AreaXX - Stage6 〜 北の地の魚たち 〜
2004年5月28〜30日 北海道の渓流
基準があって始めて人は自分の母国を背負い、世界という舞台に立つ事ができる。
しかし、最近の日本人は国内旅行に行かずに海外旅行に行ってしまう。
そして、それで世界を語る。欧米諸国ではどーだとか、先進国はこーあるべきだとか。
母国を知らない基準無きナショナリズムは背筋が凍るほど危険なものだ。
日本を知らないまま海外ばかり行き、偉そうに海外を語る奴は正直ごめん。
釣りにもそれは当てはまろう。
しかし、まあ他人のことはどうでもいいんである。
末恐ろしいだけで自分が困る訳ではないし。
ルアーフィッシングで狙える魚というだけでも、日本には多くのターゲットが北から南まで生息している。
どうせなら、そのターゲット全てを知って、日本人の釣り人として死にたいと強く思うようになった。
海外にも面白そうな魚は一杯いる。
だけど、それよりも知っておかねばならない、いや、知りたい魚がいるのだ。
今回、札幌での仕事にうまく絡めるように有給を確保。
うまいタイミングで大きな仕事が片づき、仕事でも一息置きたいところだった。
息抜きをする絶好のチャンス。
朝焼けの中を走る。
北海道は広い。わかっていても広い。つくづく広い。
目指すは道央。
子供の頃から大雪山という、北海道の真ん中にどかりと居座るこの山に憧憬の念を抱いていた。
社会科の授業の最中によく地図を開いて見ていたもんだ。
狙いたい魚はレインボーでもブラウンでもない。
日本古来からいる魚。
最近、外来のブラウンやレインボーに押され気味で、トラウトの世界ではおろそかにされている気もする。
特にアメマスなどは、渓流の釣りにおいてその地位の低下ぶりは
畑違いの自分が見ても嘆かわしいものだった。
はるか昔から、彼らはいるのである。
ほんの少し前までレインボーやブラウンはこの地にいなかったのだ。
それを決して日本の釣り人は忘れてはならない。
だからって別に窮屈になる必要はない。
外来魚を忌み嫌う必要は全く無いし、釣りたくなったら好きなターゲットを釣ればいい。
だけど、絶対に忘れてはならぬのだ。
聖徳太子が憲法を布き、
織田信長が炎の中で無念に倒れ、
尊皇攘夷の時代の中で維新志士が誇りと希望を胸に抱いて闘っていたまさにその瞬間も、
彼らは川にいて、
その短い生涯の中で、必死にそして綿々と世代を受け継いできたということを、
日本人として、
釣り人であるのならばなおさら、忘れてはならないと思う。
そんな会いたい魚が北海道にはわんさといる。
とろりとろりと流れる大きな淵。
アップクロスでキャストして、足元のヨレの際で掛けた25センチほどのブラウン。
実は渓流釣りというものを初めてやった。
スズキ釣りと何ら変わらないだろうという思いは、最初の1尾で確信となる。
ルアーマンのスプーンは今回大活躍でした。
水深3mほどだろうか、流れにクロスにキャストして流れの抵抗にラインを乗せながら沈めていくパターンが強かった。かなりの数のバイトが出たが、魚のサイズは今ひとつ。
20センチぐらいかな
これまたブラウン。ここはブラウンの宝庫でした。
実は最初はこの魚がブラウンとはわからなかった。
その日の夜に札幌に友人にデジカメを見せるまで、イワナだと信じていた。
魚種はわからないが、パターンを見つけ爆る、妙な釣り人状態が2時間ほど続く。
反応が無くなったので移動する。
雄大な大自然の中、溢れるばかりの緑に囲まれてロッドを振る。
この釣りの楽しさを存分に味わってみたい。
訪れたのは湖のインレット。
前日よりの雨で少し増水&濁り気味。
まずは普通に攻めてみたが、反応が得られないので
先ほどのポイントでも反応が出たスプーンをボトムギリギリに通していく。
流れ込みの流れの影響が消える瞬間、だけどボトムだけは流れがあるだろう
ピンポイント、その最後もやもやとしか水が流れてないだろう場所にスプーンを流し込んでいく。
水深にして4m。
なんでその上流側10mぐらいにアップクロスで着水させて、出るラインスラッグだけ取っていく感じ。
その4mラインでバイトが出る。
最初に獲ったのはアメマス。(これはイワナではないの? )
続いてサトウオリジナルのスプーンにもアメマスがヒット。
沈めやすくていいスプーンだ。昨年の銀山でホゲだるまになった屈辱を晴らしてくれた。
ちなみにロッドはご覧の通り、普通にデス使ってます。F1-67XS。
結局この日はブラウン4本に、アメマス2本。
スズキ釣りと似ているところが多く、それが面白い。
翌日は少し足を伸ばして川を攻めてみることに。
道北を目指しつつ、あまりの遠さに弱気になって見つけた場所。
ポイント名は緑一色(ウソ)
実は昨日にスプーンで釣るのってすごく簡単なことに気付いてしまった。
そんな訳で今日はミノーで魚を出しにいく。
流れの中でなら見切られることも無かろう。
ミノーのトゥイッチング。
トラウトにはトラウトの考えがあるだろうが、どうせ素人なんで、何も考えずにヘビカバで挑む。
硬くて感度の良いロッドにフロロカーボン。そして多彩なルアーアクション。
かなり川の流れが強くてどうかとは思ったが、バイトが次々と出てエンジン全開になった。
食ってもらうんではなく、強引に食わせる釣り。
太ったニジマスが岩の影から襲いかかる。
思いっきり富津に立ち込みそうな格好で釣りしてます。ルアーはチップミノー。
サイズはどうなんでしょ。ドラグ鳴らしたいなぁ。
この辺がアベレージなのかな。
淵を一通り攻めた後にスモルトでしきりにボトムノックをしていたらもう一匹ヒット。
マス類はシングルフックがやっぱり良いです。
しかし、幻想的なんである。
格好が渓流ダモ以外まるっきりシーバサーなんだが、それでも何とかなる。
むしろその流れで食わすテクニックや、魚の誘い、その間、などなど共通する部分が多い。
淵を撃つ。
この日は雨で増水気味のせいか、ボトムにかじりつくようなプラグアクションに魚が反応した。
なんだろう、必死に土の中に潜ろうとするヤゴみたいなイメージだろうか。
ボトムにコンタクトさせて、小刻みにトゥイッチを叩き込むと突然バイトが出る。
ニジマス・・・でいいんですかねぇ
あまりに多魚種を釣ったので、何がなんだかよくわからなくなってくる。
これは銀毛でしょ?
サクラマスになることを決意したヤマメ。最初釣った時はカタクチ釣ったのかと思った。
瀬から淵に落ち込んだ流れの際で漂わせていたレックスシンキングにヒット。
これがヤマメ?
しかし、街から少ししか離れてない川にこんなに魚がいるなんてと、驚くばかりだった。
帰る日。
もうひとつの楽しみ。
こう言ったら失礼ではあるが、世捨て人との釣りである。
いや、もちろん世は捨ててないんだけど。
しかし、自らの希望で東京から北海道に釣りをするために渡った男ケンさんのガイドで搭乗前釣行。
色々なモノを背負いすぎて身動きができなくなっている自分にはとうてい真似ができない事。
だからこそ、それができる男の世界を、垣間見ておきたいと思った。
降り続く雨は川をまともに増水させていて、素人目に見てもいい感じではない。
しかし、入るなり最初の淵で、パニッシュをアップクロスに入れてのトゥイッチでヒット。
4ポンドラインをきしませて走った魚は45センチのブラウン。
場所は道南。海が近かった場所。
幸先良いなと思ったら、その後は渋くなる一方。みるみる増水していくのだ。
その後はスカジのプラグだったと思うのだけど何とかイワナを一本獲る。
少し上流に移動して、そこからスモルトのボトムノック&ステイでパターンをつかんで
小さいながらも連発。
夕方に一気に札幌まで戻って最終の東京行きに乗る。
すごく楽しかった。
北海道にはイトウとかサクラマスとか、日本古来の美しいターゲットがまだいる。
それを求める旅もまた、いいものだと思う。
飛行機の中で土産を買うのをすっかり忘れたことに気付いた。
使用タックル |
ロッド |
メガバス F1-67XS |
リール |
シマノ バイオマスター2500 |
ライン |
東レ MOTION4lb |
プラグ |
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ゴミ |
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