Area15 - Stage3 〜 レンジ&ゾーニング 〜
2008年4月1日 運河 シーバス
人は、自ら燃える自燃性の人と、
自燃性の人と一緒にいると燃える可燃性の人と、
そうではない不燃性の人がいる。
不燃性の人はなかなか火が付かない。
暖まりこそすれど自らエネルギーを出すことができない。
もちろん僕は自燃性で、こうして今日もこのareaを読んだ人の心に火を付けようとしているのだけど。
と思っていたのは最近までだ。
が、最近はやっぱり不燃性の人なんてこの世にはいなくて、みんなどこかに着火線があり、必ず燃えることができるのかなぁ、と。
それに、不燃性の人も何かが変われば可燃性どころか、自燃性の人になれること。
そんなことを学んだ。
うちの会社に入社して以来、不燃性だと思っていた人間が、今ではボウボウと火を出して周囲の人間に火を付けている。
それを見て驚いた。
人は変わる。変わることのできる人間はすごい。
僕も負けてはいられない。
その概念で言えば、自称、引火性誘爆型、である。
これからも、30m以内接近注意で。
岡山日帰り出張の新幹線の中、週末に行うセミナーの話をまとめていた。
今回のセミナーテーマはルアーローテーションシステム。
これは正確に言えば、言葉にできない直感の世界である。
それを何とか概念化し、図解にできないか。
この1ヶ月ほどはこの点をずっと考えていた。
費やしたノートのページは30ページ近くなった頃、なんとなくであるが、僕が考えるルアーチェンジというものの図解ができあがったのである。
それは四次元のレイヤード(階層)XYZ+@グラフによって表される。
まずは大きなレイヤードグラフが二枚有る。
一つは、レンジをY軸にしてスピードをX軸に。
二つめはレンジをX軸に、波動をZ軸に。
ここまでは三次元としての考え方、そこに距離と高さと大きさという概念が@軸としてその二枚にそれぞれ派生する。これは距離や高さといった要素をベクトル化して、そのライン上にルアーが並ぶといって解るだろうか。
自分自身、初めてセミナーのテーマにしてみて、初めてその自分の考え方を概念化できたのである。
だから、興奮していると、前から書いていたのだ。燃えているのだ。
新幹線が東京駅に着き、駐車場から車を出したその足で背広で釣りに行く。
上着だけはフィッシングスーツであるが、その下はワイシャツだ。
時間は23時過ぎ、明日も明後日も忙しい。体力から考えて1時間のみと決める。
ポイントは隅田川系の運河筋。
その一つで浚渫工事をやっている。
昼間は濁って魚が寄りそうもない気配だが、下げからの上げ潮に魚が入ってくる。
夕方の干潮から、ジワジワと上げる潮。
ポイントに着くと潮色は抜群。
しばし水面を見るが、ライズが出た後の泡が全くない。
バチもまだ小康状態だし、アミパターンもここでは考えにくい。
ベイトが入っているのか。
水門の照明が作り出す複雑な明暗部。
最初はスーサン。
ナイトホークが、強烈な弾道でスーサンをはじき飛ばす。
7センチのシンキングリップレスは、飛んでいる姿はほとんど弾丸である。
一直線にポイント上空を通過し、15m先に着水。
そこからロッドを立てて、水面下40センチのラインをミディアムスピードで引いてくる。
このポイントはどこで喰ってくるか解らない。
流れも灯りも複雑。だけど、確実にレンジを下げた状態で魚はたまっている。
1投目から流れの中で強烈なバイト。
乗らなかったので、小刻みにトゥイッチを入れてタメを作ると、もう一度バイト。
即でアワセを入れると、少しタメるが、小さい。
苦しくなって水面に出たところを一気に引っ張ってくる。
丸呑み。スーサンが口に突っかかっているだけで、フッキングしていなかった。
リーダーがボロボロになってしまったので、結び換える。
そう、スーサンも引火性誘爆型である。
1本が次の1本を呼ぶ。そういうルアーを作りたかった。
今のスーサンで魚の活性が最高になっていると考えた。
魚がいるレンジが3〜5m程の間、そこから水深40センチまで魚を呼んで喰わせた。
そして、その魚をほとんど見せずに一気に寄せた。
残った魚がいれば、非常に活性の高い状態になっているはず。
そこで手前から魚を獲りに行く。
まずはFLAPSLAP-SW柊。
こいつを潜らせないように引く。
ということはデッドスロー。
3投目、いい感じのヨレの中でバイト。
ナイトホークのティップに任せて、フッキングさせる。
ネオンナイトの超鬼掛けティップほどではないが、ナイトホークも鬼掛けティップ搭載である。
そういや先行してアナウンスしていた価格より、定価上がってしまいました。すいません。
リリースして、FLAPSLAP-SW柊を撃ちまくるが、バイトは出ない。
最後はフルキャストできるエリア全てを通したが、反応がない。
というより、飛ばないんである。
この弱点さえなければといつも思うのだが、鉛を張るとダメルアーになる。涙。
BR@STに変える。
先ほどのスーサンのところまで飛んで、そこからしっかりと水を掴ませて引いてくる。
レンジにして1.5m。
2投目、スーサンが出た場所と同じところでヒット。
群れの真ん中で喰わせてしまったので、強引に水面まで持ってくる。
じっくりやれば1本。強引にやってバレても次がある典型的なパターン。
幸いバレずに1本。
サイズは細かい。完全な数釣りモード。
でも今年はそれでもいいかもしれない。
久々に興奮してるんだ ←しつこいね。(笑)
数釣りの極意は色々あるが、最も難しい考え方は、レンジ&ゾーニングである。
魚のいる範囲を立体的にゾーニングし、そこからレンジを軸に、アクションと波動とスピードを変えて、魚を釣っていく。
FLAPSLAP-SW柊は同じスピードで巻けば、B-太やビーフリと同じレンジである。
しかし、波動は違う。
同じスピードで引けば波動が全く変わる。
が、違うスピードで引けば同じ波動が出せるのだ。
波動を合わせるか、レンジを合わせるか、スピードを合わせるか。
DVDはそれで釣っているんだけど、解説が足りないんだよね。
これ読んで もう一度見て欲しい 秋の夜編
その下にBR@STが入る。
X-80SWは更にその下である。
その下にタイトスラロームもあるし、まさにSWルアー激戦区だね。
が、その10センチ刻みのレンジ&ゾーニングができるかできないかで、釣果が決定的に決まるのである。
BR@STをスローに巻いて、X-80SWのレンジまで落とすと、ピッチの遅い波動で魚を誘うことができる。
その後に、X-80SWをフォローで入れれば、同じレンジを同じスピードで、ピッチが速く、やや小さい波動で魚を誘う。
これがフォローベイトになる。
基本的にはバイトのトリガーはアクションである。波動かピッチである。波動=ピッチでもあるが、昔の記述と混乱するので今は違うものとしておく。
BR@STで5分ほどやった後のX-80SWに1投で出る。
魚はずっと見ているのである。
これも群れのど真ん中で、喰わせたので一気に群れから外す。
時計を見る。残り、20分。
スーサンから始めると、フォローベイトがフォローベイトにつながる。
更にフォローするルアーが連鎖的に登場する。
じゃあ他の浅いレンジのルアーでもいいではないかと思うかもしれない。
だけどそうではない。
波動が違うのである。浅いレンジで激しい波動を出せるプラグ。
波動は水押しの力という考えもあるが、最近はピッチで考えている。
ピッチとは1m動く間に何回アクションを繰り返すか。
そのピッチが非常に多いスーサンだからこそ、浅いレンジを引くことで、魚の活性を上げることができるのである。
その威力を早く存分に味わって欲しい。今月末発売です。
GWはこれで楽しんで。
スーサンの名前は、だからヤルキスパークリングという概念を背負わせたのだ。
ヤルキスティックは
ヤルキのない魚にヤルキを注入する。
スーサンは
ヤルキのある魚のヤルキを連鎖爆発させる。
しかし、明らかにスーサンでは浅すぎる時もある。
足場が高いところや風が強い時がそうだ。
そういった状況では、X-80SWから入って、そこから展開していくのが一番。
丈夫なBR@STでもいいかもしれない。そこからは今後の課題である。
スーサンが兄弟で長女という設定はそれが見えているからである。
と、いうところでライズを発見。
今まで全くルアーを通していない、ヨレや灯りと関係ないところ。
が、ちょうどブレイクラインの上であり、流れの変化があるのだろう。
こういったハグレのスズキは大型が多い。
スーサンに換えて投げようかというところで、思い直してヤルキバを結ぶ。
ライズの出方がバチだった。
1投目。これぞ会心。
60後半ありました。ちなみにこのカラー、アングラーに見やすく、オススメです。
この1本は慎重にファイトしてしまったので、ポイントはきっとつぶれたはずである。
逆に少し休ませる形になった最初のポイントに目を向ける。
先ほど書いたX-80SWのレンジでそれができる超タイトピッチのルアー。
その可能性を先行して追っているのが、AXA第一弾である。
潜ろうとすればどうしたって重くするか、水を掴まないと潜れない。
重くすれば、アクションは重くなり、水を掴めばアクションからタイトさは消える。
が、そのはるか下のレンジにはローリングベイトやレンジバイブ、スライトエッジといった超タイトピッチのルアーがごっそりと控えているのである。
できないはずはないが、やり方が解らない。
理屈が矛盾していて、難しいことは、経験で解っている。
だけど、どうしても欲しい。その話をアピアの社長に話していて、そこからAXAが生まれたのである。
誤解を恐れずに言えば、今の邪道ではまだ無理なのだ。
(邪道に関しては、スーサンズでいずれやるけど、まずはスーサンのタイトピッチについて勉強してもらってる最中だ)
もちろんアロウズでもそう。
メガバスはできる力はあると思うが、経営手法として、テスター主導で開発するスタイルではない。
そのAXA。100点取るまで作っていたら3年かかるので、90点で発売として88点。
もうあと2点が出せない。
だけど、そのポテンシャルは恐ろしい。
自分が考えていたレンジ&ゾーニングの世界が一気に広がるルアー。
スーサンも早くみんなに使ってそのアクションを見せてあげたいが、こっちの方がきっと驚くと思う。
X-80SWと同じレンジで1本。
もう重心が1mm前とか、後ろとか、リップの角度が0.1度下とか上とかそんな世界なのである。
だからこそ、難しい。間違えると88点が下に下がる。
その見極め、これは神頼みみたいなもんだ。
時間になったので撤収。
ではセミナーで会いましょう。
使用タックル |
ロッド |
アピア 風神ゼータ91ML ナイトホーク |
リール |
ダイワ イグジスト3012 |
ライン |
東レ シーバスPE F-ZERO 1.0号 |
プラグ |
邪道 スーサン
邪道 ヤルキバ
メガバス X-80SW
メガバス FLAPSLAP-SW柊
AXA |
ゴミ |
空き缶 |
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