村岡昌憲の釣行記。東京湾のシーバスからその他節操無く色々と。

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Area10 - Stage10 〜 フォローベイトの再構築 〜

2008年2月3日 港湾シーバス

 

 

 

 

嘘が真実に変わっていく、という経験をするのは人生で何回目だろう。

 

嘘をつくための嘘は、例え内なる優しさのしるしだとしても。

 

嘘が吐き出す毒素はいつしかあなたの光を奪っていくことがわかっていても。

 

それでも、あなたは、明日も嘘の中を生きていくのか。

 

感情の移ろいが見せる影絵は、紅灯の中の女達のようにはかなく、そして哀しい。

 

 

 

スズキは嘘をつかない。

 

スズキの行動の全てを司るのは、ただひたすらの生存本能のみ。

 

見栄も欲望も、本音も建前もない。嘘も狂言もない。

 

その全てに都合の良いことはない。

 

 

スズキに触れる度に、

そのまっすぐで、ひたむきな本能は、俺を厳しく叱っているように感じてならない。

 

 

 

 

 

土曜日曜とずっと釣り場に。

土曜日はブラストのムービー撮り。

実釣もやったのだが、1本のみに終わる。

 

 

日曜日は、スーさんのインジェクション打ち出しのテスト。

最終サンプルで100点だったアクションが90点に落ちる。

どうしようか悩んだが、このまま行くことにした。

 

 

90点でもスーさんのポテンシャルは十分に伝わる。

その次のロットで更に微調整をして100点にしていこう。

それよりスーさんを急ぐ必要がある。

 

 

 

スーさんの登場で、自分自身の釣りに、

数年ぶりの大革命が起きている。

 

 

釣り場について最初にキャストし、流れや状況をつかむとともに、

魚に対して早い勝負をしていくルアーをパイロットルアーという。

 

 

僕にとって、港湾部のパイロットルアーはもう8年近く、メガバスのX-80SWがその座を守っていた。

ハチマルの情報伝達力と、その勝負の速さは絶大な信頼をもって、僕の釣りの全てを支えてきた。

 

 

例えば、少し前回の釣りから期間が空いたときや、リールの番手が変わったとき、同じリズムで巻いていても、以前のそれと同じスピードで巻くことはできない。

それが以前と同じか判断する事が必要である。

そういう微妙な感覚のズレをパイロットルアーは修正してくれる。

その波動からくるリズムが、自分の狂ったリズムを補正する。

 

サラリーマンでいつも釣り場に行けない僕が、メディアの取材で高い成功率を保っていられるのも、ハチマルの存在と、最初に感覚修正をするというパイロットルアーシステムがあるからである。

 

 

そのパイロットルアーをスーさんに変えることにした。

 

ハチマルがダメになったというわけではない。

(まあ、最近のものは曲がって泳ぐものが多いが・・・)

 

スーさんに変えると、何が起きるかというと、その後のフォローベイトが大きく変わってくる。

より魚のスレに強く、より漁獲力の高いシステムを構築できる。

スーさんが、自分自身の、ルアーローテーションシステムに大革命を引き起こしたのである。

 

 

後で、じっくりとみてもらいたいものがある。

昨年まで執筆途中だった、Styleのルアースタイルである。

見てもらうと解るように、古い(笑)

このシステムを一から作り直すことにしたのだ。

 

 

スーさんがそのシステムの根幹を担うとき、そこに以前と比べものにならない、バリエーションが生まれる。

 

 

スーさんは、タイトローリングアクションのリップレスミノーである。

40mキャストして、ロッドティップを水面にして、水深100cmを泳いでくる。

通常の使用だと、ほとんど50〜70cmラインを泳ぐ。

重心移動搭載で風に強く、このサイズで群を抜く飛距離。

 

実際に使用してみると判るが、何より魚のスレに強い。

その水押しの無さと、存在感の無さであるが、パイロットルアーとしての性能を十分持っている。

それがハイピッチなローリングアクションである。小刻みに回転するボディが、近くのスズキを確実に反応させる。

しかも、ハチマルより浮かせたところで喰わせる。

このより上で喰わせられることがその後のフォローベイトにとって大きい。

 

 

最初は思いつきだった。

運河のブレイク狙いで、スーさんを使っていて、次に投入すべきプラグを考えたとき、頭に浮かぶのがメガバスのFRAPSLAP柊、そしてラッキークラフトのビーフリーズ。

 

 

どれも今までのAreaにはあまり登場していないルアーである。

が、今回発売したDVDでは主戦級として活躍している。

去年の秋から、いつのまにかそうなっていた。

最初は、初のDVD取材という中で必死にやっている瞬間の脳裏に出るひらめきでしかなかった。

が、そのひらめきは見事に結果を出し続けた。

 

 

その後、別の取材中にふと気付いた。

スーさんからローテーションを組み立てていくと、バリエーションが多い。

同時に魚にスレにくいので、数釣りも型獲りもいける。

と、思った瞬間、体に電気が走ったのだ。

 

ここから展開するのか、と。

 

 

書いていて、みんな、なんのこっちゃ、わからないんだろうなぁと思う。

だけど、僕はすごく興奮したんだ。

こういう形で道が開けるとは思わなかったからだ。

 

ということで、書いている途中のStyleはダメになったけど、個別のルアーの解説としては使えると思うのでお時間のあるときに読んで欲しい。

BTZという概念でルアーを分けていくことの重要性が少しでも解れば嬉しい。

 

 

今書いていて気付いたが、干潟のルアーシステムも崩壊することになるのだろう。

となると、スーサン10やスーサン13が必要なのだ。

スーサンズである。人生は短い。急がねばならない。

 

 

 

 

で、なんだったっけ。

そう、スーさんだ。

そのスーさんのテストが終わって、GW直前の発売がほぼ決定した。

欲しい方、もう少しのご辛抱を。

 

 

それが終わって、再来週のフィッシャーマン北葛西店のトークライブの打合せ。

ナイトホークもあるし、スーさんに、ヤルキバ2nd、AXA、アロウズのシンペンなどなどお話ししなきゃいけないことがたくさんあるのだ。

あとは東京湾奥のこの時期の釣りについてお話ししようかと思ってる。

一番話がしたいのは、この超興奮もの(自分だけ?)のローテシステムなのだが、スーさんがまだ売ってないのに話しても仕方がないので、それは4月のキャスティングセミナーの時にでも。

 

 

それが終わって、東京駅に邪道のスタッフを送り届けてから、とんぼ返りで湾奥へ。

時間はいよいよ暗くなりだした頃。

潮時は下げ8分、干潮までが勝負だろう。

 

 

最初は隅田川筋の港湾部へ。

足下のエグレを丹念に探ったが、反応無し。

潮位が低いので、足場が高い。

そのようなときのルアーは?と考えながら色々とやるが、どうもここは反応が乏しい。

荒川水系の運河筋へ移動することに。

 

 

ポイントに着くと、いよいよライトが必要な時間帯。

昼間に、テストで訪れた際に3人組が数本キャッチしていたのを目撃した。

魚は入っている。

 

 

足下のゴロタが少し露出し始めている。

スーさんを遠投し、ブレイクの先の流心に撃ち込んでいく。

そこからロッドを下に、ブレイクの上を通す。

両側が立ち入り禁止で、50mほどしか釣りができる場所がない。

そこを5m間隔で通していく。

 

 

ブレイクの真上でコン、とバイト。魚は小さい。

今の潮位から考えて、ブレイクの水深が1.5m→2.5mといったところ。

そこを水深30cmほどのスーさんでバイトさせた。

 

 

次の一投でまたバイト。全く同じところ。

ここで乗せたかったが、こればかりは仕方がない。

今度は少し深めに、遅めにルアーを通す。

三度目の正直で、コンとバイトしてこの1本。

 


撮影用にナイトホークを没収されて、今日はフローハント。40センチ。

 

パイロットルアーの一つの条件が、その多様性である。

喰わせることができる、スピードやレンジの幅が広ければ広いほどいい。

そのパイロットルアーでどうしようもないところを補うのが、セカンドであり、そのセカンドでも補えないところを補うのが、サードルアー達なのである。

 

たとえば・・・

 

パイロットルアー 

      要素    セカンド→サード→・・・       

 

      深さ    B太?→ブラスト?→X-80SW→ローリングベイト→レンジバイブ

      浅さ    ヤルキバ→TopWater

      速さ    フレッシュバック→アスリートS→ 

      遅さ    柊→X80SWorビーフリ→エドニス?  

      遠さ    ヨレヨレ→パーティー?  

      波動大  開発中→  

      波動小

      大きさ

      小ささ

 

等々色々とあるのだが、これはそのうち。

 

 

 

リリースして、また撃ち流す。

10mほど横に動いたところでまたバイト。

これも、一度バイトが出たコースを同じように深め&遅めに通してヒット。

 

 

 

スーさんはすれにくい。

これはきっと確かである。

 

 

 

またしばらく流していくと、コンとまたバイト。

深め&遅めに通すが、今度は反応無し。

 

そこで柊である。

カラー失敗してレッドヘッドしか手持ちがない。

本当は同じカラーの方がいいのでは、と思いつつ、ブレイクに撃ち込む。

フローハントと柊でブレイクの距離ギリギリが精一杯。

着水したら、デッドスローでブレイクの斜面にリップを当てに行くように潜らせていく。

リップが触れた瞬間に、限りなく激デッドスロー(リールは停止、ロッドティップを聞くようにラインを張り続ける程度)に移る。

 

 

 

一発で来た。ゴン!と、すこぶる痛快なバイト。

 

 

小気味いいし、正解過ぎて、一人暗闇の中でにやりと笑う。

 

が、自分の中の理屈に合っている。

柊もかなりタイトなローリングアクションである。

柊の特徴はフローティングならではの、ブレーキの効くローリングアクションである。

限りないデッドスローができるのである。

 

スーさんに反応した、もしくは反応しなかったスズキに対して、アクションと波動をずらさずに、レンジとスピードをずらす。

 

この後、これで出なければX-80SW投入という流れ。

 

であるが、端まで行って帰るコールもなったので終了とした。

 

 

使用タックル
ロッド アピア 風神Z 88MLフローハント
リール ダイワ イグジスト2500
ライン 東レ シーバスPE エフゼロ1号
プラグ メガバス FRAPSLAPヒイラギ
邪道 スーさん

 

 

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