ルアーデータ

項 目   寸 評
メーカー メガバス  
値段 1600円  
BTZ ★★★★★ とにかく広い。デッドスローからファーストまで死角無し。
トリック ★★★★★ トゥイッチ、ジャーク共に良い。流れの中でのジャークは最強に近いものが。
飛距離 ★★★★ 8センチサイズとしては文句なしでしょう。
アキュラシー ★★★★ 回ることが少ないので飛距離の安定性は抜群。シャロー撃ちには重宝します。
購入しやすさ 最近やっと購入しやすくなりましたが・・・。
耐久性 僕が壊したX-80SWは全部メーカーで保管してあります。06年12月現在、テストモデル時代からのその数361ヶ。大半はリップが折れてるか、お腹のメインウェイトが外れたものでした。
お薦め度 ★★★★★ とりあえず、港湾部&ボートやるなら持ってた方がいい。

 

99年にメガバスとX-80SWを作り始めました。すでにおおよそ完成していたトリックダーターのウェイトアップバージョン。

しかし、今までの内部構造では理想の重量が確保できなくて、内部構造を一回新しく作り直すなどしてる最中に、いったんその考えを改めることにしました。

で、新しい高比重ウェイトの開発に着手して、今までの内部構造にその新しい高比重ウェイトを入れて素晴らしい仕上がりになったのがX-80SWです。

個人的にはブラックバスが相手でもトリックダーターより釣れるのではと。

 

基本的にスローなコンセプトで作れば作るほどBTZの範囲は狭くなります。

このルアーは基本的にはデッドスローリトリーブを基本としています。だから色々な外因の変化でアクションをフラリフラリと変えてバイトを誘います。

しかし、デッドスロー時はリップで水を受け、ファストになればなるほど、リップからボディ全体へと水の抵抗を受けつつも後ろに流すデザインが、デッドスローでも泳ぎ、ハイスピードでもばたつかない、という驚異的な広さのBTZを実現しました。

このルアーが圧倒的に支持される理由はここにあるでしょう。

 


このリップがキモです。試しにリップのカップを埋めたやつを投げてみればすぐに解ると思いますよ。

 

同時に、開発責任者の伊東氏がこだわった脱軌道アクション。普通のただ巻きをやっている時でも数秒に1回、フラリとも軌道ズレを起こします。このランダムに出る脱軌道アクションのおかげで、普通にスローにただ巻きしてるだけでガンガンに釣れるのです。

僕としてはこの辺はルアーが勝手に釣ってくれるのですごいつまらない機能だと思うのだけど、初心者の人にはこれ以上無い機能なのは事実。

ちなみに出し方を自分で覚えると、ここでってところでフラリとやれます。しかし、フラリとやることを抑えることはできないのでその前に食われてしまうこと多いし。


惜しむべきはフックバランスの難しさ。微細な重量変化ですぐにアクションが変わってしまいます。6番フックを太くできないので掛けても80センチ級までが限界でしょう。このバランスが微妙なのはデッドスロー系プラグ全てに言えること。
そういう意味でメインのコンセプトはデッドスローで使うミノーと言えるでしょう。だけど早く巻いてもOKですって感じ?

ほんと、11センチで同じコンセプトのもの作って欲しいと思います。

 

 

しかし、X-80SWはそれだけではありません。

トゥイッチが強い。

狭い場所などでルアーのリトリーブ距離が十分に確保できない時はトゥイッチを入れてなるべく時間を掛けてルアーを引かないといけません。その時に重要なのはいかに短い距離でスライド幅の大きなトゥイッチが可能であるか。そしてそれをやっている最中の動きがBTZの中であるかということ。この辺りをしっかりとX-80SWはカバーしてるのでトゥイッチ時にガツンと掛けることができます。

またジャーキング。ダート幅は小さいものの、そのBTZの広さを使って流れの中にあるストラクチャーでジャーク&ジャークをやってみるとまあこれほど釣れるルアーはありません。このサイズアップ版があれば河川のピンポイント系最強ルアーの座を狙えるでしょう。

流れの当たっている橋脚などを攻める場合にいきなりショルダーに投げ込んでジャークを一発。もう一つ入れたところでガッツンと食うケースが最も多いです。

それから明暗部での恐るべき強さ。これは経験してみないと分かりません。

 


カラー的には夜はSG、昼はGGがまあ無難の選択でしょう。 ちなみにこのサイズにまともに飲まれるとリップが折れます。

 

そういうわけでアクション的には死角無し。全面的な信頼を置いていいルアーだと思います。

問題は耐久性の弱さ。

上の写真みたいにファイト中にいきなりリップが折れたり、リップからぶつけるとあっさりと折れるし、背中からぶつければメインウェイトが中で外れてしまいます。

この点はメガバスでも真剣に検討して色々な対処方法をやってきました。

発売当初はケツからぶつけると重心移動の止めピンが折れて、玉がケツに挟まってしまう問題もあったんだけどこれは2001年モデルから丈夫なピンで対処するようになりました。

で、他は色々と対処方法を考えましたが、どうしても性能を犠牲にしてしまうので断念と言うことにしてあります。

というわけで穴撃ち・壁打ちは余るほどある人以外は禁止です。

 

台船置き場や、明暗部で最初にキャストして広範囲を探るサーチベイトとして非常に活躍できると思います。たいていの魚はX-80SWで獲れるけど、やっかいなやつをそこから他のルアーで食わせていく。そういう感じですか。

 

 

 

 

X-80SW