Area4 - Stage3 〜 それでも僕は 〜
2002年9月27日 河川シーバス
この世は複雑きわまりない迷路みたいだ。
建て前と本音、表と裏の顔。くだらない憶測やデマが飛び交い、僕はせっかく見えだしたものをまた見失う。
結局は最後に見るべきものはなんなんだろうか。本当に僕は道標となりえるのだろうか?
なんかうんざりする日々が続いていた。
それでも。
それでも僕は毎日のように釣り場に出た。
いつも迷っていてさ、どうしようもない僕の為にある「それでも」
全てを受け止めて、全てを許してくれるようなそんな「それでも」
それでも釣りに行くんだ。
小雨は降っているような止んでいるような。
深夜の上げ始め。
時合の真っ最中であるはずだった。
河口が間近に見える小さなシャロー帯。
前夜の85センチが脳裏に焼き付いて離れなかった。
今日は体力的にも来るべき日ではなかったかもしれない。
でも、このエリアで僕が出せる魚がいるのは、もう最後だったかもしれない。
だから来たんだ。
迷わず水の中に立ち込む。
干潮の時刻はとっくに過ぎていたけど、川の水は上げているのか下げているのかも判らなかった。
ざわめき一つない鏡のような水面。
パターンは前夜で把握したつもりだった。
コノシロはまだブレイクラインの下。
だけど、ここからの上げ始め。前夜のパターンが崩れ去る瞬間を待っていた。
妙に澄んだ潮に、ドカポップのホイル貼りをセット。
水面に引き波を立てながらデッドスロー、時々ロッドワークを軽く入れて、水面にスプラッシュを立てる。
アップクロスにキャストした後のUターン前。このルアーが勝負になるのはこの時合ではないか、と。
もう一つ。アロウズレア。前夜の85センチ。下げの流れの中で、ブレイクに落ちる前のコノシロパターンを見事に制した。
どっちがいいかは正直言ってわかんなかった。
前夜の結果がある分、なんとなくレアの方が投げている時間が長かったと思う。
30分もしないうちに、やがて上げ潮が川を遡り始めた。
今日はボイル音らしき音はしない。
ドカポップとレアを交互に、5分ずつくらい投げては交換を繰り返した。
ドカポップはUターン前、レアはUターン後を意識して攻めていく。
見る見るうちに水面のゴミが上流へと流されるようになっていく。
水面に生命観が宿りだしたと思ったその時だった。
グワッッバァッ!!
ドカポップの着水直後、スプラッシュを出して引き波を出した瞬間に水面が炸裂する。
ワンテンポ待って、一気にアワセを叩き込む。
風もないのにシーバスPEが緊張感のある悲鳴をあげる。
ドラグが勢いよく滑り出した。
すごく落ち着いていた。
前夜のサイズがなんとなく肩の荷を下ろしてくれていたのかもしれない。
流れに乗って上流に走るスズキを追いかけながらシャローでファイトする。
重厚感のあるエラ洗いはいくら出されても大丈夫だと思った。
それよりは傷口が広がるのを心配して、魚に対するラインの角度を一定に保つことに集中した。
4分ほど、ファイトしただろうか。
流心に何度も戻ろうとするスズキと、手首が痛くてシャローに引っ張り上げられない僕の膠着状態が続いていた。
業を煮やして深い方へと立ち込んでいく。
魚の口からはルアーが外れ、アゴの下にドカポップが引っかかっている。
魚をライトで照らした瞬間、テールフック1本であることに気が付いた。
背筋が凍る。
魚は水面でバテていた。
どうしようか。
一か八か僕は流れに乗って一気に駆け寄り、手を伸ばす。
口を掴んだ。
豪快な首振りをこらえる。
獲った!!!!!
よっしゃー!!
思わず叫んだ。
全長90センチジャスト。
久々に突き抜ける感じを味わった。
スズキは本当に美しい。それこそ超弩級にもなると、神々しさすら感じてしまう。
2つのパターンに絞り込んだ結果ということにしておこう
実はというと、本当は獲った次の日にでもお知らせしたかったんだ。
でもデジカメを家に忘れちゃってね。ポジフィルムで撮影したものを現像、焼き増ししたために遅れてしまった。
しつこく書くけどさ。
求めることと望むことは違うってこと。
ビッグミノー=ビッグシーバスは真実ではない。
でも、秋の川筋。30本釣った人。
同じパターンに飽きてきた人。
すっごい面白い世界が、この釣りにはまだまだある。
そして僕も、これから。
まだ知らない何かを追い求めていきたい。
型にはまるなって事。
まだ知るべき事はいっぱいあるぜ
この1本で終わりにした。
帰りに地元の寿司屋に寄る。
ウニに大トロに色々と。
すこぶる旨い寿司だった
使用タックル |
ロッド |
ミラクルワークス ジャンキースティック70Xpi |
リール |
シマノ ステラSW4000 |
ライン |
東レ シーバスPE 1号 |
プラグ |
ミラクルワークス ドカポップ12cm
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