Area7 - Stage6 〜 落ちるスズキを追いかけて 〜
2003年12月1日 房総半島 シーバス
この世の人間様のなす事で、変わらなくていいのは義理と人情だけである。
あとは変われなければ生き残ることができない。
それがビジネスの世界では当たり前の事だ。
それほど時代の変貌が激しい。
師走とまたせわしい名前を背負う月に、いつにも増して忙しく走り回る人間。
それをあざ笑うかのようにスズキはいつの時代も変わらぬ動きを見せる。
ゆっくりと、しかし確かに。それは本能に赴くままに。
湾口へと産卵に向かう魚。その最後の荒食い場所。
それがいくつあるかはわからないが、ここもその一つなんだろう。
毎年のように繰り返されるスズキたちの最後の準備場所。
ポイントに着くなり、壮絶なボイルが見える。
という期待を大きく裏切り、今日の水面は鏡のように静かなままだった。
だけど、だけどだ。
14年間もやってれば感じるのである。
スズキの気配。
セオリーからは完全に外れたコース、そしてメソッド。
シャローも明暗もなんも関係ない、ただひたすらに暗い場所。
磯場と磯場の間という大場所でX-80SWのトゥイッチ&ファーストリトリーブ。
端から見たら完全なるアンチセオリー。
だけど、空の真上には白く輝く満月。
デーゲームの釣りが深夜3時に炸裂する確信
リリースした後はX-80SWでは反応が無くなる。
ならばと、アスリート9Sに変える。
風のない静かな港にさんさんと降り注ぐ月明かり。
まるで全てが停止しているかのように、静かにたたずんでいる。
ただ吐く息だけが白く立ち上る夜。
だけど、そこにスズキは息を潜めて待っている。
こんな夜は岸際の常夜灯の支配力が弱まる。
港の真ん中に適当に投げ込んでボトムを取ってからのジャーク&ジャーク。
セオリーを崩す覚悟、そこから新しいセオリーが生まれる。
2度のバイトのあと、ボトムラインで強烈なバイト。
風でもない明かりでもない、月明かりにこそ生きるセオリーがある。
アンチセオリーと逃げるのは簡単だ。
もう一度言おう。
セオリーを崩す覚悟、そこから新たなセオリーが生まれる。
変わらなければ何も始まらないのだ。
ついでにボトムを取ったローリングベイトに小さなマゴチ。
使用タックル |
ロッド |
アピア 風神ゼータ72Mクロスインパクト |
リール |
シマノ ステラ3000AR |
ライン |
東レ シーバスPE 1号 |
プラグ |
邪道 ヨレヨレ〜
メガバス X-80SW
ジャクソン アスリート9S |
ゴミ |
空き缶 |
|