それとも?

 

そこで元の場所から少し更に水路の奥に入って1時間ほどやってみたが、目の前に潮目があるだけで何の反応もない。

3時間たったのでこの場所を見切ることにした。というか、ワームのノーシンカーなんてやってないで、やっぱり大きなミノーを投げたくなるのだ。なんかみんな渋そうなので1本デカイの出ればいいんでしょ、と言うノリである。(こういうノリはたいてい負けるのだが、それでもいいと思うのが普通のアングラーでは。)

水路の奥には相変わらず人が並んでいる。ううむ。釣れてるのかな。

そこで南風に期待で荒川側のサーフに行ってみることにした。開始直後にしゅうちゃんがそこで1尾あげたと聞いていたので、まだ可能性はあるかもしれない。

まずはサーフを砂浜側から一目見通して、払い出しの位置を確認。次に堤防から少し立ち込んで払い出しを攻め込んでみる。沖から風がビュービューと吹くのに払い出しの中は沖に向かってすごい流れがある。しかも僕の独り占めだ。これはいいかもしれない。

初めて15分後ぐらい、シープ115に突然大きな水柱が立った。

反射的にアワセを入れる。ガッツンと乗った。グンと首を振って魚が向きを変えて走り出す。サーフスター86MとPE1号のパワーで抑え付けてていても、あっさりと首の一振りで走り出す。これはでかい。

案の定、一回止まった後の2走り目はドラグから15m近くラインを引きずり出していく。

この途中になんか外道っぽい違和感を感じたが、ボラの圧倒的なパワーでもなさそうだし、ニゴイの引きでもエイの引きでもない。ここは慎重に。そうつぶやいて少しずつ岸に近づいていく。途中、水面で激しく水柱を上げて暴れた魚体を見てとりあえずバカでかい魚とは判った。

5分ほどファイトしてやがて弱った魚を寄せる。雰囲気を察知してか、少し離れたところから核弾頭さんが奇声を上げて近づいてくる。

核弾頭さんがライトで水面を照らす。核弾頭さんの声が裏返った。

「で、でけぇ!」

しかし、魚種違い。魚はなんとメナダであった。80a級のビッグワン?

僕の精神を司るどこかの糸がぷっちりと3本ほど切れた。

こうやってHPで書くんだから、一応写真を押さえておけば良かったんだけどそんなことも忘れて呆然とリリース。

はぁ。

 

 

一度水路の様子を見に行くが相変わらず荒川の流れが差し込んでいる。ワンドの周りは満員御礼状態だ。

こうなると絶望的すぎて、なんだか、すっかりと意欲が失せてしまったけど、そんで先に揚がるってのも僕は格好悪いから嫌いだ。どうせ負けるでも格好良く、最後まで。

萎える気持ちを振り絞りながらサラナをキャスト。

 

すると30分ほどしてヒット!

グイーングイーンという引きに思わず失望。寄せてみるとやっぱりニゴイ。

はぁ・・・・・。

5分ほど途方に暮れたが、明るくなりそうな空を見て気を取り直す。

もうすぐ朝マヅメだ。

反応のないサーフにキャストを続ける。ニゴイがバイトするんだからシーバスも口を使わないという保証はない。

残りはあと1時間。必死にキャスト。

すると、カケアガリをなめた瞬間に根がかりのようにヒット。根がかりが動き出す。

なんでこうなるのかな。絶対アカエイと判るその引きに本当にがっかり。

アカエイは直径30センチほどだったので寄せて、何とかルアーを回収。

そしてそのまま終了。

プライベートの釣りだと、まあそれなりに楽しめていい感じなんだろうけど、トーナメントでこれじゃあんまりの結果であった。

 

 

終わってみればキーパーを釣った人は水路が大半。同じ水路でも僕がいた荒川の潮が差し込んでくるあたりは全くダメで、旧江戸の流れが水路にきちんと流れているエリアだけであった。どおりで水路の奥の方に人が密集していたはずだと納得。

悔しいのはその密集が結構入れ替わり立ち替わりだったということを聞いた瞬間だった。と言うことは僕にも入るチャンスがあったということ。

そこでずっと粘って優勝した大平さんは僕とほとんど同じリグを使っていただけに、残念だった。

まだ読みの深さが足りないんだろうな。

 

水路は旧江戸から荒川へ流れるものと思っていたが、今日は長潮の下げで、しかも南風が強いのである。逆転現象が起きることはあり得ることだけど、それを予想できなかった僕のミスであった。

 

葛西は得意だと思っていたが、考えてみると9回も出て、準優勝が1回と6位入賞が1回しかない。あとの7回はノーフィッシュ。まあ順位は別としてもノーフィッシュが多すぎるではないか。

実は苦手なのかもしれないとちょっと考え込んでしまった。

 

 



 


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