Area9 - Stage7 〜 台風11号、その後 〜
2001年8月24日 ボートシイラ
一つのその試みとしてマイボートによるシイラがあった。
その試みは成功し、僕は色々なことを学ぶことができた。
シイラアドバンスとして一緒に海原へ出る、冒険の同行者たち。
わくわく、どきどき、そわそわ。
彼らが見せる様々な表情はとても楽しく、そこに釣りの原点を見いだすことがままあった。
僕はいつからこの原点を見失ったのだろう。
これでも、しがらみを嫌ってやってきたつもりだ。
しかし、自分が有名になればばるほど、がんじがらめのしがらみが僕を縛った。
優等生みたいな釣りはしたくない。
しかし、多くのしがらみは自分のスタイルさえ満足に通させてくれない。
自分のやりたいようにやらせてくれ。
そんな心の悲鳴が僕の中にはいつもある。
初めてシイラを釣った金さん。この日は風が強くて満足な魚がなかなか見つけられなかった。
その中の1本。
快晴の空の下でメーター級とのファイト。ロクテンを思いっきりぶち曲げて楽しんだ。
バスロッド主体のテクニカルなスタンスが僕のスタイルだ。そのライトタックルで可能な限り早く寄せて、リリースする。
リリースを前提として考えた場合、意外とシイラの体力は少ない。メートルちょうどで5分。それ以上かかるとリリースはかなり厳しくなる。
そこをバスロッドでやる。できることもあるし、ダメな時もある。
もっといい方法はないか。
ファイト方法を根本的な考え方から考えていた。
昨日のクロスロード「ダベミ」ですごくいいヒントをもらった。
さっそく試してみたい。
志平丸の仕立てで出たのは11日だったかな。
夕方までずっとこの状態だった(笑)
この時思ったのは全く釣れなくても楽しい仕立もあるんだな、ということ。
船長の情熱や友人の笑顔があればそれでもいい。
ただ、今回の船長の情熱はゼロに等しかった。ちょっと悲しくなった。
アドバンスに訪れるアングラーに教わることも多かった。
しゅうちゃんに教わったミスカルナの世界も、かなりの部分をものにできた。
釣りの幅がまた一つ広がる。
アドバンスで今年シイラデビューした人は15人ぐらい。その一人の西村さん。
朝一番にキャッチしたのは107センチだったかな。
フラッシュのせいで夜みたいだけど実際は明るいのよ。
ふ〜じの記録が105センチなのをしきりに喜んでいた。
いいよね、こういうのって。
こんな感じで淡々とシイラ通いは続いていた。
そして8月24日。台風通過後の一発目。嫌でも期待感がこみ上げる。
海はどんな状況?漂流物は?青物は?
メンバーはかんちゃん、Novさん、柳井君の3人。
朝4時半に出撃。
沖のブイ周りは超高活性のシイラで埋め尽くされていた。
朝一からこのサイズは入れ食い。美しい朝焼けの中で全員のロッドが同時に曲がった。
その中でひときわ大きいサイズを思わせたかんちゃんのシイラ。
ランディングしてみると70センチちょいのシイラ。
満足げです。
柳井君も同サイズをコンスタントにキャッチしていく。
2年ぶりの台風が来たと言うことは2年間もの間、川が貯めこんでいた大量のゴミを吐き出すということである。西日本か、果ては近海か、判らないけれども潮目に浮かぶ大量の浮遊物が台風が来たことを何より告げていた。
流れ藻などの周りではツムブリから始まる多くの食物連鎖の世界ができあがっていた。
メタルジグを落とすと、ショゴがヒット。
まだまだ小さいが黒潮の使者もようやく姿を見せ始めた。
これからだよ。
途中、どこかの国のタンカーが洲崎の岬に突っ込みそうになるというハプニング。
定置網の真横を全速力ですり抜けて岸へまっすぐ突っ込んでいく。
僕を始め、異変に気づいた写真左の漁師とか、みんなが慌てて追いかける。
岸の500mほど手前で気づき、方向を変えて無事太平洋に出ていった。
それにしてもこのタンカー、2つの定置網の間を絶妙に突っ込んでいった。
もし数百メートル、ズレていたら定置網に乗り上げて重油事故などの惨事が起きていただろう。
前方確認はしっかりと。
Novさんにそこそこの型がヒット。前回といい、シイラになるとこの男の引きは強い。
まずは、メーターちょうどぐらいをキャッチ。
ブイ周りはまだまだ食うんだけど、沖に出てみる。
岸から2本目の潮目を流す。
はしご発見。
僕も竿を出してみる。リップルポッパーにヒット。
柳井君のポップクイーンにスレヒットしたシイラ。
神々しいというかこの爽涼感のある蒼い美しさ。
流れ藻はいくらでもある状態。潮目を流すと攻めたくなるような藻ばかりでいっこうに前に進めない。
そうこうしているうちにNovさんにヒット。
ひとっ走りしてジャンプした姿は120センチはありそうだ。
まだシイラとのファイトを理解していないNovさんだけに、ファイトは10分はかかるでしょ。
ということでおにぎりを頬張り観戦。
船の近くまで来たら、他のアングラーが竿で水面を叩く。ビックリしたシイラは目の前でジャンプ。
また走っていく。別に嫌がらせじゃない。早く疲れさせて岸に上げるための一つの手段。
嫌がらせに見えるところが面白い。みんなで笑顔で水面を叩く。
というわけで、Novさん。
126センチのシイラをゲット。
このシイラ、よく見たら尾びれの下の部分がない。ファイト中かランディング時に折れたのかと思ったけど、よく見るとずっと前から尾びれがなかったようだ。完全にケロイド上の皮膚で覆われていた。
そんなシイラがここまで大きくなったことに少し感動。尾びれ付近の筋肉が異様に発達シイラだった。
一つのヒレで同じだけの泳ぎをしなくちゃいけなかったんだろうな。
Novさんのシイラをリリースして辺りを見渡すとまだメスのシイラが船に付いていた。
1mぐらいありそうなのでとりあえず狙ってみる。
するとヒット。
93センチでした。
その後はブイに戻ったけど、ペンペン爆釣。
24日はこんな感じ。シイラ主体だったけど、食物連鎖の世界をかなり追求してみたくなった。
流れ藻の下につくツムブリなどの小魚。その食物連鎖の最後には何がいるの?
これから色々と見てみたい。
使用タックル |
ロッド |
Palms SGP-86L
メガバス Destroyer F3-610XS |
リール |
シマノ ステラ4000 DH |
ライン |
東レ シーバスPE 1号 |
プラグ |
ミスカルナ
ポップクイーン
リップルポッパー |
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