2003年11月16日 -TSC最終戦-
またもや半分やけっぱちのシャロー一本勝負を決意した夜。
前線の通過と共にまとまった雨が降り、風向きが変わった。
強烈な南西風が朝から吹き始めた。
今回も状況もわからないし、魚も見えていない。
それならば得意のシャロー撃ち。
迷うことなく、ロッドは風神Z72Mを2本だけ。
15番スタートでマリーナを出る。
今回は関西シーバス研究所も遊びに来てくれた。
前の14艇は全てマリーナを出て右に行った。
そう西東京、神奈川方面。おそらく主戦場になるんだろう。
一方、僕は左に。後ろの十数艇を振り返っても一艇も右には来なかった。
いくらなんでも、それは寂しい・・。
左に降りてアクセル全開で湾岸橋をくぐると、それは想像以上に荒れている。
ポイントは臨海公園の渚沖。水深5mラインの海草地帯だ。
とりあえず独り占めできそうだ。
エレキを降ろして流し始める。
ルアーはX-110SW、ジャーク&ジャークで攻める。
2時間にワンバイトでいい。だからここで勝負をかけよう。
昨日、ELEGYにそう書いた。
しかし、荒れ方が半端ではない。勝負をかける以前に危険極まりない。
一度はあきらめてシャローを出る。
大井へと向かう。だけど、有明で迷った。
なんのために闘いに身を置くことにしたのだ?
なんのために高い金払って戦闘力の高いボートを買ったのだ?
覚悟を決める。
もう一度シャローへ。
大荒れの水深5mラインに付ける。
X-110SWを風下に向かってフルキャストし続ける。
前の晩の雨のおかげで白濁りが出ている。
水深3mより浅いエリアは砂が舞い上がって真っ茶色だ。
出るだろうか。
2時間だけやってダメなら考えよう。
そう思ってキャストすること20分。
完全に風下に向かってキャストしたX-110SWが泳ぎだした瞬間に、押さえ込むようなバイト。
大きく反射的にアワせる。
今日はナイロンだし、魚の位置は遠い。
かなり鋭く大きく入れないとフックにアワせが伝わらない。
魚が荒れた海の中でエラ洗いを始めた。
でかい!
落ち着いてランディング。70センチ級だ!
計らずにイケスに放り込む。
思わず拳を突き上げた。血が沸き上がるような感触。
これこそがトーナメントだ。
次を狙う。
1時間ほどキャストしただろうか。
風がますます強くなってきた。3m近い波がボートのバウから固まりとなって打ち込んでくる。
船の中は水がたまって、全体がイケス状態。
かなり危険だ。風速も15m以上は吹いているだろう。
シャローをあきらめる。
さてどうしようか。
シャロー撃ちのタックルしか持ってきてないので、多摩川河口なら何とかなるかと。
中防水路をかっ飛ばす。
やってきました羽田シャロー。
風裏で微妙に凪いでいる一帯をX-110SW、クルクルと撃ち続ける。
ところが反応がない。
水温もそれほど変わっていないし、濁りもそれほどきつくない。
出るはず。
しかし、粘っても出ない。
これには焦った。いつでも出せると踏んでいる場所で出ないときつい。
迷った末に浮島のシャローへ行くことに。
もう大荒れである。風速20m近い風が吹いている。
でもゆっくり行けば進めない訳ではない。
10分かけて浮島の馬の背へ入る。
クルクルをフルキャストして沈めてからデッドスローで引いてくる。
船を止めるのが困難だけど、何とか止め続ける。
ところがバイトが出ない。前日のプラではアベレージサイズがいくらでも釣れるといった感じだったのに出ないのである。
困った。
とりあえず湾奥に戻ることに。
大井、青海と攻める。
青海ではクルクルに40センチ級がヒットするもバラシ。
その後はお台場、有明と流していくがこれまた出ない。
時間が気になってきた。
未だ一本ではどうしようもない。
最低でもリミットメイクしなくては。
気ばかりが焦って精彩に欠ける攻めを繰り返す。
最後、一気に荒川河口へ戻る。
時間にしてあと1時間しかない。
河口でブレイクや橋脚を執拗に攻めるがこれもバイトすら無し。
残り30分。
どうしようもない。だけどあきらめる訳にはいかない。しかし、どうしようもないのである。
どうしていいのかがわからない。久々に陥った手詰まり感。
悔しい。
最後、リップレスベイトで河原の岸際を撃ってみる。
これにヒット。一気に抜き上げて46センチ。
見えた。
この潮はブレード系の反応が悪いのだ。シャロー、だけどブレイクに絡んでいたではないか。
気付くのが遅すぎた。
最後、15分、ひたすらに撃つ。
またヒット。ところがこれをエラ洗いでバラしてしまう。
痛恨。
そのままタイムアウト。
2本しかウェイインできなかった。
33位。これでは年間優勝などとうてい無理だ。
最後のプレ参戦。
自分の課題が確実に見えた。
周りのレベルアップは凄まじい。
今日の風と潮は正直タフコンだった。
だけど、スコアがあまり崩れないのである。みんな何とかまとめてくるのだ。
崩れたのは自分だった。
もっと頑張らねば。
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