村岡昌憲の大会参戦記。

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2009年7月4日 -T.S.S.T 第3戦-

 

 

 

最近、僕の周りにいる人はいつも幸せそうで、僕はますます彼らに何をしてあげられるかを考えてしまう。

彼らが幸せそうにしているのがいい。

僕の幸せは、それを見ている、でいい。

幸せとは自分が思う気持ちなので、それが幸せだと思えればそれでいい。

だけど、彼らの幸せは彼らが感じることだから、彼らが幸せと感じているかどうか僕はいつまでたっても不安だ。

 

 

反面、何かをしてあげればあげるほど不幸にしてしまうこともある。

彼らが困難に直面したとき、挫折を味わったとき。

手を助けることと、そっと見守ることと、どちらが彼らのためになるのか。

考えているのは今この瞬間の優しさではない。10年、20年経ったある日振り返ったとき、そのどちらが良かったと思えるだろうか。

その責任を全て負うのが経営者というものなんだろう。

その選択が本当に正しかったのか、それは20年先までわからない。

だけど、自分の20年前の選択肢が正しかったかどうかは、今の自分がそのまま証明となっている。

逃げた自分、闘った自分、耐え抜いた自分、こらえきれなかった自分。

その今の自分を見て信じてくれるのなら、僕も信じ続けよう。

 

 

 

 

 

 

今年はフル予定のTSSTははやくも3戦目。

1戦で11位、2戦が7位と正直不満な展開。

プロとして活動しているのであれば、3本揃えるくらいはできないといけない。

だけど、3本揃えただけじゃその程度の順位である。

そこに1本ビッグワンを入れられるか、そこが今の自分はまったくできていない。

頭の中にはどうやればビッグワンを出せるか、だいたい描ける。

が、ブランクが空き、感性がなまくらになってる今の自分に、そのビッグワンを獲る術はない。

 

 

今回もプラ無しのぶっつけ本番。

21時にスタート。しばらく会場で談笑し、一番最後の21時半にスタートした。

 

 

今回考えたのは千葉方面の真水インレット作戦。

この時期、5月から発生した赤潮が溜まって青潮の予備軍がしっかりと成形される頃。

いわゆる貧酸素水が湾奥のボトム付近に溜まり、ターンオーバーを待つ状態。

実際の調査でもその状態。 

 

ここで大事なこと、潮が良いところを釣るのはボートシーバスの王道。

だけど陸っぱりは必ずしもそうではない。

沖の潮が悪いと、魚は良い潮を求めてシャローに入る。

千葉の状況はまさにそういった状況である。

 

くわえてここのところの梅雨の長雨。

沖に面していない水域は潮がやや回復し、そこにベイトもスズキも入る。

そのような状態を想定した。

 

 

 

もう一つは川の上流。埼玉県に入るぐらいの上流だ。

毎年、この時期からスズキクラスをしっかりと取れる状況になるし、この雨も良い方向に推移しているに違いない。

が、過去、TSSTで上に行ってあまりいい思いをしていない。せいぜい2本ヒットして1本キャッチみたいな時ばかりだったので自信がない。それに方向がまるで違うので外すともう後がないというのもリスクである。

 

というわけで千葉真水インレット作戦に決定。

 

 

 

 

最初に向かったのは船橋。

真っ暗な長い岸壁に転々とあるパイプからの流れ込み。

雨水管だが、晴れた日が続いてもちょろちょろと一定量の水が常に流れるポイント。

その水の落ちる壁際を撃っていく。

 

 

最初はスーサン。

パターンとしてはおそらくスーサンのトゥイッチングがいいだろう。

1投目から反転が出て上々。

スレさせないように丁寧に丁寧にやっていく。

10分ほどして最初のバイト。推定50台だったがフックアップせず。

次の場所は60台のもうチェイスを出すもののバイトに持ち込めず。

その次は60台が追ってきて足下の八の字メソッドにどんと出たが2秒でフックアウト。

夜光虫ビカビカで魚の数まで数えられる感じ。決して多くはないが、確実に1ヶ所1〜2匹ほど魚がいる。

 

レンジを下げるためにX-80SWにチェンジ。

次の場所で夜光虫の軌跡を目立たせないようにステディスローでドンとバイト。

慎重に寄せてランディング。

22:48 45センチ 

砂まみれになってしまった・・・

 

とりあえずは最初の1本目。

しかし、その後は50センチ級の2バイトのみ。フッキングが浅い、というかバイトがフックアップしない。確かに足元で掛けるのでそういう傾向はあるにはあるのだが、それより自分の腕が悪い。

釣りに行かないとこういうところで感覚が鈍るのだ。

 

結局、その後は魚を出せず。

 

その次の場所は2ヶ所、用水路が合流するところ。

1つは灯りがあって期待大だったのだが、着いてがっかり、先行者だ。

 

 

そこから一気に幕張を越えて千葉へ。

夕方に吹いた南がまともに当たるエリア。そのエリアの魚が移動したら一部はこの川に入るだろうなという小さい川に入る。街中を流れる川だ。

 

ポイントに着くと、イナッコがまったくいない。

ん?嫌な予感と共に探っていくが全くのノーバイト。

すぐ近くのポイントも全然ダメである。

 

 

小移動して次は工場からの排水の流れが対岸に当たる場所。

潮が動くときは排水の流れも曲がってしまうのだが、今日みたいに潮が緩い夜は対岸に当たり続ける。

 

そこの岸壁には魚が付くのである。

X-80SWをそっとキャストしてトゥイッチすると激しく夜光虫が光る。

その下でボラもかなり集まっていて、期待大。

途中からランダム80に変えて、夜光虫を刺激しないようにスロートゥイッチで探っているとバイト。

場を荒らしたくないのでいきなりぶっこ抜く。

 

 

1:47  47センチ  カラーは当サイト名でもあるTSN。

 

コンディション抜群の魚。いい魚が入っている。

自分の読みは当たっている。朝マヅメに湾奥に戻るかどうか考えていたがこれなら朝マヅメも勝負できそうだ。

 

X-80SWのトゥイッチで反転を何回か出した後に、ヤルキスティックのヤルキなしチューン(前後6番フック)をボトム付近まで沈めて壁際をゆるりと引くと、どんと出る。

 

今年も相変わらず強いパターン。

60センチほどだったがタモ網を出そうとしたらフックアウト。

 

 

なんだか前と似た展開に思わず叫ぶ。

気持ちを切り替えて再度じっくりと攻める。

 

夜光虫が強いときは、灯りの下が王道。もしくは水を動かさないルアーだ。

ヤルキはこういう時が断然強い。

その後にもう1本出たが、ノンキー。

ほとんど反転されてしまうので、朝マヅメまでに温存することに。

 

 

 

少し移動して、その運河沿いにある建物の照明が漏れて水面が明るくなっているところ。

岸際の明暗部をサスケシャッドでテストがてら流していると、どんとヒット。

 

 

2:46 55センチ

 

 

 

これでなんとか3本揃った。147センチ。

今回はみんな渋い釣りをしているんだろうけど、入賞圏内かもという程度だ。

 

 

 

 

3時半過ぎから早くも、東の空が明るくなってきた。

温存していた反転だらけポイントへ向かう。

 

 

 

最初からBR@ST投入。

キャストし、スローで水を掴みながら潜らせて、ある程度の水深でスローにトゥイッチする。魚はおそらく3〜4m程度の水深まで落ちている時間帯。

 

2回、バイトかボラの背中に当たった感じがある。

出る気配濃厚だけに集中力が切れなかった。

 

そこ、というところでドンと一発。

かなり慎重に寄せて57センチ。

4:37 57センチ    トータル159センチ。

 

せめて50台で揃えたい。

しかし、そこからBR@STの反応もなくなる。

 

TDソルトバイブに変えてもっと下のレンジを探る。

すると一発でヒット。

会心の一撃に気合いを入れてファイト。

 

魚が選ってきたら70センチ近い。

しかし、ランディング寸前というところでバラしてしまう。

 

 

ガックシ!

 

負けるときの展開だよなぁと嘆きつつ、だけど時間の限り頑張るしかない。

 

が、そのあたりはほとんど攻めきってしまって魚も反転すら見せなくなった。

 

車に戻り、移動しかけたときに目に入ったのが小さな橋。

橋の下のシェードも魚が入っているかもしれない。

 

そんな思いで一度戻って、ポイントに入る。

スーサンをキャストしてチョンチョンとトゥイッチを入れた1投目。

ノーチェイス。

2投目、3投目と方向を変えるがこれもダメ。

4投目、1投目と同じコースに通す。少し奥まで入ったので期待してトゥイッチしたが奥では喰わず、やがてスーサンが見えてきたので、最後どこに行こうかと考え始めた瞬間、ぶっとい銀色の光がスーサンを引ったくった。

 

来た!

 

 

明らかに違う重量感に、必死にファイト。

寄った瞬間、スーサンが魚の口にがっつりとフックアップしていたので安心して弱らせランディング。

 

4:55  76センチ!  トータル187センチ

 

 

よしっ!

と、一人で何度もこぶしを下に振り下ろしてガッツポーズ。

なんとか5位以内には入り込んだかなぁということで、その後も何ヶ所か転戦しながらウェイイン。

 

今回も現場で読みきった魚を掛けても獲れないことが何度もあった。

明らかな腕不足。

頭の中のイメージと右腕のロッドワークがしっくり来ていない。

フルキャストした先のスズキは適当なロッドワークでも獲れるけど、足元でヒットするスズキのランディングがほとんど腕次第である。

その腕を失いつつあるという現実を毎度突きつけられるTSSTはプロとして非常にキツイ。

 

今回は幸運のように出た1本に救われた展開になったので結果としては良かったが、これがなかったら惨敗だったではないか。

 

そんな感じで落胆していたのだが、結果はなんと優勝。

周りのスコアが伸びなかった中、やはり76センチが効いた。

優勝は何度味わっても良い気分である。

 

 

起きたことだけ書くと爆釣しているみたいだが、今回は移動時間がほとんど無く、大半を釣り続けていた。

 

釣りは思考のスポーツである。

今回は本当に粘り強く考え、そして歩き続けた。

その粘りを今回の勝因としておこう。

 

 

次回は最終戦。

今度こそプラをやって楽に勝てる展開に持ち込みたい。

 

 

 



 


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