Area1 - Stage2 〜 雨の中の約束 〜
2009年11月21日 旧江戸川
自由ってなんだろう?
最近は良くそんなことを考える。
自分の行きたい時間に釣りに行く。
その簡単にできそうなことすら、簡単にはできない。
いや、人生も家族も全て捨てていいなら、それはできるだろう。
だけど、多くのものを守るために仕事をしなくてはいけないから時間が自由にならない。
仕事によって差はあるだろうけど、本質は変わりがない。
多くのものを得る自分だが、今の状況は決して自由とは言えない。
そして、そのジレンマに一番苦しむ約束の日。
数度のチャンスを仕事でふいにすると、その真の自由が心から欲しくなる。
が、自由を手に入れた人は一方で孤独になる。
僕の知っている自由な人はみんな寂しそうだ。
どちらがいいのだろう。
もし自由を手に入れたなら、僕も孤独になるのだろうか。
おそらく今年あと2回となった約束の日。
寒さと雨が日替わりでやってきて僕はすっかり体調を崩していた。
が、朝から小雨の降る中準備をして会社に行く。
会社が終わり、僕は釣り場へと向かった。
霧雨がかすかに降り、冷たい北風が川面を走る。
200センチを越えるような潮位から一転下げだした川の流れは音こそ聞こえないが、圧倒的な勢いとボリューム感で海へ向かって流れていく。
僕はポイントへと入った。
前回とまったく同じ距離。
先行者は無し。
発熱もそれほどでは無し。
風がやや向かい風となって、僕に吹き付ける。
時合まであと10分ほど。
流れは変わった直後のようだ。
加速した流れがヨレを大きく作り、ヒラキが僕の前に静かに存在している。
この広い河口のどこかにいる超弩級はやがてこのヒラキにやってくる。
そしてそのヒラキの中に点在するストラクチャーについてベイトを待つのだ。
しかし、そこには僕が音も立てずに、まるで杭のように立っている。
そして、時合だとつぶやいてから、ルアーを使って川面に幻想を作り出す。
超弩級スズキは喰うだろうか。
10年ほど生きた彼の知恵と記憶は、僕が演じる幻想を見破れるだろうか。
ドゴンッ!!!
全身を電気が走り抜けるようなバイトの衝撃だった
喰ったその場で首を数回振ってから上流へと泳ぎだした。
それはとても重く厚く、そして静かな走りだった。
前回のそれと違うあまりの迫力に僕は少し畏怖を覚えた。
獲る!
慎重に、だけど大胆さを忘れずに。
端から見たらゴリ巻きに見えるほどであったが、自分なりに感じたフックセット感から勝負を早く付けないといけない、という感覚がそれを選んだ。
手前に寄ってきた魚は相当大きい。
が、テールフック1本。
勝負を早く付けたいが、無理はできない。
ドラグを1/4回転緩める。
ライトの中で銀鱗がきらめき、幾分か怒りに満ちた瞳が光ったかと思うと、激しい水しぶきと共に圧倒的なトルクで沖へと走っていく。
やや左に行ったスズキが右に向きを変えた瞬間に左下に向けて鬼アワセを叩き込む。
再度寄ってきたスズキの目の下らへんにフロントフックがやや浅いながらも刺さっている。
一気に勝負を付ける。
リーダーを掴んで、左手の親指をスズキの口の中に突っ込む。
それは今年、いやここ数年無かった唇の厚さだった。
僕が掴んだ瞬間、スズキも渾身の力を振り絞って身体を右に左にひねって暴れた。
激しい水しぶきが僕の顔にかかる。
が、僕は顔も背けることもなく、そして目をつぶることもなく、魚だけを見続けいた。
スズキがおとなしくなる。
どうだ!
陸が遠いのでナイトホークのティップ部分を外して、それで長さを測っておく。
僕が楽しみにしているガイドの位置まではあと少し届かなかった。
90センチ級である。
僕はすぐスズキを放した。
蘇生の必要もなくスズキはあっという間に闇の中へ消えた。
来年まで生きろよ。
94センチ。
ヒットルアー ima ピース100
使用タックル |
ロッド |
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アピア 風神号91MLナイトホーク |
リール |
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ダイワ イグジスト3012 |
ライン |
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東レ シーバスPEパワーゲーム 1号 |
プラグ |
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邪道 スーサン
komomo130スリム トマホーク
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ゴミ |
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ペットボトル |
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