Area5 - Stage20 〜 イナっ子論 〜
2005年11月7日 港湾部シーバス
今年の秋シーズンはムラがある年だった。
全くダメという人と、すこぶる良い、という人に二分している。
僕はと言えば、例年とあまり変わらないという感じだったが、
もしその原因はと聞かれて一つ挙げるなら、ベイトの動きが激しかったということを挙げるだろう。
ベイトの動きに対応できた人は、例年と変わらない結果
ベイトの動きに対応できなかった人はパッとしない結果。
今年は人為的な何かを勘ぐりたくなるほど、毎年調子の良いポイントにベイトが来なかったのである。
そして、例年はパッとしない三流ポイントにベイトがガッチリ入った。
「今年はおかしい」
という声をポイントであった釣り人からも、ショップの店員からも聞いた。
GETBOOKでも何度もそういう書込があった。
が、自然の出来事におかしいという言葉はない。異常気象という言葉も本来はない。
この世の森羅万象に異常はない。全ては因果応報。原因があり、結果がある。
全ては自然が正しいのである。
それに対応できない人間がおかしいのであり、異常なのである。
スズキは昨年に入った運河でベイトがいなければ、すぐに移動する。
昨年スズキが入った運河で待っているのは人間だけ。
昨年来の成功体験(釣法も然り)に縛られている人、今一度目を開いてGETBOOKを見てみましょう。
と書いてみたが、この潮でまたベイトが動いている。
10月ずっとダメだったところにベイトが入っているので、あきらめなかった人は最期は報われているかもしれない。
自然に対峙する釣り人は、変化に対応するか、我慢するかなのだ。
会社経営と一緒だなぁ (遠い目)
出張から帰って久々の目覚ましを掛けない惰眠。
午後になって起きて、洗濯や掃除や猫の世話やといった感じで夕マヅメ。
もちろんイソイソ出かけていくのである。
本来であればこの潮であれば旧江戸に行きたいところだったが、夜は予定があったので、港湾部。
まだ潮位が高い。
最近絶好調の隅田川筋だが、この穏やかな気候を考えると、メジャーポイントは人だかりだろう。
きっと誰も来ない、いても一人ぐらいしかいない運河周りに入ることにした。
最初に着いたポイント。閉鎖されている遊歩道。
最初の橋を攻める。
暗がりの中にイナっ子がガッチリといる。
しばらくキャストしないで様子を見る。
イナっ子の動きでスズキの気配を知る方法。
もちろん傾向であって、絶対ではないが。
一匹ないし数匹ずつ点在して水面でもじっている時は付近にスズキはいない。
群れでまとまっていても、群れの動きに、固執性がない場合、たいていダメ。
だけど、中央で群れが泳いでいる場合、両岸もしくはストラクチャーなどに待ち伏せ体勢のスズキがいることがある。
一番良いのは、一ヶ所に固執しようとする動きがある場合。
確実に自分たちがロックオンされていることをイナっ子も知っているときである。
少しの変化に、一匹が驚くと水面がジョワジョワッとなる状況。
この時は確実にスズキはいる。間違いない。
エノさんにカメラで潜って貰ったら必ず映る(笑)
だけど、スズキが喰うとは限らない。
エノさんの映像でも解るように、ルアーを見て反応するスズキとしないスズキがあるように、ルアーに反応しない、すでにスレているなどなどの理由で、魚がいるからといって出るとは限らないのである。
そこでスズキの活性を上げる。
何をするかというと、イワシを蒔けばいい。
というのは冗談だが、確実に効果があるので、ぜひ誰か一度試してくれ。
だけど、東京湾奥で活きイワシを手に入れるのは難しい。
ここからは余談。
昔、喰わないスズキがベイト不在によるものなのか、という検証がしたくて、ペットショップでアロワナ用のエサである、赤金(金魚のちいさいやつ)を100匹ほど購入して活性を上げることを試みたことがある。
場所は、今の選手村が海だった頃の有明貯木場。
今時分のベイトがガッツリ入っている時ではなく、夏場のベイトが乏しいとき。
だけど、夜光虫でチェイスが確認でき、魚がいるのは判る状態だった。
タックルは、デストロイヤーF3-610XSに、ルアーはラパラCD7。
カラーはもちろんGFR
いつでもキャストできる状態で、
まずは30匹ほどを派手に水面に投入すると何も変化がない。
そこで、思い切って残り70匹を全部投入した。
すると、
何も起こらなかった(泣)
7000円返せ!
だけど、キャストしたら、夜光虫ブンブンの中で1投目からヒットした。
その後はダメだったので、結果はよく判らない。
余談は終わり。
こういう時の攻略はX-80SWやビーフリなんかの漁獲力のあるルアーで攻める。
1投目から魚をかけて、一気に引きはがして、次の・・・ってな展開になる。
イナっ子のパニックを誘い出せば、さらにいい展開になる。
ベイトとスズキが膠着している時は絶対このパターンが強い。
だけど、もう一つ、ワームのジグヘッドなんかで、しっかりと沈めて大きいサイズを狙ったり、数を狙ったり、という狙い方もある。
後者はボートなんかでは定番だが、陸っぱりであまりやる人がいない。
その理由はよく解らないけど、僕の場合はワームで釣るのなら、できればハードプラグで釣りたいからだ。
でも、ワームだとなんでそういうことができるんだろうか。
それはおそらく波動が小さいから、スレにくいと思える。
キモは活性を上げ過ぎないということ。
そこで、ヤルキスティックが登場する。
本来は夏のパターン(予告して書けなかったパターン)の一つなのだが、秋でも成功したので、紹介しよう。
簡単に書けば、橋下の暗がりに一度沈めて、ボトムを取ってからデッドスローでリトリーブするだけだ。
ヤルキスティックはすぐに浮き上がるセッティングになっている。
それを浮き上がらないようにリトリーブするだけでいい。
レンジはポイントにもよるが、50cm〜1mくらい。
ヤルキスティックの波動は繊細である。
だから、手元にまったく情報が来ないので、レンジキープは意外と難しい。
でもこんな感じかなってぐらいでリトリーブしていると、ガツンとバイトが出るはずだ。
橋下に3匹いれば、2本は取れる。
そんな展開になるはずである。
3投目にヒット。
橋下の明暗、上流側のレンジ1.5mくらい?
もちろん掛けたら、なるべく水面をエラ洗いさせて、一気にポイントから引きはがしてしまった方が次の魚は出やすい。
イナっ子は一気にパニックになるが、気にしなくていい。
リリースして、10投目ほどで次のバイト。
同じく橋下の明暗、上流側。
少しキモがあるとすれば、魚のいるゾーンで少しリトリーブを早くする。
浮き上がりやすいヤルキスティックは、すぅ〜っと上昇する。
それでバイトが出る時も多い。
3本目。
そのあとは5分ほどやるが、出ない。
この場合、ほとんどもう魚は出ない。
イナっ子もパニック気味だが、落ち着きだしたところをみると、スズキの気配が薄いのだろう。
次の橋に移動する。
次の橋下。
ここもイナっ子は群れで固まって、スズキの存在を教えてくれている。
ポイントの都合上、上流側からはアプローチできないところ。
1投目から、下流側から上流側に打ち抜くキャストが要求される。
明るい側5mに着水して、流れに任せつつ、ラインスラックを取るだけのようなリトリーブ
橋下の暗がりの中で、ヒット。
この1投目で出る魚はどんなルアーでも獲れる魚だと思う。
いわゆる活性が高い魚。
だけど、その活性が高い魚にアピールしすぎると、他の魚がスレてしまう。
静謐に存在感を知らせる。
ヤルキを起こさせるのではなく、ヤルキをキープする。
そういう使い方ができるかな??
ちなみに、秋に使う場合、フックはXS8番に変える。
少し重くなるのと、やっぱりバレにくくなる気がする。
ここで、もし水面を引いてしまうと、魚が後ろを付いてくるのを見ることができるだろう。
もちろんバイトしてくる時もあるけど、それは多分どんなルアーでも獲れる魚だ。
港湾部は、昼はもちろん夜でも魚を追わせたら負けである。
追わせないで喰わせるにあは、レンジと波動。
1本バラして、その後5投目に、またヒット。
慎重にファイトして、引っこ抜く。
その後、また1本バラして、この橋は終わる。
帰りに、最初の橋に戻ると、イナっ子はまだ固まっている。
もう一度攻める。
小さいのがすぐにヒットした。
おそらくみんな、居付きの魚だ。
居付きの魚はしっかりとルアーを見て喰う。
見切られないためには、ジャーキングやトゥイッチという手もあるけど、ワームのように余計なアクションを見せない手もある。
X-80SWでイナっ子を散らして、活性を上げて1本取って、その後にフォローでヤルキスティックを入れて喰わせていく時と、どっちが強いか未だに判断できない。
今日という日が二度と来ないように、自然界は二度とまったく同じ状況を作ってくれない
でも、流れの弱いところはきっとヤルキスティックで通した方がいい気がする。
逆に流れのあるところは、ヤルキスティックのデッドスローができない点もあるが、おそらくミノーで攻めた方が結果を得やすいだろう。
波動を出さないヤルキスティックの使い方。
少しは解っていただけましたか?
その後は、やっぱり浸かってみたくなって、荒川中流部にウェーディングする。
シャローに点在するストラクチャー周りをざっと流すが、魚は1本だけ。
60センチ前後だと思ってたが、レアフォースと比べるともう少し大きいような・・・
使用タックル |
ロッド |
アピア 風神ゼータ 83Lネオンナイト
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リール |
ダイワ セルテート2500R |
ライン |
東レ シーバスPE 1号 |
プラグ |
邪道 ヤルキスティック
アロウズ レアフォース |
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