Area5 - Stage32 〜 静かな熱狂 〜
2009年10月8日 港湾シーバス
久しぶりに日本を直撃した台風。
関東地方にも多くの雨をもたらし、川は大増水となった。
普段はないところまで水位が上がることで、夏の間に草木が作った養分が川に大量に流れ込む。
そしてベイトフィッシュが河口に集まり、川の中に入るようになる。
そうして秋のスズキ釣りは始まる。
関東地方の10月7日未明からの振出雨量は300mmほど。
3日間は荒川も旧江戸も少し厳しいのではないか。
となると、当日夜のポイントとしてはかなり限られてくる。
だからこそ、魚を出しやすい。
そう考えながら夕方を過ごす。
家に帰り、子供を風呂に入れて準備を追えたのが21時。
潮位は100センチほどで、干潮は翌日1時間の21センチ。
本当であれば潮位130あたりでポイントに入りたいところ。
潮位130センチというのは全国的にスズキ釣りの一つのポイントとなる潮位。
その辺は来週のセミナーで。
時間がないので首都高を使う。
距離にしたらたかだか10kmほどなので普段なら下道で行くが、ポイント到着が5分遅れれば、その分超弩級の確率は低くなる。
その5分で80センチが取れるなら、700円は安い。
ポイントに着くと、下げもクライマックスに入りつつある状態。
急いで準備をしてスーサンから始めていく。
ポイントは関東の人なら名前は聞いたことあるだろうけど、読み方がわからないってな感じの無名の河口、スズキ釣りではあまり聞かない川。
それは普段は水量が乏しいから魚を引き寄せる力がなくて評価されていないだけ。
枯川や水の流れていない川なども台風の時はこういった川も大量の真水を排出し、スズキを寄せる。
そして、真っ先に川の状態が適性となり、釣りが可能となる川。
すでに大本命の蛎殻瀬は頭を出しつつある。
そのエッジにスーサンを散らしていく。
開始してすぐに良いサイズ。
珍しく計測して60センチジャスト。
その後はフッコに悩まされる展開。
スーサンがいいのはわかるのだが、もう少しフックが大きいルアーで掛けられるならランカーキャッチの可能性は更に高まるので、コモモやグース、ブーツなどに変えるが反応がない。
スーサンでポツポツの様相だが、サイズはみんな40センチ。
ふとキャストをやめて冷静に流れを見る。
自分のいる位置より30mほど上流。
長さ4m程度の1本のカレント。
が、力強くそして速い。
そっと真横まで移動してからスーサンをクロスで流す。
バイトはない。
おかしい。
このカレントこそ、その日一番デカイのが出るはずなのに・・・。
来る度にそう思うのだけど、過去に1度も出たことないんだよね。
戻ったところでは沖の塩分濃度がしっかりしたエリアから、フッコが次から次へと浅瀬に侵入してきてバイトを繰り返す。
ここで粘れば20〜30本程度は出そうな感じ。
灯りもなんもない暗いシャローでは、魚は流れという要素に引かれ、集まる。
普段より潮位が高めで流れに乏しい中で久々に良い流れを出す弱小河川。
養分濃度も高いのだろう、普段はいないベイトもちらほらと水面で踊る。
フッコをまた2本ほど降って、その次にカレントの中でU字を書いていたらちょっと大きいバイト。
慎重に寄せるがサイズは小さい。
先ほどより少し大きいので60センチ少し越えといったところ。
今日の釣りの敗北が近いことを知る。
やはり来るのが遅かった。
もう一度上流のカレントが気になる。
長さ4m、幅1m程度のざわつき。
一度攻めて出なければ出ないもんだが、出ないのがおかしい。
18日にやるセミナーの中核をなす要素なのだ。
こういったポイントで出るんですよ、という話をするためにもここで出ないと納得いかない。
蛎殻への根掛かりが怖いけど、リトリーブスピードを落としてじっくりと通す。
根がかったら立ち込んでいって回収すればいい。
そんな感じでアップから流した2投目。
4m先の足元で蛎殻に当たるぞ、という瞬間に泳ぐスーサンが止まった。
風神ゼータナイトホークとPEラインであれば、4m先の感覚など手で触るのと何ら変わらない。
蛎殻ではないことを100%確信し、即座にアワセを入れる。
重い土嚢を引っかけたかのように、何かは水の中を動きながら生命感を出さない。
ゴミ?
と思った瞬間にロッドに伝わる尾びれの動き。
でかいスズキだ!
ロッドは満月で、魚は足元まで来ている。
後ろに跳ね下がりながら浅い足場にズリ上げる。
魚はまだ何が起きたかよく解らない感じでぼうっとしている。
ズリ上げ成功。
砂の上に上がってから大暴れ。
ここでこのサイズなら納得の長さと重さ。
80センチには届いてないと思い、計測はせず。70中盤?
15分が過ぎて、先ほどのポイントは流れが消えて消滅。
水深30センチしかないシャロー帯にカレントが発生。
きっとあそこに魚が寄る。
スーサンにはポツポツとバイトが出る。
足元の牡蠣には小さいカニがびっしり。
しきりに手を伸ばして何かを捕まえて食べている。
そう台風後は全ての生物が多くのエサにありつける。
川は静かだ。
が、そこには幾千万の命の静かな熱狂が渦巻いている。
そして僕も。
シャロー帯のカレントを10分ほど休ませてそっとスーサンを通す。
アップクロスにコツッとバイトが出たのを電撃でアワせる。
水面を派手に割ってファイト。
70前後。
その後も60センチ。
何かをずらすとこんなフッコが相手になる。
今日はスーサン以外はまったくダメだった。
秋、いよいよ本番。
体力の続く限り、嫁さんの堪忍袋の緒が耐える限り、自らを川に預ける。
使用タックル |
ロッド |
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アピア 風神号91MLナイトホーク |
リール |
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ダイワ イグジスト3012 |
ライン |
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東レ シーバスPEパワーゲーム 1号 |
プラグ |
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邪道 スーサン
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ゴミ |
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ペットボトル |
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