村岡昌憲の釣行記。東京湾のシーバスからその他節操無く色々と。

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Area45 - Stage2 〜 港湾の海洋深層水 〜

2003年8月13日 港湾部シーバス

 

 

 

日曜の夜からほとんど寝ていない生活が続いていた。

体に鉛を塗りたくった様な重くけだるい疲れがのしかかる。

その中で、気力だけは充実していた。

重要な会合を終えて、一つの自分の将来の形をまた鮮明にした夜。

その体にむち打って、僕はフィールドに出た。

午後22時。満潮からの下げっぱな。狙いはただ一つだった。

 

湾岸超努級

 

今のテーマはこれ一つ。

8月は基本的にオフシーズンだ。

が、過去、湾奥の港湾部で80UPを一番獲った季節は夏だ。

秋は川筋で最も確実に狙えるが、ベイエリアに限っていえば8月と3月。

それが自分の13年間のデータに如実に表れている。

 

 

夏は数は釣れない。

しかし、セイゴに混じって80センチ級がベイエリアを回遊している。

ベイトはイナっ子。

今年に限ってはイワシが沖に落ちていないので、未だに梅雨時のパターンを少し引きずっている展開。

 

戻り梅雨で降り続いた雨のおかげで、潮はかなり白くヘドリーな感じ。

こういう時は、迷わず有明へと向かう。

有明のとある岸壁。一見すると何の変哲もない単調な護岸。

しかし、水面下は大きくえぐれている。

初の大潮のど干潮時のみ、少しだけ顔を出す穴がある。

それも護岸の全てが空いているのではなく、一つの規則性をおいて空いていたり、塞がっていたりする。

その中に上げ潮が作り出す流れが一つの魔法を作る。

それは上の潮と下の潮をひっくり返すということだ。

護岸の中にいくつか空いた穴。全ての穴が同じ流れになるわけではない。

潮が当たっている時間は潮が入っていく穴と払い出していく穴が存在する。

水面付近は塞がっているので、穴の奥には下の潮だけが差し込んでいく。

そして他の穴から勢いよく吹き上げるのだ。

昼間に見ると、明らかに色の違う潮が護岸ギリギリに顔を出していることがある。

そういう岸壁は結構ある。

それがここでも起きる。

 

時合は下げっぱな。

上げの効果がまだ残っているかもしれない。

 

いきなりマーゲイをセット。

真横にキャストして護岸と平行にリトリーブする。

2投目、コツッとバイト。乗らない。サイズが小さい。

 

話は変わるが、今年の冬の産卵における孵化はうまくいったようだ。例年より0歳魚の数が多い。

今年、あちこちの潮だまり船だまりに10センチぐらいのシーバスがたくさんいる。

思えば98年、湾奥のベイエリアに10センチのセイゴが大量に溢れかえった年がある。

彼ら98年組がそのまま育って今の主力サイズ、50〜60センチになっている。

2008年、彼らが無事に育っていけば超弩級ラッシュが必ず起きる。

自然は循環する。スズキの10年間を、毎年の世代の行く末を追う。これもスズキ釣りの大きな楽しみだ。

自分の釣りをこの先も楽しむために大事に逃がす。死なせない努力をする。

再来年はまたセイゴサイズがうるさくなるよ。

 

 

そんなことを思いながらリトリーブをし続ける。

もう一度30センチがヒットしたが、これまたバラシ。あまり反応が芳しくない。

穴から吐き出す潮が弱い。もう潮が下げ始めているのだ。

となればどうするか。

 

 

青海に移動することにした。

青海にもいくつかこんな場所が存在する。

向かったのは足下がスカスカで潮が抜ける堤防。

その堤防の下流側の最初のストラクチャー。

普段は違うものだが、今回はその前に小さな貨物船が止まっていた。

ここか?

 

船際でしゃがむ。

マーゲイをキャストし、船の船首に当ててくる感じでダートアクションをさせる。

最大深度まで潜ったマーゲイが上を向いた瞬間、バイト。

そのまま立ち上がる様にしてロッドを立てる。

左手でリールからラインを引き出して間合いを取る。

魚は超元気だ。豪快に水面を暴れ回る。

他に何匹か魚が見える。

見えた、超弩級!

いた!

一気に抜き上げる。場所を荒らしたくない。


50センチぐらい。綺麗な魚体でした。

 

ちょっと離れたところにリリースをしにいく。

船際にしゃがんで頭を整理する。

潮の向きからして魚が潜んでいる場所は、船首側から流れてくる潮が船首と岸壁のエグレに押し込んでいく一点。

幸いにも雨上がりでゴミが多い。そのゴミからそこだろう場所を推測した。

マーゲイをキャスト。

また稲妻ダートで岸際を攻める。

40センチぐらいが一瞬躍り出たが止まった。

パターンが合ってない。

ルアーをX-80SWに変える。

1投目、着水後のただ巻きと弱めのジャーク&ジャークの繰り返しにヒット。


50後半。 フッキングの形で今日はハチマルメインを確信。

 

リリースしてすぐさま次を狙う。

護岸下を覗くと、大きな尾びれが見えた。ゆっくりとまた影の中へと入っていく。

あいつか?

 

3投ほど船の近くを通す。出ない。やはり魚は護岸側にいる。

ここは下がたいしてえぐれていない。やはり他のエリアの潮に比べて明らかに潮色がいいので集まってきているのだ。

4投目くらい、ジャーク&ジャークでキレのいいスライドをハチマルが見せ、護岸の下に刺しこまれた形になった瞬間だった。

白く濁った潮の中に銀色の稲妻が走る。

来たっ!

 

直後失望。

超弩級ではない。だがまずまずでかい。

ファイト開始、狭いので跳ね飛ぶ様に広いスペースに駆け、そっちに魚を引きずり出す。

ロッドで抜き上げを試みたが、かなり太っていてネオンナイトではきつい。

リーダーをつかんで抜き上げる。


まあこの時期でこのサイズなら良しとしなければ・・・のぅ。

 

その後、姿を見せた超弩級はバイトすることはなかった。

ハチマルとマーゲイ、この2つのトリックアクションで次々と魚を掛けていく。


マーゲイはチョイガー直後のステイが実に有効だった。

 

 


ハチマルはマーゲイのフォローベイトとしてただ巻き&弱めのジャーキングでヒット連発

 

結局、10数本キャッチしたところで終わりにした。

疲れがピークに近い。時間はすでに2時。翌朝も早い。

 

 

超弩級この夏に1本でいいから獲ってみたい。

そう強く願って終わりにした。

 

 

今回久々に本気でベイエリアを攻め込んだ。

改めてマーゲイの力強さ、ハチマルの粘り強さ、ネオンナイトの操作性・バイトの乗せ率に衝撃を覚えた。

自分が進んできた方向に間違いはない。

今作っているタックルもまた強い信念の元に素晴らしい製品に仕上げよう。

家に帰ってあとは死体の様に寝たらしい。

 

 

GETBOOKでも解る様に、隅田川筋が俄然調子を上げている。

いまだ梅雨なのか、それともすでに秋の始まりなのか。

答えは魚しか知らない。

 

 

 

使用タックル
ロッド アピア 風神ゼータ83Lネオンナイト
リール シマノ ステラ3000AR
ライン 東レ シーバスPE 1号
プラグ 邪道 ヨレヨレ〜
メガバス X-80SW  マーゲイSW
   

 




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