Area2 - Stage14 〜 孤独こそ、疾走への助走 〜
2004年9月6日 荒川シーバス
時代を先駆けるということは、一足先に今の時代のテーブルから降りるということである。
そこに必ずつきまとう孤独感。
これを受け入れる覚悟を持たなければ、次の時代をさらうなんてことはできない。
どんな小さなことでもいい。たった一つでも、時代を作る喜びを知って死ぬ人はなんて素敵な人生であろうか。
たいていの人は時代のテーブルに必死にしがみつくか、いつの間にかテーブルそのものが崩れて、悲劇を演じるのだ。
ずっと一緒に時代を作ってきた。
その一つのテーブルを降りることを決めた。
時代は終わったのである。
降りなければ海の藻屑となるのだ。
土曜日の激しい雷雨の影響がまだ残る月曜日。
家に帰るなり、そそくさと支度をして出発する。
川の攻略で手っ取り早いのは、明暗部や橋脚など、目に見えるストラクチャーである。
その有機的なストラクチャーは結局はポイントの争いが激しくなっていく。
Area2に登場してくる多くのポイント。
かつては誰もいなかった、そのいくつかのポイントも今や行く気がしないほどのメジャースポットとなった。
それを雑誌に出した誰かさんを責めることはしない。所詮、目に見える時点で誰かに気付かれるのがオチだからだ。
そして今、無機的なストラクチャーに着くシーバスを狙い始めている。
見えない要素の交差点。
そこに魚は必ず着く。
今回の要素。
流れに直角に立つブレイクラインとハロクライン。
そこに風が作用して、要素は破壊される。
川を遡る風がハロクラインを破壊するその条件。そこにベイトが集まる要素があった。 50後半。
ヨレヨレのフォールの恐ろしさはまだ書いた覚えがない。
そのバイト誘爆性は書くのもためらうほどだ。
まあ、いずれ。
今日はセイゴラッシュになった。セイゴが20匹近く。
このセイゴをどうかわすかは今後の課題だ。
人が集中しやすい、目に見えるストラクチャーが釣れる時代が終わろうとしている。
いや、終わりはしないだろう。
今後も、確実な釣果をもたらしてくれるのは間違いない。
だけど、気付いた方がいい。
先行者がいないという、
自分ではどうにもならない
運の要素を受け入れたら、
アングラーとして悲劇が始まるということを。
今や確実にブームは成熟し、シーバサー人口が増え、同じテーブルに乗る人間が増えてきたのだ。
だったら、今のテーブルをとっとと降りるべきであろう。
次のテーブルにはまだ誰もいない。
河口より20km以上。
国土交通省が作ったばかりの、日本初の川の海図を手にした瞬間、
いや、その海図を手に入れようと心に決めた瞬間、
僕は次のテーブルに立ったのである。
使用タックル |
ロッド |
アピア 風神ゼータ72Mクロスインパクト |
リール |
シマノ ステラ3000AR |
ライン |
東レ シーバスPE 1号 |
プラグ |
邪道 ヨレヨレ〜
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ゴミ |
発泡スチロールの皿 |
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