村岡昌憲の釣行記。東京湾のシーバスからその他節操無く色々と。

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Area4 - Stage4 〜 Crucial phase (重要局面) 〜

 

 

 

台風の爪痕もようやく消えかけた10日夜。

週末の3連休はキャンプの予定なので、この潮周りの出撃チャンスは残り2日。

2日とも大潮あとの中潮。夕マヅメに満潮の絶好の潮周り。

狙っていくのはもちろん超弩級だ。

 

ポイントはかなり河口に近い位置。河口で前日にボートからかなりいい釣りができた。

そこは干潟に浄化され、澄んだ潮が瀬の上をさらさらと流れていく、そんな場所。

その流れの筋が川の上流へどうつながっているかはよく解っている。

その筋で待つことにした。

 

風がそよそよと吹いている。

今日の風は少し優しすぎ。僕の頬をなでるようにそっと吹いていく。

だけど。今だけ、風よ吹くのだ。

潮を水面から後押しするのだ。

そう願う。

 

 

キャストを開始する。

まだ潮位が高く、筋は遙か遠く。

潮のとろいシャロー帯を少しずつ探っていく。

とろい時はMAPS-M2を中心に、レアリップレス、そして今回実践投入の阿修羅を主体に組んでみる。

 

で、ふと思った。

この1ヶ月の釣行記にメガバスのルアーも竿も出ていない。

 

もちろん他意はない。この秋の釣りを始めるとメガバスの出番は無くなってしまう。

それは残念ながらという前置きを置いて、疑いようのない事実なのだ。

そりゃ、製品をムリヤリ出そうと思えば出せるけど、それをやったらプロは失格だ。

記事を見た読者がフィードバックできるものがなければ、何にもならないのだ。

そう思って本気で超弩級を狙いに行くと、メガバスの竿もルアーも全く使えなくなってしまう。

 

だけどメガバスよ、それでいいのか、と。

海に参入してもう7年。本当にそれでいいのか。

それとも僕がプロとしてそんなんでいいのか?とも(笑)。


19:30。下げ潮がいよいよ始まったなと思った頃にヒット。シャローのU字直後、maps-M2ボラカラー。

 

自分の記事やWEBサイトにメガバスの商品が登場しない。

それが心苦しいのは誰でもなく、契約プロである僕なのだ。

それでも僕はメガバスの持つ可能性を信じてる。

あの悪魔の様な釣果を叩き出すX-80を作り出した天才、伊東由樹の創造力を信じている。

 


20:05 原工房ハンマースリム11センチにヒット。U字の直後、デッドスローで。

迫力あったので一応計ってみたら74センチ。

 

 

 

メガバスはまるで超弩級スズキのように、慎重ながらも大胆な性格を持つメーカーだ。

誇り高く、猿真似を嫌い、先進的でなおかつ独創的である。

ソルトの世界を甘く見ていないから、慎重に探求心深くやっている。

 

 

 


20:36 レアリップレスでヒット。完全なダウンストリームでのデッドスロー。

先行者を避けてプレッシャーのないゾーンに入っていた1本、60後半。

 

 

 

メガバスよ、早く本気のスズキ釣りへ入ってこい。

その先に前途洋々たるメガバスの未来があることは間違いないのだ。

メガバス唯一のソルトウォータープロスタッフという立場は、

メガバスに対して唯一の海を伝えられる立場でもある、と僕は解釈する。

 

 

 

だから、僕は本当のスズキ釣りをこうして見せ続ける。

ただ、僕はいつかこのArea3にメガバスのルアーが登場することを願って止まない。

 

 

 

21:10頃になって下げ潮もいよいよ最高潮。

流れの中で足を踏ん張りながら一つの筋を目がけて僕はルアーを遠投していた。

ルアーは阿修羅。流れに対して15度ぐらいの角度しかない、ほぼダウンストリームのキャスト。

筋の中をデッドスローでリトリーブする。かなりの流れの速さだけど水面下5センチで微妙に揺れる。

 

 

筋の中で泳いでいた阿修羅にバイト。

グン!

 

水面を揺らすことなく、それは突然訪れた。

 

「来たっ!」

 

気持ちロッドを立てつつもアワセを入れない。

向こうが首を振る感触。

今か?!

リールを早巻きしてラインテンションを掛けながら背筋の力を使ってロッドを一気に絞り上げる。

7ftでぶったぎられたジャンキースティックがバッドからねじ曲がり、そこから沸き上がるバッドパワーと背筋力で40m先の魚に対し、確実にフックセットを狙う。

グワッッバァッ!!

水面で特大の水しぶきとともに豪快、かつ豪放なるエラ洗い。

「で、でかいぞ。」

 

魚は沖に向かって走り出す。

流れを横切るように、猛烈なスピードで本流の流れに乗らんばかりの勢い。

ラインが水中でふけるのを嫌い、こっちはロッドを立てて応戦。

胸ギリギリまで立ち込んで魚にテンションを掛けていく。

魚が今度は下流に向かって走り出す。

浅い方へと後ずさりしながらここはドラグで辛抱。

20mほど走ったところでエラ洗い。

 

一気に寄せに掛かる。頭がこっちに向いたので魚は一気に寄ってきた。

体力はまだ残っているはず。そのうちに来る猛ダッシュに備えて、周りの障害物を確認する。

同時にランディング場所も決めた。すでにルアーを回収したふ〜じがその位置で待っている。

魚は更に自分の方に寄ってきた。テンションを維持する為にロッドを上にあげる。

どうする?左手で首からぶら下げているライトを付ける。

ライトのせいか、テンションの変化のせいか、自分の目の前2mまで来て魚が猛ダッシュ。

自分の股下を一気にくぐっていく。

幸いフックに刺さらなかった。

左足を高く上げてラインをまたぐ。

シャローに一気に入った魚を追っかけてこっちも走る。

少しじたばたとしたがやがて力尽きてきた。

膝下ぐらいの水深で浅い方に誘導する。

かなりでかい。90センチありそうだ。

 

そう思った瞬間だった。

阿修羅が頭上を飛んでいく。

外れた!

魚を掴もうと一瞬思ったが間に合わず魚は流れに乗って消えていった。

 

がっくし・・・。

 

 

すかさず、ふ〜じが魚の消えた方向へルアーをキャストする。

喰うわけ無いが、気持ちは分かるぞ。

 

僕はラインシステムを組み直す。

すぐにふ〜じにヒットしたみたい。

これもでかそうだ。

3分ほどファイトしてランディング。


こいつはやられました。サイズは本人に聞いてくれ!

 

その後は朝方まで粘るも、上げ潮も全くダメで60センチぐらいのを阿修羅で1本。

 

この三番瀬を控える河口域も、上げは上げのポイントがあるんだろう。

イマイチそれが絞りきれない。

 

 

 

 

 

 

 

翌日、再度リベンジ。

仕事が遅くなって下げ止まり寸前にポイントへ。

金曜の夜というのに先行者無し。風も結構いい感じの北東風。この風がここではベストマッチだ。

これはすでにシャローの上に魚がいるかもしれないということで、ひたすらダウンクロスで攻めてみる。

ルアーは阿修羅。下げ止まりの川の水だけが水面を滑っているかのような弱い流れの時にいい感じの動きを出す。

あくまで自然に揺らめきながら水面直下5センチを泳ぐ。

 

 

4投ほどして、やや沖目方向にキャストした時にヒット。

手前に寄ってくるまでは60センチぐらいかと思ったがライトを照らしてびっくり。

こりゃでかい。

そこから少し暴れるも、うまく誘導して一気にランディングした。

 

 


それは太い太い魚だった。獲った時は80はあるかなと思ったけど計らなかった。
今見ると80センチないような気もしないでもないね。

 

その後も粘ったが夢は破れて終わり。

次の日は朝早くからキャンプなので早めに撤収。

次回の潮周り。再度超弩級に挑んでみようと思う。

 

ルアー作りの天才と言われる人達がいる。

僕の周りにはそういう人が多い。そして僕にはルアーを作り出す才能が全くない。

その天才達が時に起こす奇跡、魔法を僕は信じて投げ続ける。

 

願わくば、もう一度奇跡を。

 

 

 

 

使用タックル
ロッド ミラクルワークス ジャンキースティック70Xpi
リール シマノ ステラSW4000
ライン 東レ シーバスPE 1号
プラグ ミラクルワークス ドカポップ12cm・阿修羅
アロウズ レア
   

 

 

 

 




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