村岡昌憲の釣行記。東京湾のシーバスからその他節操無く色々と。

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Area51 - Stage6 〜 波に咲いた白い花 〜

2004年11月4日 港湾部シーバス

 

 

 

海外からのVIP対応にフルアテンドで潰れるはずだった最後の中潮。

それがVIPの風邪のおかげで急遽解放される。

丁重にホテルにお送りしてから、家に帰るなり飯を食って飛び出す。

どうせ今の家に俺の居場所はない。俺の居場所は海だけだからさ(泣)

 

夕飯の最中だった仲間を無理矢理拉致する。

奥様の冷たい目線をキリッと振り切り、目指すのは河口。

今日は小潮で潮が引かない。

自分が釣りしていられるのは明日のことも考えるとおそらく23時頃まで。

その間は下げの気配が出る程度で潮の動きはほとんど無いだろう。

 

 

こういった潮が動かない日、

シーバスは何をしているのか。

 

 

その答えは簡単だ。それでも彼らは常に流れの中にいる。

それが川スズキの宿命である。

精悍で美しい彼らは、まるで流れに魅せられたかのようにどんな時でも流れを求めて動いている。

 

土手から広い海面を見渡して、目指すべき場所を見つける。

そこは普通の水面が見えるだけである。

 

 

だけど違う。

そこには流れがあるのだ。そこにスズキがいるということはわかっている。

いつもの儀式を終え、水の中へと入る。

 

水の中を進んでいく間、投げなかった。敢えて投げなかった。

仲間と仕事の話をしながらも少しずつ少しずつポイントへと近づく。

明かりを背負っていることに気を配る。

おそらく気にされることは少ないと思うが、念には念を入れてやや中腰気味に進む。

 

歩いている間、見つめていたのは広い海面のたった一点。

やがてそれは自分の射程距離に近づいてきた。

ロッドを右手に持って、スプールからシーバスPEを人差し指に掛ける。

 

久々の神への挑戦だった。

仲間に予告する。

1投目、勝負するから見てて。

 

いつものような思いっきりな猫背で、海面をにらむ。

近くに来るとその一点はぼけて見えなくなる。

だけど、海面に顔を近づけてみるとそれが見える。

 

背中に北風の気配。

風神Z93フローハントがうなりを上げて、レアフォースを弾丸のように撃ち上げる。

失速を知らない弾道ミサイルのようなスピードでレアフォースは闇の向こうへと飛んでいった。

やがて着水。

 

 

ラインを巻き取って、ラインの張りを感じた瞬間にロッドをゆっくりと大きくあおってラインスラッグを取る。

そこからロッドをあおって確実にレアフォースのウェイトを前に戻す。

そこからデッドスロー。

 

後はレアフォースの波動に任せておけばいいはず。

10mほどリトリーブしたとこで、はるか遠くで高さ1mほど水柱が立ち上がる。

 

 

 

ほら、食った!

 

その直後にロッドに魚信。

スイープ気味に、だけど後ろに飛び退ける勢いも使って、ストロークは最大にアワセを叩き込む。

ティップの位置がほとんどそのままで、フローハントのバッドが根本からぶち曲がる。

魚が動かないその重量感に右耳の後ろに鳥肌が立つ。

 

 

しかも、でかいよ!

 

 

 

さらに水の中で後ろに飛び上がって、アワセというか、体重を掛けてフックテンションを維持する。

シーバスが動かない。首を振っているようだったが、異変に気づいて走り始めた。

そこから円を描くように曲がっているフローハントのロッドが激しく叩かれる。

トルクがすごい。川スズキだ。

 

 

 

豪快なエラ洗い!

 

 

ロッドを切り返してテンションを維持しながら、一気にリールを巻いていく。

ドラグを半回転、締め込む。

まずはフックセット。

シーバスの走る動きに合わせて、軽めにググッとフックを差し込むイメージでアワセを確認する。

そこからドラグを緩めて、シーバスに走らせる。

頭がこっちに向いた瞬間にぐいぐいと寄せる。

 

 

3分ほどしてシーバスが寄ってくる。

オキが叫ぶ。

 

 

まじ、でかいよっ!

 

 

ドラグをさらに1回転緩めて、最後のひとっ走りに備える。

強引に寄せてライトの光で走るのを促す。

10mほどのラストランをこらえた後に、ドラグを締めて一気に寄せる。

口を左手でがっちりとつかんでランディング。

 

 

 

 

まさに一撃必殺!84センチでした。

 

 

今日はスズキが身近に感じることのできる日だった。

わかったつもりになればなるほど、気付いたつもりになればなるほど、遠くなっていく一方のスズキ釣り。

それは自然を知れば知るほど、畏怖の心が沸いてくるのと似ている。

だけど、神様はいたずらをする。時にこんなに身近に感じさせてくれる。

 

 

リリースしてしばらくぼうっとしていた。

もう今日の釣りは終わっていたからである。

のんびりと動きながら、目に見える流れを撃っていく。

その流れは風が作り出す流れ。

そよそよと吹く風が遠くから何かを運んでくるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後はフッコの猛襲。

レアフォースだけで6本。

フッコがたまっていた場所はなんも考えなくていい状態だった。

仲間と二人で数釣りに展開になる。

このポイントに超弩級が入るのは次週以降だろう。

 

やがて飽きが来て終了。

 

 

 

使用タックル
ロッド アピア 風神ゼータ83Lネオンナイト
リール ダイワ セルテート3000
ライン 東レ シーバスPE 1号
プラグ アロウズ レアフォース
ゴミ ビニール

 

 



 

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