村岡昌憲の釣行記。東京湾のシーバスからその他節操無く色々と。

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Area9 - Stage8 〜 食物連鎖の頂点 〜

2001年8月27日 シイラ

 

 

 

 

潮目に沿ってどこからともなく流れてくる浮遊物。

浮遊物には出発点が必ずある。

ハングル語で何かが書かれてる大きな板っきれ、とかとても貧相な日本人のものとは思えないサーフボードとか。この浮遊物がどこから流れてきたのか、釣りをしながらそんなことを考えるのはとても楽しい。

また、浮遊物には歴史がある。

同じ流木でも貝が付いていたり、海草が一杯生えていたり。

どこから、そしていつから、この海を旅しているのか。

そんなことも考えたりする。

 

今日見た流木にしがみつく小さなカニ。

流木の下にはマツダイやウスバハギが一杯。

カニにとって落水することは死を意味するのだろう。

小さな波でもしっかりと流木を握りしめていた。

台風11号にも必死で耐えたに違いない。

餌は木の下にたくさん生えている爪貝の類なのだろうか。

 

一つの流木から始まる壮大な食物連鎖。

潮目には多くのプランクトンが発生し、ベイトフィッシュが集まり、フィッシュイーターたちが集まる。

そのフィッシュイーターも弱肉強食の掟からは逃れられない。さらなる強いフィッシュイーターが存在する。

それならば、その一つの流木が始めるたった一つの物語。

食物連鎖のチェーンをたぐってみたい。

そんなことを考えた。

 

 

 

27日、なぶら、MINA、渡辺氏の3人で出撃。

 

 

 

綺麗な朝靄の中を駆け抜ける。

 

まずは定番の沖ブイ。

ここでは毎度のなぶらちゃんが炸裂。他の3人がノーバイトの中、3投で3本。

手が付けられません。ちなみにヒットルアーはポップクイーン。

 

まだまだシイラはたくさんいるが、全然やる気がない。

やがて地元ボーターが2艇攻めに来たので、ここは移動することにした。

潮目の漂流物探しだ。

しかし、これが失敗。ベタナギなので4級船舶免許の航海距離あたりまで沖に出てみたが、潮目すら見つからない。

2時間走っても何もないので館山に引き返してきた。

で、岸際から探ってみようと岸に近づくと岸から数百mのところにゴミだらけの潮目が。

よく見ると館山の湾内にかなり潮目が食い込んで岸スレスレを流れている。

 

 

船で走りながら流してみると、まずは大破した木造漁船の船首部分を発見。プーカプカ浮いている。

早速ペンシルをキャスト。シイラが水面を割る。

ペンペンばかりだが、怒濤の入れ食いで全員がキャッチ。

流木の下にはウスバハギやらウメイロやらが数百尾近くいる。

これは・・・、と思ってジグを沈めてみる。

ハイピッチショートジャークで探ってくるとオキアジがヒット。

初めて釣ったが、なかなかいい引きをする。メッキみたいなもんだ。

しかも、とても美味いと聞いたことがあるので早速キープした。(刺身にして食したが、すこぶる美味だった。)

で、オキアジを2尾キャッチ。

縞模様があるのとないのがあるらしい

 

ショゴもこんなサイズが3尾。



(写真は港に給油で寄った際に撮りました)

 

で、更に色々とやってみたかったが、この日は潮目が定置網に流れ込むようにあって、壊れた船首は潮の流れに乗って定置網にグングンと近づいていく。目一杯まで頑張ったけど、これ以上は危険と感じたとこであきらめる。

また、潮目に沿って洲崎から布良方面へ回っていく。

 

5分ほど走ったところで、角材を発見。

もらった。

そんな感じでシイラがヒット。80センチ級までだが5本ほどをキャッチ。

ここにもウスバハギがたくさんいるので、ジグを沈めてみる。

20mほど沈めてハイピッチでしゃくってくるとガツンとヒット。

ジャーーーーーーーーーーー!

っとドラグを鳴らして走っていく。なんだこれ?とにかく思いっきりのいい走りと突然軽くなったりガツガツと首を振ったりするファイトは未知の体験だ。

コーラルスター608を使っていたので、パワーでぐいぐいと寄せる。

そしてランディング成功。

小さいサワラだ!正式名でカマスサワラって言うのか?

むちゃくちゃ歯が鋭い。うお〜、こわ。

 

 

早速これをキープして、またジグを落とす。

狙う水深は20m。ショゴの下のレンジだ。このサワラたちが何を食べているのかは判らないが、サワラとファイトしている時のウスバハギやウメイロの逃げまどい方はすごいものがある。きっとこの辺をたべているのではないだろうか。

 

3投目、ジグを落としている最中、ふっとラインが出るのが止まった。

「フォールで食った。」

そう叫ぶか否かのタイミングでアワセを入れる。

スカッ!

「ん?スカッ?」

そう、すでにラインがすっぱりと切れていた。

やられた、こいつは手強い。

渡辺さんが、

「ワイヤーリーダーがないときついっすね。」

と、腕を組んで考え込む。もちろんワイヤーリーダーなんてもん積んであるはずもない。

そうこうしているうちに渡辺さんまでラインブレイク。

 

 

何とか良いアイディアはないか。

そこで思いついたのがこれ。

トリプルスナップ。これならサワラの歯でもそう簡単には切られないだろう。

後は食わせ方でリーダーを守ってやれば完璧だ。

もしリーダーにバイトがいくと、スナップ3ついきなりロストする、という現実もある

 

 

4投目。フォールは単調にスローに。

水深30mまで落としたらショートジャークでグングンと巻いてくる。

時々ポーズを入れる。但し、ジグは一切フォールさせない。トリッキーな動きはせずにあくまでジグを食わせたい。

ジャカジャカ巻きにコンマ5秒ほどのストップを入れてアクションしてる最中にヒット。

 

 

のわ〜っ!!

思わず、こんな声が出るほど暴力的な引き。

しかし、この魚は基本的に素直な走り方をする。魚の押さえ込み方が判れば簡単だ。

あっさり寄せてランディング。

80センチぐらいでした

 

 

コツがつかめたので他の3人に指導。

さっそく渡辺さんも、トリプルスナップで挑戦。

これまた90センチ近い大物?。

 

 

もう一発、同サイズをヒット。この日はサワラが10本近く出た。

 

 

なぶらちゃんも良型をキャッチ。

 

 

MINAも良型をキャッチ。こんなデカイ魚を釣ったのは初めてと喜んでいました。

 

正味30分、一つの角材の下に付く食物連鎖。

このカマスのもっと下にマグロとかいないのか。

そう思って色々やった見たけどダメだった。

 

いよいよ、黒潮も関東に接近しだした。

今回、潮目が岸ぎりぎりを流れていたのはこのせいなんだろうか。

 

 

翌日は朝から潮目探し。

30ほど探して出ました、小枝の固まりにホースが絡んでいる。

ホースの先端は15mほど水中深くに垂れている。

これ以上ない理想的な漂流物の一つ。

 

案の定、シイラが百尾近くいたので、みんなで入れ食いを楽しむ。

スレた後はジギング。

 

 

メタリックサーディン30gを40m落としてハイピッチショートジャークで誘う。

周りの人間が、いや僕も、あまりヒットすること自体を想像していなかった。

 

 

突然、ロクテンがぶち曲がる。

ぎゅるぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

最初のひとっ走りで一気に70m近くラインを引きずり出していく。

 

 

なになに??

船中騒然となる中、一進一退の攻防が続く。

 

 

15分ほどのファイトの末にようやくネットイン。

全長123センチのカマスサワラ。重さはバネばかり振り切って量れず。

思ったこと。ロクテンで釣る魚ではありません。

ま、時間をかければバスロッドでもこれぐらいは取れるのです。

すごい引きでした。

 

 

一つの流れ藻、一見するとシイラやマツダイばかり攻めてしまう。

せいぜい、その下のショゴやウスバハギがいいとこだろう。

しかし、そのもっと下にあるものに思いをはせる。

その思いが今回の結果になったのだろう。

このカマスサワラを食っている何かはいるのだろうか。

 

 

 

 

使用タックル
ロッド Palms SGP-86L
メガバス Destroyer F3-610XS
リール シマノ ステラ4000 DH
ライン 東レ シーバスPE 1号
プラグ リップルポッパー
ポップクイーン
ミスカルナ
   

 

 




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