Area24 - Stage6 〜 数を釣って知り得たもの 〜
2002年3月19日 港湾部シーバス
やっと。
なんかこんな言葉が似合う出撃は久々だ。
ここ2ヶ月の間、両手で数えるほどしか出撃できなかった。
それも取材であったり、仲間とのボートでの釣行であったり。
本気の本気で陸っぱり、という釣りを久しくしていなかった気がする。
1人で出たのは2ヶ月ぶりぐらいになるだろうか。
そして今日。
ようやくその機会を得た。
夕飯を家で食べた後、体調もいい事だし、ちょっと様子見がてら出撃してみることにしたのだ。
実は夕方、釣具屋に寄った帰り、橋の上で信号待ちをした。
その時に、窓から手を出して上にかざしてみる。
弱い南風。満潮が20時頃。
これはいい釣りができそうだと予感めいたものがあったのだ。
まずは新木場へ。灯りが照った船回り。
典型的な春パターン。超お得意の釣り。
しかし、ポイントに付くとすごい風。
何?どうしちゃったの?
慌てて携帯電話から天気予報を見る。
予報では南西の風10m。ええっ?そんなに吹くの?!
普段のF3-610XSやサーフスターと違い、テストロッドを持ってるため感覚がいまいちピシッと入ってこない。
南西風は見る見るうちに強くなっていく。
ルアーのキャストもままならない。少し下手になったみたいだ(笑)
なかなか狙ったところに落ちないのでイライラする。
狙うは船の際、横に30センチ、水面から20センチ。まずはキャストが決まらないことには何もできない。
しかも、何度かいいコースを通ったが、バイトがない。
おかしいな。いない?
しばしの思案。
すでに21時半。潮が下げで南西ビュービュー。南西というより西にかなり近い。
それならばここで出るはずなのだが。
そう思いながらもキャストを続けるがいっこうにバイトがない。
水面が荒れてるから少し下のレンジ?
そう思ってソルティバディからX-80SWへ、X-80SWでも反応がないのでリップレスに変える。
それでも反応がない。
しかし、リップレスにしたおかげで気が付いた。下の潮が速い。
水面は風任せに潮が流れているが、下のレンジで逆に流れている。風に負けじと下げ潮が押してる。
X-80SWに変えてそのエッジとなるレンジを探っていく、だいたい水面から30センチほど?
これだけ風が強いと普通は風なりに魚が動くのだが、潮なりになることがあるのか。
そっか西南西。
瞬時に理解した。このポイント、風で波は立っているが潮が流れることができない。
しかも今日は潮が強い。
それならば潮が弱くて風なりになる場所を探せばいい。というかすでに知ってる。
すぐに移動。
有明。
着いたそこは風に吹き寄せられて大荒れとなっていた。
湾奥だというのに三角波が30センチぐらい立ってしまっている。
五感の全てがここに魚がいると訴えてくる。久々でもその感覚に迷いはない。
しかし、花粉凄し!
嗅覚がすぐに離脱(笑)
足場の低い段に降りてキャストを開始。
風表水面直下最強のZ-Rayクエイクをキャスト。
岸際ギリギリを通す。
しかし、バイトが出ない。1投目からかなりいいコースを通したが反応がない。
魚がいない?そんなバカな。
数投したが反応がない。どうもクエイク。波の中で酔っぱらってしまっているらしい。
あくまで静かな水域で引くルアーなんだろう。
そこでソルティバディ90SRに変えてみる。
1投目。出た!
水面からガブッ!とバイト音。
しかし、手元には何の感触も来ない。
次の1投。足下で反転を食らう。
魚はいる!
うむむ。足下の壁で強い風が舞い上がるために、PEが舞い上がりそうになるのが原因と見た。
ソルティバディも上に引っ張られて本来のレンジを泳いでない。
サスケにチェンジ。
ここで、ちょっと先に書かせてもらうが、僕はアムズデザインから1円ももらってないし、ルアーも1個たりとももらってない。これから登場するサスケもサンライズで買ったんだ。よって宣伝の意図はないものと思ってもらえればうれしい。
何でそんなこと書くのって?
そう、サスケがはまりまくった。
1投目。着水して水面から20センチまで潜らせる。そこからデッドスロー。
水をつかんでいるのがこんな強風でも判る。上昇気流となってラインを引っ張る風に合わせて、ラインテンションを調節しながら同じレンジを引く。
ゴッ!
来た!
アワセを入れる。ロッドがバッドから曲がる。背筋を使ってさらにテンションを掛ける。
あれ?何だ、このテストロッド、全然パワーが出てこない。
本当なら某素材を入れたことで曲がってからの反発力が凄いと聞いていたんだが・・・。
そういう訳でたかが50センチ級に翻弄されまくる。
でも楽しい!
まずは1本目!ちょうど50くらい。シーバスフィッシング最高!
リリースしてまたキャスト。
グッとバイトが来るが乗らない。
次のキャスト。気持ちデッドスロー。
西南西の暴風も最高潮。
風なりでエリア中の潮が1点に集約され、トロトロの流れ、それが岸に当たって払い出すブレイクライン、そして岸のエッジ。
そこに魚が集結している。下げ潮を打ち消したこの場所に魚がいる。
その読みが当たったことですでに満足だった。
しかも、またヒット!
45くらい。小さいが、今日はなんでもいい。僕の精神を解放してくれ!
2投して岸のエッジからはバイトが無くなった。
魚はまだいるんだろうけど、サスケにスレたと判断。場所を休める為に払い出しを撃つ。
ここはでかいのが期待できそう。
1投目、かなりいいコースで入れてみる。
ググッとバイト。乗るまで待って乗ってからシャープにアワセを入れる。
グイーンとロッドが曲がる。ホントにパワー無い。失敗作!
しかも魚が小さい。
このタイミングで1投目にこれでは、どうやら今日は70UPは難しそうだ。
55センチくらい。サスケ、やってくれます。
サスケ。このルアー凄くいいと思う。水面直下を狙って作ったとしたらずいぶんと潜るので、ナイトレイドに惨敗するかな、なんて思ってたんだけど、少し潜ったところで見事なアクションをする。BTZもかなり広い。
X-80SWの気持ち上、そんなレンジが欲しかった。そこにバチッとはまった。
続けざまに3投ほどしてまたヒット。
更にサイズが下がって40センチぐらい。
単なるフッコ釣りの展開。
まあ今日は何も言うまい。自分で快気祝いやってるんだから。
平日の夜、仕事が終わって、僕たちは自然の息吹を感じることができる。
世界一の大都市、東京の中でもそれを味わえるのだ。
その中で働く僕らにとってそれがどれだけ多くの勇気を与えてくれるのか。
それを久々に実感した。
10投ほどしてまたヒット。今度も45。
フッコ釣りの展開なんだけど、一応でかい魚の展開を狙ってます。
サスケ。とまんない。もうフックが伸び伸びなんでエスフォーのフックとここで変える。
ついでにラインシステムを組み直す。
仕切直し。
すでにだいぶ反応が鈍くなってきてる。
風が少し弱まってきた感じ。サスケが潜りすぎている感じだ。
途中で気付いたが、ベイトが薄いだけに
魚に見られると厳しい。
ソルティーバディーで再度、浮かせる。
激デッドスロー。出れば儲けものだがそうは出ない。
出ないけど、フォローベイトでサスケを持っていけば魚は獲れる。
3投してサスケに変える。
激デッドではなくてデッドスロー。ソルティバディーより速く引く。
するとガッツンとバイト。
しかし、小さい。この展開だとそろそろ大きなサイズが出ても良さそうなんだが。
55くらいでしたか。 本当にこのサイズ多いね。いい食い方してます。
しばし、思案。
数年前から掘り下げてきたこのフォローベイトという考え方。
上に浮かせるプラグと食わせるプラグを使い分ける。活性を上げるプラグと食わせるプラグを使い分ける。
色々とあるけど、水面直下の10センチ単位でレンジを刻み込んで大きな魚を狙っていく。
湾奥にだって大きな魚はたくさんいる。
でも、ほとんどの場合、見切られて終わり。回りにいる小さいのを取って終わりにしちゃダメなんだ。
常に上を狙っていく姿勢。大事だよ。
で、今度はしつこくソルティーバディーで誘い続ける。
ソルティバディーに出るぐらい誘ってサスケをフォローでという考えが頭を巡ってた。
風はずいぶんと弱くなってきた。西からやや南寄りに動いて、やや強いぐらいの南西風になってる。
ここの条件が悪くなり出した。1発出したいものだけど・・・。
そう思っているととうとうソルティーバディーにヒット。
風が収まって泳ぐレンジが下がった分もあるけど、魚がかなり上を見出している。
こいつは50くらいでした。 綺麗な魚体でしょ。
リリースして、サスケにチェンジする。フックがかなり伸び始めているのでペンチで曲げて戻す。
変えたいところだけど、フォローベイトとしては時間をあけるのはまずい。
かなり期待してサスケをキャスト。
今度はデッドスロー。なるべく潜らせたくない。浮力とのバランスを考えて水面から15センチぐらい。
このレンジでどう・・・?
ゴッ!
間違いなく大きな魚のバイト。ワンテンポ待って乗ったのを確認してからスイープにアワセる。
バッドからロッドがねじ曲がる。ふと曲がるロッドを見て驚いた。このロッド、バッドが弱いのだ。
バッドから、ではなく、バットだけねじ曲がってる。
それでも取らなきゃ。
魚はジョワーッとドラグを引きずり出して沖へ走っていく。
重みからして70台。満を持しての登場。こちらも狙った展開だけにこの魚取ったら終わりにしようと決める。
慎重に慎重にファイト。
魚がまた走り出す。
その時にバレてしまった。
あちゃ、フックがびろーんと伸びてる。アワセが弱すぎた。フックが根本まで刺さりきらなかった様だ。
しかし、落ち込んでる事はない。魚はまだいる。大きいのもまだいるに違いない。
そう思いながらキャスト。
5投目ほど、カケアガリを越えた瞬間にまた大きめなアタリ。
スイープにかつ、力強く。背筋を使ってアワセを確実に入れる。
ギュイーンと走るけど、さっきほどのトルクがない。
それでも最大っぽいので慎重にファイトしてぶっこ抜く。
ぶち抜くのがヘビカバ流(笑)
釣り博でどっかのメーカーにそんな似たコピーがあった。
でもさ、要するにサイズが小さいってことなのよ。決して威張れるもんでもないし、格好いいものでもありません。
こいつは60ギリギリ。結局最大魚でした。こんだけ釣ってこれが一番でかいんじゃ不満。
で、それでももう一度期待してキャスト開始。
ブレイクラインはもう反応が乏しいので、岸際を狙ってみると相変わらずの45センチ級がまたヒット。
これでやる気失せた。
本気での釣り。自分の感性と技術を解放して、目の前に広がる状況に全力で挑む。
それにこの魚はきちんと問いかけてくれる。
自分がちょっと前まで寝込んでいたことなどすっかりと忘れていた。
少し咳が出始めて、しかも腰がビリビリと熱を持ってきた感じがしたので、撤収とした。
とりあえず満足。
今年も大きい魚を狙っていきます。
港湾部の80UP、荒川の90UP。
また応援よろしくお願いします。
使用タックル |
ロッド |
メガバス Destroyer F3-610XS |
リール |
シマノ ステラ4000 DH |
ライン |
東レ シーバスPE 1号 |
プラグ |
ミラクルワークス ドカポップ12cm・阿修羅
邪道 ヨレヨレ〜
メガバス X-80SW・X-110SW |
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