Area5 - Stage6 〜 港湾部真っ向勝負 〜
2003年4月18日 港湾部シーバス
ようやく春シーズン開幕。
いや、僕にとっては、ようやく今年の開幕なのだ。
長崎での釣りはあくまで出張中の釣りであり、自分自身が求めた釣りでは決してなかった。
メーターUPが出たことも嬉しいかと聞かれたらそれは嬉しいのだけど、やはり人の家の庭で遊んだような釈然としない物が残るのである。
まあ毎年訪ねたくなるような友達も何人かできたので、きっと来年も遊びに行くかもしれないけど、あくまで僕の本拠地は東京湾だ。
その東京湾に久々に真っ向から挑む。
いつもは少しずつ濃くなる魚影を感じながら、春の始まりを感じるのが僕の春だった。
今年は少し違う。ハイシーズンのど真ん中に復帰。
となれば狙うは大爆釣。マジもマジ。
ロッドは風神Z83LネオンナイトとF3-610XSの2本を用意した。
ラインは2種類。ネオンナイトはシーバスPE1.5号、F3-610XSにはレイジングウォーターナイロン10lb。
GETBOOK見ても分かるとおり、今の東京湾は50センチ代後半のサイズが主流だ。
これは97年冬に生まれたシーバス。
あの時からやっていた人なら覚えているかもしれないけど、春の常夜灯の下に雲のような数でセイゴ達が群れていたことを思い出す。そして4年前〜2年前などは70センチ級かセイゴかという展開。
「彼らが大人になる時が楽しみだ。」
そんなことを僕は何度もルアニューに書いた。
今年の秋にようやくそんなサイズになると思うと、なんか感慨深い。
通常は6年経てばスズキは60センチを超してそこそこ大きくなるのだけど、これだけ魚がいると競争も激しく成長が遅い。
だから彼らはいまだに50センチ級が大半だ。
そのあおりを食って春には20センチを超すぐらいになっているはずの昨年の稚魚たちは未だに20センチに届かないサイズで常夜灯の下に群れている。
そんな風に長くやってると釣れるサイズと主体となるサイズの移り変わりも楽しむことができる。
ちなみに、今年の港湾部でスズキサイズを狙って獲っていくことは難しそうだと考えている。
再来年ぐらいは港湾部で70UPがガシガシ出る年になるだろうけど、今はどうしても中心サイズの爆釣になりがちだ。
ま、今を楽しむ。それが一番。
会社を飛び出して、釣り場へ着いたのは19時。
満潮が18時半、夕マヅメ満潮からの下げ時合は超お得意。
風はそよそよと南風、少し東寄り。
東京湾奥の状況が解らないので、ホームを片っ端から回る事にした。
まずは有明。小さい船が3隻ほど係留してあるポイント。
潮が意外と濁っているけど、プランクトンの濁りだ。隅田川筋、噂には聞いていたけどマジ潮がいい。
ここは足場が低いのでロクテンを持ち出す。
最初からマーゲイSWをセットして、その船を係留してある桟橋にアプローチしていく。
常夜灯の下に潜んでいるだろうシーバスにマーゲイSWを見せていく。
春はソフトなトゥイッチの方が反応がいい。
スローリトリーブの最中に3回ほど微妙にティップをあおるだけ。
ほとんどただ巻きに近いイメージでいい。
3投目、抜き上げ直前に下から魚が引ったくっていく。
ティップを瞬間で入れ込んで魚の向きが下になってから軽くアワセを入れる。
今年の中心サイズ。
リリースをして更に攻め込んでいく。
ところがここという食わせどころで2回とも反転を食らってしまった。
まだ、潮と魚に対するリズムが合ってない。
もう一度攻め直してみたが、既に反応無し。
マーゲイSW、勝負は早いけどスレるのも早い。でもこれで釣ると釣った感があってすごく気持ちいい。
一気に移動して、隅田川本流の潮が流れるポイントへ。
場所は運河というかすでに川みたいなとこにある係留船やらストラクチャーがいくつかある場所。
ここは一部足場も高いのでネオンナイトで挑む。
ポイントに着くといきなり常夜灯の下でライズで歓迎してくれた。
おお、こりゃすごい。
眺めているともう一発。どうもバチを食っているようだ。春特有の下からの反転食い。
サイズはどうも小さそうなので、アスリート7センチシンキングをセットする。
狙いを定めて、灯りのゾーンの向こうにキャスト。
そこからロッドを立てて、ややスローにリトリーブ。
1投目、バイト。
2投目、同じコースを通す。もう少しだけ遅めに通すとバイト。
今度は乗った。ティップが曲がってから軽くアワセを入れる。
魚が下に突っ込むのでバッドで更にアワセを入れる。
あっという間に寄って来たのはセイゴ。
とっととリリース。
逃がしてあることに気付いた。
足下に大量のバチが落ちていた。さっきのセイゴが吐いたものだ。
みると、小さいバチから大きなバチ、小さな小魚まで色々とある。
ってことは、この辺でバチ抜けが起きてはいない。流されてきているもんを食っているということだ。
なら話が早い。
風と潮をアワせる作業に入る。
風は南東、潮が下げ。
東京湾だと通常は逆潮になるパターンだが、そこは複雑な港湾部。
大きな反転流を使えば、下げ潮時合でも北に向かう流れだって見つけられるのだ。
その一つはここ。そういう場所は岸際にビニールなどの水中系ゴミがたくさん溜まる、覚えておくといい。
強い流れになっている場所へと歩いて向かう。
ポイントに着く。コンクリートのごっついストラクチャーがいくつかある場所。
灯りは一帯にないけど、反転流と風が完全にかみ合ってかなりいい流れ。
X-80SWを手に取りかけたが、エドニスを選ぶ。
イワシカラーをキャスト。
ストラクチャーの向こうにキャストし、際をこするようにリトリーブ。
1投目からバイト。何もせずに魚が乗ったことを確認してからアワセを入れる。
最初のフッキングまでは超鬼掛けティップに任せた方がバラシが少ない。
魚もむちゃくちゃ元気だ。ガンガン下に突っ込むのをこらえて一気にロッドでぶち抜く。
60にわずかに届かないってとこ。しかし、1投目ヒットって何度やっても気持ちいい。
そういや、エドニスの使い方を解説したことなかった。
というか、去年の秋に発売して以来、このAreaにすら出たことなかったかも。あわわ、メガバスに怒られないうちに・・・
基本的にエドニスの使い方はただ巻き。余計なアクションは入れるべからず。
足場の低い時はロッドを立てて、水面から2mぐらいの高さにティップを持っていってスローリトリーブが基本。
潮がまったりとする港湾部でセッティングを出してあるので、川みたいな潮がガンガン流れている場所はあまり得意ではない。
解説おしまい。後は何とか手に入れて使ってみてくれ。
答えはすぐに出る。
魚がいると判ったのでじっくりと攻めることにする。
一段足場の低いところに降りて、またエドニスをキャスト。
5投目ぐらいまでは少し際から5mぐらい遠くを攻める。反応はない。
その次、ストラクチャーの風表側、その先に着水させPEラインのラインスラッグを使ってストラクチャーに近づくリトリーブコースを確保する。距離にして3m。
そのままスローリトリーブ。
ここかなってとこで、
ゴン!
やっぱりフッキングはネオンナイトに任せて、乗るのを待ってからアワセだけ入れてファイト開始。
サイズは前と変わらない。足下まで寄せて一気にバッドパワーでぶっこ抜く。
ちなみにエドニスはあまりリトリーブが早いとフッキングが悪くなるので、そういう意味でもスローリトリーブを心がけましょう。
確信。
これは入れ食いの展開。
復帰第1戦から幸先いい。
こっちはうずうずしてたんだ。
こっから大爆、開始。
また遠目で誘って、近めにコースを通す。
サイズアップは難しそうね。
その後、また5m先を何投か通して、一転して2mぐらいを通した時にまたバイトがあったんだけど、一瞬乗りかけてテンションが消えてしまったのでここを休ませることにする。
次のストラクチャーに移動。ここは変な形をしていて風表側を攻めるのに神経を使う。
ここも少し遠目にリトリーブラインを通す。
キャスト後、ラインを水につけてからメンディングでストラクチャーにラインを近づけていく。
その作業をしているうちに、シーバスPEを通じて一瞬の違和感。
ラインスラッグを取ってアワセを入れてみる。
食ってた!
どんな食い方したかよく分からないので、慎重にファイト。
寄せてきて魚を見るとがっちりとフッキングしていたのでこれもロッドでごぼう抜き。
一応、ネオンナイトの鬼掛けティップは先が細いので慣れてない人はぶち抜きはやめときましょう。
かなり先で食ったということは相当な魚の数と活性の高さ。
また同じコースをキャストすると、バイトが出たものの乗らない。
目先を変えるためにカラーチェンジ。
エドニスのオレンジゴールドをキャスト。
今度はヒット。
これは元気に突っ込んだが、バレてしまう。
次の1投でまたヒット。
しかし、小さそうだ。
小さいサイズはぶち抜いたら、地面に置かずにフックだけ外してリリースするのがいい。
フッキングが複雑だったらグローブ付けた手でこうやって持って、フックを外すといいでしょう。
何度も言うけど、風向きと潮の向きを合わせること。
これが春の基本。
しかし、相当な魚が集結してる。
間違いなく川の流れの本流が作り出す反転流。
風もそこそこ吹いているので完全にストロングなパターンになってる。
ちなみに、こんな大きな反転流が起きるのは東京湾でも隅田川だけ。
荒川や多摩川ではここまで大きな流れが出ない。
そういう地形だから起きるのだ。
再度キャスト開始。
何投か目にラインスラッグを利用してストラクチャー近くを通すコースで誘う。
ここぞというとこで、バイト。
ちなみにここでX-80SWを選ぶと1本出てあと渋くなるパターンではないかと。 たぶん、だけどそんな感じ。
でもその1本にランカーの可能性があるのだ。
ちなみに数釣りのコツってのは、いかに浮かせるか。いかにストラクチャーから離すか。
群れの端から釣っていくイメージを持つといい。
群れの中心からなるべく遠いところで掛けて、一気にストラクチャーから引きはがす。
そうしないと周りの魚まで全部付いてきてしまう。そしたら終わり。
向こうが出てくる限り、遠くで食わせることが極めて重要だ。
活性の高い魚が10尾いれば誰がやっても、バイトは出るが、やり方次第で1尾にも9尾にもなるのだ。
ヘビカバタックルがなんでハードで強引にやるスタイルなのか。
単にラインブレイクを防ぐだけではないってこと。
数も型も狙う釣りだからに他ならない。
そんなわけでエドニスで出なくなったので、目先を変えるためにサスケにチェンジ。
エドニスよりスローにストラクチャー近くをリトリーブすると2投目にヒット。
が、これはすぐにバレてしまう。
もう一度、何投か遠目で誘って一気に入れていくとまたヒット。
サイズは変わらない。今日はデカいのはあきらめた。
しかし、いよいよスレだした。
2mぐらいの距離でも反応がなくなった。
もう何本釣ったかわかんなくなってきたけど、ここからは引き出しの多さがモノを言う。
サスケにも反応がなくなってきたので、ヨレヨレにチェンジ。
フルキャストして一度沈めてから、ロッドを水中に突っ込んでミディアムリトリーブでストラクチャーギリギリを通す。
それこそ30センチ以内の距離。
エンカウンターでリアクションバイトを狙う。
ヨレヨレがストラクチャーに触れる感触、そのゴツゴツゴツの中にひときわ大きい感触。
ロッドを立てる。
食ってた。
でかいか?
一瞬期待したがサイズは変わらず。
ヨレヨレはホントにすごいと思う。作った人(関西シーバス研究所の方々?)ほんと偉いよ。
ちなみにBlueBlueも作ってくれました。
リリースして、ラインをチェック。これだけ釣ってもまだ痛んでない。
マーゲイにチェンジ。
同じようにストラクチャー際に擦りつけるようにロッドを立ててスロートゥイッチで攻め込む。
2投目にいい感じでストラクチャーに絡む。
食え食えとリトリーブを遅めたところでバイト。
アワセはロッド任せ(ある意味つまんないロッドを作ってしまったもんだ)
リアクションバイトの最後はマーゲイで締めてもらいましょ。
ちなみにこの後は何をやってもバイトが消える。
ある意味、これがマーゲイSWの正しい使い方。
さっき休めた場所に戻る。
風はさっきよりも吹いている感じ。
時計を見ると22時30分、始めたのが20時ちょい前だから2時間ほどの釣り。
潮も最高潮に入っていて反転流がぐんぐんと川を遡っていくのが判る。
はっきり言ってまだ釣り足りない。もうすぐGWだというのに今年はまだ100本釣ってないよ。
ストラクチャーから5mライン。
出ろ。
祈っても出ないもんは出ない。
時間的に翌日は早朝から浜松でメガバスの開発会議があるので、ここが最後だ。
じっくりといこう。4m、3mと徐々にコースを近づけていく。
そろそろかなって感覚がバイトの予感を伝えた1投で、ゴガンとバイト。
ところがこれが乗らない。結構強いアタリだったけど・・・
再度、遠くから近づけていく。
感覚がやっと追いついてきた。ルアーがつかむ水中の様子をラインが伝え、ロッドを通して僕に伝わってくる。
その情報に僕の経験と勘がようやく追いついてきた。
やっぱりそろそろかな、と思った1投、気持ちリトリーブ速度を弱めた瞬間にヒット。
サイズは40センチ級だったけど一番気持ちいい1本だった。
感覚が冴えると本当に面白い。
再度、1投で同じコースでバイト。
激しく突っ込んだのでこれも一瞬サイズアップを期待したけど、やっぱり50センチ後半。
エドニスのインバイトフィッシング、理解してもらったかな?
ここで出なくなったので、最後はあの手この手。
明日ロート7センチシンキングはチョンチョンリトリーブ。
やっぱり最後はマーゲイSW。
予想通り、この後、反応が途絶えたので終わりにした。
数はバラシた分も入れたらかなり行った。
東京湾奥、ほんといい感じ。
間違いなく隅田川筋がお薦めだと思う。
京浜運河北部から辰巳有明までの一帯。
あとは春のセオリーを外さないこと。
使用タックル |
ロッド |
アピア 風神ゼータ83Lネオンナイト |
リール |
シマノ ステラ3000AR |
ライン |
東レ シーバスPE 1号 |
プラグ |
邪道 ヨレヨレ〜
メガバス X-80SW |
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