Area5 - Stage3 〜 港湾部真っ向勝負 〜
2001年12月26日 港湾部シーバス
東京湾奥のシーバスフィッシングってすごく面白い。
魚が季節の移り変わりと共に動くのを読んでいくのは全国共通。
だけど、その動く範囲が常に陸っぱりから届く範囲にあるってのは全国広しと言えどそうはないだろう。
真冬から真夏まで、東京湾奥のどこかにシーバスは潜んでいる。
魚とルアーが全く遭遇できずにほげったと言うケースはほぼ考えられないのがこのエリアのシーバスだ。真冬のシーバスは水が澄んでいるせいもあって特に見切る。明暗、流れのヨレを上手に使って食わせていかないとなかなか食ってくれない。食ってくれるを待っているだけではひたすら反転されるだけ。それが港湾部では特に顕著だと思う。
特にこの真冬の時期は魚の動きは激しくなり、一定のエリアに魚が溜まるって事が無くなる。
セイゴだけは一定の場所にずっといるもんだが、フッコ・スズキサイズとなるとその日のベストな条件を求めて盛んに回遊をはじめる。
これがベイトフィッシュが少ないからなのか、沖に落ちたシーバスのせいで、縄張りが広くなったとか仲間が少ないからとか色々な考え方があるけど、まあそこまでは分からない。
その動きを読むのは結構簡単だ。ズバリ風表。流れが集まる風表、+何かのキーワードが揃えば魚は集まってくる。
そしてこの晩のように晴れ渡って強い北風が吹く日は特に魚を出しやすい日となる。
一般的に考えれば、表層水温が下がるから魚が沈んで・・・とか考えてしまいがちだ。
でもこれはバサーが考える概念で、海釣りでは全く当てはまらない。海は深い。
そしてスズキはそんなヤワな魚ではない。湾奥の水温はまだ10度を切っていない。2mも潜れば13度近くある。
その中で水の上をどんなに冷たい風が吹き抜けようとも、魚は間違いなく浮いているはず。
なんで魚を出しやすくなるからと言うと、それは強い北風が吹く日は晴れ渡った夜空になることが多いからだ。
この日もそう。この時期、満月が近づくと共に煌々と輝く月が夜空に出る。
そして雲やスモッグがない分、街の灯りは全て上へと消えてしまう。
光りの焦点が定まるのだ。
そこに流れを合わせることで簡単な明暗部パターンができる。
こういう日のシーバスはそんな場所に集まっている。
と能書きをまた垂れ流したところで。
っていうか、4年ほど前にさんざんやりまくって正直飽きていた釣りなのだ。
久々にこの釣りをやってみようと。
そこに4年間で蓄えたエッセンスを織りまぜてみようと思った。
まだ潮が下げている時間、運河を流れる潮の向きと、風の向きが方向が重なる場所を選定。
19時にそのポイントに到着。
久々に来たポイント、ずいぶんと様が変わっているが4年前より数段条件は良くなった。
近くの余計な灯りが無くなったみたいだ。
係留してある台船の前に立つ。風表。ここに魚が集まっているはず。
どう攻めるか。以前ならラパラCD、もしくはマーゲイだった。
が、それではフッコがいた場合、大きなシーバスがバイトを躊躇した場合、フッコの餌食となってしまう。
ここはまずはメケメケのウッドをセット。いきなりは通さない。
まずは台船から10mほど上流を高速でジャーキングしまくる。
2投。台船の下に魚がいれば順番が変わるはず。変わるというか、出る順が変わるのだ。
おそらく小さい魚から食ってくる感じを持っているのだけど、まだそんな経験積んでないので傾向があるとまでしか言えないけど。
メケメケをキャストしようとしてためらう。場荒れを考えてここはサーフスラッグに変える。
1投目、台船際3mをデッドスローでリトリーブ。風のおかげでずいぶんと流れが速い。
ツーッと台船に寄っていくサーフスラッグをUの字かまして引く。
どこ泳いでいるかも判らないぐらいの流れ任せ状態。そろそろUターンする頃かなって思った時に、
ゴッ!
1投目にいきなり出た。ラインが風を拾うのでロッドを目一杯下向きにしていたのでそのまました方向にアワセを入れる。
サーフスターがバッドからひん曲がった。鳥肌が立つ感覚で首振りした後にすごい力で走り出した。
まずい、切られる。
立ち上がって台船と反対側に小走りする。テンションを維持しつつ、台船下に潜られないようにパワーをかけ続ける。すると、たまらず水面でエラ洗いが始まった。
足場の割にロッドが短いのでどうしようもないのだが、気持ちテンションを緩めて魚に下に突っ込んでもらえるように誘導する。何度か下に突っ込ませるとようやく弱った。見ると80センチ近い。前回の教訓でタモ網を用意してたのでさっそく準備。
陸っぱりのタモ網なんて滅多にやらないもんで四苦八苦。ようやく入ったところで安心して引き上げる。
行ったかと思ったけど届かない。78センチ。
このサイズを1投目で。なかなかないよね。もう帰って乾杯したいぐらいだ。
しかし、タモ網って中で暴れられるとむちゃくちゃ魚を傷つけてしまう。
うーん。本当の居付きほど黒くはないけどって感じ?
サーフスラッグ良くやりましたって事でリリースする。
もう一度タモ網に入れてそっと海面まで入れる。流れで離れていかないように、かつ網からすぐに出られるようにって感じで水中で見ていると、3分ほどして一気に泳いでいった。
一度ラインシステムを組み直す。
まだダイレクトにルアーを通していないのでまだ魚が出る可能性がある。
また、遠目にサーフスラッグを流してみる。
3投ほどしたが反応無し。
次にアイマコモモ。
これも3mほど流してみたがまた反応無し。
近づけようかと思ったけど、ここはメケメケに戻すことにした。
メケメケ11を台船の角の沖側に撃つ。流れをつかんだ頃を見計らってジャーク、ちょっと巻いてジャーク。
ダートアクションで台船の下をど派手に通してみる。
正直、もう出ないかと思ってたからやってみたんだけど、魚がいた。
メケメケが手前まで来て台船の下から出てくるって瞬間に
ゴッツ!!
とバイト。が、これが乗らなかった。
思わず天を仰ぐも仕方がない。
まだ食うかもしれない。
ここでX-80SWに変える。
ちょいと投げてそこからファストリトリーブ。
バイトがあった地点まで、一気に巻いてきてビタッと止める。
何もない。
もう一度、台船の沖側に投げて、台船の際をファストリトリーブで一気に巻いてくる。
バイトがあった地点で止めた瞬間に猛烈にルアーを引ったくっていった。
どわーっ!
思わず声を上げてしまうほど強烈な力で下に突っ込んでいく。
サーフスターもすっかり腰が抜けて全然ダメ。頭の向きを変えようにもバッドからのされまくる。
これはでかいぞ。
今作っているヘビカバ用8.8ftの完成が待ち遠しい。
何とか必死に頭にテンションをかけ続けてラインブレイクを防ぐものの主導権は完全に向こう。
必死の攻防が4分ほど。ようやく弱ってきたところをではタモで・・・ってところで気付いた。
タモ網に手が届かない。
さっき無造作に置いたのでそこまでケアしきれていなかった。なんたる初歩的ミス。単に慣れてないだけ。
困っていると一瞬だがシーバスが沖に向かって走り出した。
チャンス!
ラインテンションを緩めて沖の方に走ってもらう。
だいぶ行ったところでロッドを大きく立てて後ずさり。岸壁の角にラインが触れないように気を付けながらタモをたぐり寄せる。
そうこうしてようやくランディング。
文句なしでしょ。港湾部ランカーゲット。
重さが前の魚とは大違いでした。しっぽが写ってないのでなんだか小さく見えちゃうけど。
計測してみると83センチ。体高あって貫禄あるよね。
困った時のX-80SW様。さすがです。これもタモに入れて水中まで入れて3分ほど待つと自然と泳いでいった。
もうこの辺で満足したんだけど、もしかしたらまだ出るかもしれない。寒いのもかなり限界だがもう少し頑張ってみることにした。
と言うか、最初のメケ引きで魚の活性の入れ替わりがあったとしたら、もっとデカイのがこの次に出るかもしれないのだ。
そんな考えをまとめてここで一度ラインシステムを組み直す。
アイマコモモをUの字で通すもノーバイト。
次にX-80SW。
4投目に普通に台船の下でヒット。これは小さい。
いなしながらファイトしてリーダーを持って抜き上げる。
65センチぐらい。本当はこれでも満足してないとね。
リリースしてまた攻めてみるが、反応は無くなった。
メケ引きしてまた活性が上がるのを狙ってみたがそれ以降のバイトは得られなかったので終了。
すっかり冷え切ったが、まだまだ湾奥にも魚はいるし、湾奥での魚の読み出しパターンもまだまだいけるということで満足して終わりとした。
前回、前々回とほげったが自分の中では違う魚なのでリベンジではない。ちょっと景気づけ、そんな感じ。
今の課題はいるのに食わない灯りの下にいる連中。なんとか上手なパターンを見つけだしたいものだ。今日のような月夜のパターンも灯りの下では通じない。灯りを打ち消す濁りもない。
なんかないかなぁ。
使用タックル |
ロッド |
Palms SGP-86L
メガバス Destroyer F3-610XS |
リール |
シマノ ステラ4000 DH |
ライン |
東レ シーバスPE 1号 |
プラグ |
ティムコ サーフスラッグ
メガバス X-80SW |
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