Area9 - Stage14 〜 イワシから始まる全てに 〜
2006年9月2日 東京湾ボートシイラ
前回のArea9で僕は書いた。
酒に酔い、果てた夜のように、この釣りに醒めた、と。
今読み返してもその気持ちは変わらない。
そんなこともあって、昨年は一度も行かなかった。
この夏も何度か計画したが、天候が合わずに流しているうちに9月になってしまった。
が、夏の海は好きなのだ。
夏の海を遊びに、その為にシイラを釣りに行く。
それでいいではないかといつも思う。
が、シイラの釣りには一つ問題があった。
それは感受性の問題。
釣り上げ、写真を撮って逃がす。
逃がす?
捨てているのではないか?
シイラはほぼ確実に死んでいる。
殺しているに過ぎない。
スズキはきちんと逃がせば、確実に生きていると断言できる。
しかし、自分が釣って逃がしたシイラのほとんどは死んでいるのだと思う。
釣り上げたシイラは暴れて、自分で頭を固い床に打ち付けて出血死するケースが非常に多い。
大きな船であれば、大きなスポンジや布団を乗せて、水を掛けながら、そこに魚体を置くことで、暴れるシイラにダメージを与えず、速やかに逃がすことで、確信の持てるリリースができることもある。
しかし、小さいボートではそれが難しい。
逃がした後、海の底へ向けて、
黄金色の魚体が沈んでいく。
そこから僕は目が離せない。顔を上げて笑えない。そして脳裏から消えない。
命の喪失。太平洋を半周する、シイラの物語。一尾一尾に物語があろう。
しかし、一つの物語は日本で途絶える。決定機になるのは自分の手。
船の上から姿が消えれば、満足感だけが残るおめでたい人間にはなれない。
紺碧の青と鈍い黄金色の音の無い映像がずっと心を苦しめる。
それが嫌なら、釣りをしなければいい。それだけである。
しかし、シイラの釣りは楽しい。
ならば、自分の手で一つの命を奪うのであれば、それを食べるしかない。
命を奪い、食べ、自分のエネルギーとし、自分が生きる。
それなら、いい。
しかし、食べるための時間が入ると、2日がかりである。
必然的に釣りに行くのは土曜日。
午前3時にマリーナを出る。
途中、通過する第二海堡を叩いてみる。
イワシがずしっと入っているシャローは爆発とまでいかないけど、ひっきりなしにバイトが出る状態。みんなパワー抜群のスズキクラス。30分ばかし楽しむ。
大野ゆうき。
スズキ釣りの極意の一つ、間(マ)。タメともいう。
日々変わるその、間を最前線で維持し続ける一人だ。
昔の自分も日々フィールドに出ることで、その間を追うことができたが、
一潮釣りに行かないと、その間がずれてしまう。
しかし、例え、2ヶ月釣りに行かなくても、彼の釣りを後ろで数投見ていれば、
最先端の間を習得できる。
もちろん、一度、自らの力でその、間を知っているからであるが。
さらに南下して、館山湾へ。
今回のロッドもリールもソルティガシリーズ。統一感あるから、カッコイイよね〜。
何度来ても美しい。東京湾でありながら、南国の様相を見せる海。
一度上陸して、飯を食ってから、出撃。
なんとイワシ団子を発見。
近づいてみると、シイラが数十匹襲いかかっているところ
シイラは入れ食い。
メーター行かない位を一本取って、その場で締めて捌いてしまう。
3枚におろして、クーラーボックスへ。
他の持ち帰りメンバーも、順番に魚を締めて捌く。
イワシ団子に猛烈に襲いかかるシイラの横で、今釣ったシイラを捌く。
経験の浅い釣り人には、なかなかできないことだよな。
その後、数匹シイラを釣ったが、一匹殺してしまった。
逃がせそうだったので、海に入れて一泳ぎして力尽きたように動かなくなってしまった。
また辛いシーンを見ることになった。
他の釣りを仕様ということになって、イワシ団子に船で突っ込んで、網でイワシをすくう。
大きめのカタクチイワシ。
浅場の砂浜でマゴチ釣り。
2時間で、45センチのマゴチが2本。大きなエソが1本。
余ったイワシも全部持ち帰る。
イワシはつみれにして、味噌汁に。
エソはかまぼこに仕込む。顔は怖いが、エソだけでかまぼこを作ると超弩級に美味。
シイラはムニエルに。マゴチは洗いにする。
イワシから始まった夏のごちそう。乾杯。
使用タックル |
ロッド |
ダイワ ソルティガ70 |
リール |
ダイワ ソルティガゲーム3500 |
ライン |
東レ シーバスPE F1 2号 |
プラグ |
マリア ミスカルナ12cm
ミラクルワークス ケメケメ13cm
K-TEN リップルポッパー |
ゴミ |
さなえちゃんのビーチボール1個(スイカ柄) |
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