〜ベイエリアのタックルについて〜
港湾部でのヘビカバスタイルにおいては特徴ある概念を持ってタックルを選びます。
それは基本的に身軽さを追求するという概念です。
身軽さを追求するということ
港湾部は基本的にランガンの釣りです。
一つのポイントをわずかな時間で攻略していきます。
これはシーバスが一つのポイントに数尾ずつの群れで着いているからです。
ポイントに5尾の魚がいたとして、上手に攻めれば3尾ぐらいは獲れますが、下手にやれば1尾しか獲れません。
港湾部ではそんなポイントばかりと言っていいでしょう。
そこをどう上手くやるかは別の項で書きます。
そんなポイントは常夜灯の下、台船の際、杭、明暗部、など色々とありますが、どこのポイントでも早い時は1投、多くても10投で見切ります。
そしてすぐ次のポイントへ、車や徒歩で効率よく移動しながら魚を釣っていきます。
要するに勝負の早い魚を釣っていくということです。
初心者〜中級者の頃は活性の高い魚をどんどんと狙って経験値を稼いでいく方が上達は早いです。
やがて、過去の経験や勘でなぜ食わないんだろうって不思議に思う時があると思います。
そういった時に釣り場で粘ることでポツポツと数を延ばすことも型を上げていくこともできますが、最初は無理に変なテクニックを覚えない方がいいでしょう。
こんな風にポイントからポイントへ、次から次へと動くスタイルを多用する以上、とにかく身軽な格好がいいということはご理解できるでしょうか。
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PFDについて
パーソナルフローティングデバイス。
日本ではライフジャケットとかライフベストという言い方が一般的です。
この着用に関し、海上保安庁などではプレジャーボートの乗員に義務化を計りました。
しかし、陸っぱりのアングラーについてはまだ法律上の縛りはありません。
着用は個人の判断に任せられています。
僕は陸っぱり釣行の大半で着用しません。テレビや雑誌の取材でも着ない時の方が多いです。
これについて影響力の多いプロが着用しないなんてあーだこーだと文句を言う人がいますが、それは余計な干渉。
海に落ちてどうこうなるのは最後は個人の意識の問題だからです。
どんな時でも死ぬやつは死ぬ。生き延びるやつは生き延びる。この2つしか真理はありません。
僕は釣りを普及するプロとしての役目は、PFDの着用を促すだけではダメでないかと思います。
大事なのは個人の危機管理意識です。
自分の身は自分で守る。
人は川や海、山やあらゆる自然の中で身の丈にあった小さな冒険によって、程を知り、足るを知るのです。
引き際というものを覚え、自分の限界を知るのです。
釣り場における危機管理とは、最初から落ちるという前提にしておくいう事です。
落ちたらどうするかを決めて、釣り場に立つのです。
ポイントに着いたら、波の様子や流れの様子を見て、足場の位置やはしごの有無や位置を確認し、落ちたらこうしようとか、ここまで高い波が来たら撤収しようと最初から決めておくということです。
これをやっておくとやってないでは、実際に危機が訪れた時に決定的に違います。
落水だけでなく、高波の可能性がある場所や、ウェーディング、テトラ帯などでは考えられるハプニングに対して対策を考えた上で釣りをはじめる癖を付けましょう。
そしてその対策がPFD無しには考えられない場合、そこではじめて着用する意義があるのです。
単にバカ正直に着ればいいってもんではないのです。
ロッド
港湾部においてはロッドの選択が釣果に大きな差をもたらします。
最も重要視しなくてはいけない性能はアキュラシー(キャストの正確性)です。
港湾部ではここが生命線です。
狙ったポイントに落とせるようになると釣果が10倍以上変わってきます。その精度は5p単位。
アキュラシーの中でも特に大事なのがキャストの際の放出角度のブレのなさです。
図を見てください。
台船の際を目がけてキャストした際に、手元のほんのわずかな誤差が着水点では大きな差となります。
これ、指先のほんのわずかな感覚の差でこうなる。
ズレたラインでは魚はヒットしません。下手に魚に気付かれて、ルアーを追わせてしまったらその時点でこのポイントは終わりです。
キャストしたルアーの放出角度誤差をいかにコントロールできるかということが重要なのです。
この放出角度の誤差の多くは指先からラインを離すタイミングで発生します。
しかし、これは一日に百回近くキャストするアングラーにとって回数をこなせばかなりの精度でタイミングをコントロールできるようになります。
もうひとつ、こっちがやっかいです。それはキャスト時のロッドのよじれによって起きる誤差です。
こっちも上級者ともなるとコントロールしてキャストするようになりますが、プラグを変えるたびにブランクのよじれる量も変わるため、非常にやっかいなしろものです。
特にスローテーパー、パワー不足のロッドはキャスト時にブレが起きやすく、アキュラシーの精度はどうしても落ちてしまいます。
逆にアキュラシーが非常に高いのがファストテーパーのロッドです。
そういう訳で港湾部ではファーストアクションのロッドに圧倒的に理があると思います。
やや堅めのロッドで先調子のロッドを選ぶべし。
精密誘導弾のごとく、プラグを狙ったポイントへピタリと落とせるようになる。
これが港湾部で上達する一番の秘訣です。
港湾部専用と唄うモデルはその辺を追求したものが多いので、選ぶ際はしっかりと振って選びましょう。
もちろん、こんな業界ですから名ばかりの代物もたくさんあります。
ラインがガイドを叩くロッド。
これも誤差の何もんでもありません。しかも、釣り場で使ってみるまでわからない。
しかも、その日の風向きや強さによって叩く度合いが違うから、いつまで経っても指先の感覚が研ぎ澄まされない。
竿選びは本当にむずかしいものです。
間違った選択をすると、アングラーとしての成長を大きく妨げます。
その為には本当にいい釣具屋に出会うことが大事です。
あなたがよく行く店の店員さんにのブランクのよじれやラインの放出抵抗の話をしてみて、満足のいく話をしてくれるならあなたは幸せ者ですよ。
ちなみに釣具屋の店員さんは専門職ですから、知りませんとか解りませんとはなかなか言えません。
今後、このページに書いてある様々な事柄について聞いたときに、
「今のロッドはたいてい大丈夫ですよ。」「昔はそうだったけど・・・」
は逃げ文句であることを覚えておきましょう。
下は僕が普段使っているロッドの一覧です。
今は大きく分けて2種類。
足場のやや高い港湾部用・川用
アピア 風神ゼータ83L ネオンナイト
過去これだけ売れたシーバスロッドは無いというほど大人気のモデルです。その開発に携われただけでとっても名誉なことだと思っています。
このロッドのコンセプトは、先に書いたアキュラシーとパワーを徹底的に磨き、精密誘導のピンポイントキャストが可能なロッド。
鬼掛けティップ採用のおかげで、ショートバイトも少なく、フッコクラスもどんどんと掛けます。
だけど、凄まじいファストテーパーなので独特の操作感に慣れるまで時間掛かります。重さも軽く、アピアブランクの売りであるダントツの飛距離性能も相まって、F1級のじゃじゃ馬ロッドです。
使いこなすのに時間は掛かりますが、きっと気に入ります。
東京湾で一番ユーザーが多いロッドは間違いなくこれでしょう。
足場の低い港湾部用
アピア 風神ゼータ610 イブラン
7ftにわずか足りないレングスの超ファストテーパー。持った感触はキンキンという言葉がふさわしいほとです。よってアキュラシーと感度は最高峰。掛かってからのことより、まず掛けることから。そこを最優先で作った鬼のように掛けて獲りまくるロッド。しかし、短いロッドはタメが効かないので、相当な数のショートバイトやバラシを産み出します。でもたくさん掛けていった方がきっと上手になります。ボートには向きません。
リール
魚を釣るだけだったらリールなんて何でも大丈夫です。
シーバスはそれほど他の海の魚に比べても引きが強い魚ではありませんから、ドラグ性能も適当で大丈夫です。
ある程度のドラグ性能があればOKなので、シマノならアルテグラ、ダイワならエンブレムクラスで十分に楽しめます。
じゃあ、良いリールは何が違うのか。
良いリールはストレスがありません。リトリーブの際の回転ノイズが無いのです。
先ほど書いた様な水の流れを感じたい状況の時にリールを回す感触がゴロゴロしていては判るものも判りません。
だからやっぱり予算の限り良いものを持とうということです。
ここで大事なのは中途半端なモデルを買わないこと。初級モデルからステップアップを考えた時に中級モデルを検討する位ならお金を貯めて最高級モデルを買いましょう。
これは車に似ています。大衆車でも高級車でも目的地に到着できるかどうかは一緒です。しかし、そこまでの快適さ、楽しさといった点でそのプロセス(釣りなら釣り上げるまでのプロセス)は大違いになるのです。
一度使ったら手放せないのが高級リールです。
どっちがいいかというのは、長年の釣り業界の話題でもあります。
ダイワのキャップをかぶっている人はダイワだと言うでしょうし、シマノのキャップをかぶっている人はシマノと言うでしょう。
リールは技術革新がめざましく、数年おきにメーカーの抜き合いがありますが、現在の状況を僕の独断と偏見で書かせてもらえば下記の通りです。
|
なめらかさ |
ドラグ性能 |
使用感 |
メンテナンス |
耐久性 |
シマノ ステラ |
◎
|
◎
|
○
|
○
|
△
|
ダイワ セルテート |
○
|
△
|
○
|
◎
|
◎
|
ダイワ イグジスト |
◎
|
○
|
◎
|
○
|
△
|
どちらも非常に高次元ですが、優劣を付けるとしたらこんな感じだと思います。
使用感で抜群なのはステラですが、いかんせん耐久性が弱い。
僕の使用頻度ですと一年持たずにマスターギアがぶっ飛んでしまいます。8台持っているうちの4台にこのトラブルが発生しました。普通の人なら数年間は持つでしょうが・・・。
マスターギアが飛ばずとも、絹のような滑らかさと形容されるその回転性能も半年しか持ちません。
最近は、セルテートを6台買いまして、その6台を中心に回しています。
セルテートは耐久性が素晴らしく、その点を評価しているのと、豊富なオプションパーツで、ハンドルやスプールを用途に合わせて自在にセッティングできるのです。
また、最上級機種はメンテが難しいのが特徴です。
ハッキリ言って普通の人じゃ無理。
もちろん僕の手に掛かれば、軽く分解できますが、組立ができません。(こういうの最悪です。)
よってメーカーにオーバーホールに出すことになりますが、この預かり期間。
ダイワの方が圧倒的に短いのです。シマノで1ヶ月〜2ヶ月のところをダイワなら2週間で修理してきます。これはショップにもよります。キャスティングにダイワのリールを出すと10日前後で修理されて帰ってきたりもします。普通の店ではあまり変わらないみたいですけど。
リールに関しても同じリールを買い続けると替えスプールの要領で色々と組み合わせを作れるから便利です。リールはモデルチェンジするとたいてい互換性が無くなってしまいますが、セルテートはパーツの互換性が非常に高く、今後も色々なフィールドでやってみようという人にはスゴクいいモデルではないかと思います。
リールのサイズはショートロッドならダイワの2500番。シマノで3000番
ロングロッドならダイワの3000番、シマノの4000番がマッチします。
悩んでくださいませ。
ちなみに自分が使っている使用例を挙げておきます。
6.10ftのイブランやボートシーバス、エギングの際は下記のセッティングをしたリールを使用します。
セルテート2500番
アイズファクトリー RCS(リアルカスタムシステム) ダブルハンドル
RCS(リアルカスタムシステム) 2508スプール
ダブルハンドルは好みですが、デッドスローのリトリーブがとてもやりやすくなります。
浅溝スプールは下巻きがほとんど不要です。
続いて河川や干潟で釣りをする場合のセッティング
ダイワ(Daiwa) セルテート 3000
アイズファクトリー RCS(リアルカスタムシステム) 3012スプール
アイズファクトリー RCS(リアルカスタムシステム) 55mmマシンカットハンドル
アイズファクトリー RCS(リアルカスタムシステム) パワーラウンドノブ
パワーラウンドノブは好みだと思いますが、目から鱗のセッティングですよ。
このリールはボートシーバスに行く際の遠投用ロッドにも装着しています。
その時の方がパワーラウンドノブの威力を思い知るでしょう(笑)
リールの糸巻き量に関して
飛距離がものを言うケースが多いロングロッドの釣りで、リールは最適なサイズを選ぶ必要があります。スプール径が小さいと飛距離は出ませんが、ロッドの第一ガイドの直径とスプール径の差が大きすぎても飛距離が縮みます。ライン量はショートロッドなら50メートルは巻きましょう。ロングロッドなら100m。
ラインはいきなりスプールに巻いてはいけません。下巻きということが必要になります。
下の写真を見ていただきましょう。どちらもPE1号を100mを巻いた直後です。上がスプールの上側のエッジに9割ほどで巻き終わっているのに対して、下側は7割ほどで終わってしまっています。
これは上がスプールに下巻きをしてからラインを100m巻いたのに対して、下はスプールにいきなり100mを巻いた場合です。
この差がどうなるのか。飛距離に差が出てきます。それもバカにならない差が。リールは上の写真の状態が最も飛距離が出る状態です。
だから最初から下の写真の状態では、使用する度にラインを詰めていくと、どんどんと飛距離が出なくなっていってしまいます。
下巻きのやり方については人それぞれです。
僕は使うPEラインと同じラインを巻いて、細く切ったガムテープで留めた後に、使用するラインを巻きます。万が一のトラブルで使用ラインがダメになっても、下巻きのラインで釣りを続けることができるからです。
が、上級者でもいきなり下巻きを巻いて100mをきっちりスプール一杯に巻くことは難しいです。最後に糸が余って90mしか巻けなかったり、100m巻いてもスプール径一杯に巻き取れなかったりします。
そうならない為にラインを巻く度に次にどう調整するかをメモに残しておき、2〜3回の巻き替えでベストな下巻きのセッティングに持っていきます。この時にガムテープはスプール径の調整がやりやすいのでお薦めです。
そしてばっちり巻けるようになったら、スプールの裏側に油性マジックで規定のライン量を書いておきましょう。
こんな感じですね。これはシーバスPE(150m巻きで売ってます)を75mだけ巻いて2回に分けて使う例です。
次の巻き換え時に忘れずに調整するためにスプールの裏にメモを残すのです。これでラインの無駄遣いもなくなるし、常にベストなセッティングで釣りができます。
また多くの人が困っているのは釣りものが変わったときに使用するラインが変わることです。その度にラインを巻き替えてもお金ばかりかかってしまいます。1つのリールで色々な釣りをする場合どうしたらいいでしょうか。
できれば替えスプールを買いましょう。スプールだけでも釣具屋さんで取り寄せてくれます。ステラなんかは10000円もするけどあると予備スプールにもなるので重宝します。そしてそれぞれライン量のセッティングを出しておくのです。
それか同じ機種をもう一台買い足す。実はこれが一番便利です。ギアトラブルなどの故障の際も、壊れた機種は修理に出してもスプールを替えるだけで他の本体で釣りができます。
まあこれがいいのかは判りませんが、僕はこれでバスからトラウトからシーバス、シイラ、青物ジギングまでを全部管理しています。台数が増えれば増えるほどスプールの裏のメモが重宝するのです。
それとリールを巻く手の問題。基本的にはどちらでもいいです。慣れた方でやればいいでしょう。
でも、右利きの人なら左手でリールを巻くことをお勧めします。理由は2つ。右利きの人は右手でキャストをします。その時に左手でロッドを持っていたら投げる度に持ち変える必要が出てきてしまう。リトリーブ時から右手でロッドを持っていれば、ロッドの持ち変えが省けるために手返しが1割早くなる。この1割で釣果1割り増しです。
それともう一つ、利き腕の方が感度がいいです。今まで感じにくかった情報が入るようになってきます。また、腕力もあるでしょうから竿さばきが抜群に良くなる。足下でのファイトシーンは竿さばきが命です。利き腕でのロッド操作は今までと違う世界をもたらしてくれるはずです。特に手前まで寄せてきたシーバスの鋭い突っ込みや、エラ洗いなどに素早く対応できる。結果、バラシが減ります。
まだルアーフィッシングを始めたばっかりの人は急いで利き腕でロッドを持つスタイルに変えましょう
すでに慣れてしまった人はそのままでもいいと思います。理屈では上に書いたとおりですが、慣れた感覚は一朝一夕で手に入るものではありませんからね。
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