シーバスにおけるライン選び考察

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Style
第一章
スズキについて知る
リリースについて考える
 
第二章
ヘビカバスタイルについて
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河川・干潟のタックル
ポイント開拓
ルアーの食わせ方
アワセについて
ランディング
小物について
 
第三章
潮の攻略
春の攻略
初夏の攻略
・夏の攻略
・秋の攻略
・冬の攻略
 
第四章
ゴミを拾おう
いい男になろう
オリジナルカラー
 
 
 

 

 

 


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ラインについて考える

 

 

 釣りのラインには主にナイロンとPEとフロロの3つの種類があります。

 最も一般的なのはナイロンライン。東京湾の釣り具屋でシーバスをやるというとナイロンの8〜12ポンドを薦められますが、初心者の段階ではいいですが、最終的にはお奨めできません。

 基本スタイルにおいては全く問題点を感じさせない良いラインですが、ヘビカバだと色々と不都合が生じてしまいます。理由として感度の悪さがあります。

 次にフロロ。ブラックバスからの転向者が非常に好んで使います。もっと柔らかければ非常に良いラインなんだけど、とにかく堅すぎるのが欠点で、10〜12ポンドくらいになるとリールに巻いて3日くらい寝かせないと使いものになりません。フロロは6ポイント以上はスピニングでは使いづらいのでやめといた方が無難です。

 

 

シーバスをやるならPEがベスト

と、言い切ってしまいます。

例外として、ボートのショートロッドと磯のスズキのみナイロンをお薦めします。

 

 

その理由を書く前に、この人の言葉を紹介しておきましょう。

ルアーフィッシングのパイオニアの一人であり、ノットやラインに関して非常に見識を持った丸橋英三氏の言葉に全てがあります。

 

 

 

 

どういうことか?

単にシーバスを釣るだけだったらナイロンの10ポンド直結でいいということです。

 

これを絶対に忘れてはいけません

そして、それでは捕れない魚を捕るために、僕たちはラインに悩み、ノットに悩むのです

ややこしいことをむやみにする必要は無いといえば無い。

でもややこしくないと面白くないのです。

 

 


 PEの長所は何でしょうか。まずひとつは低伸度、いわゆる高感度があげられます。ナイロンやフロロの比べてラインが伸びて力を吸収しない分、ルアーが伝えてくる情報量は10倍以上になります。その高感度こそヘビカバが圧倒的に釣果を叩き出す原動力となっています。

だけど、最初に書いておきますが、PEラインは簡単なラインではありません。

慣れない人が使うと大変大きなストレスになるはずです。

それがイヤでナイロンから出られない人がたくさんいます。

 

ソルトウォーターのルアーフィッシングを趣味にしていこうと考えた場合、最終的には適材適所でナイロンとPEを使い分ける形になります。また、釣り人としてのレベルでも使い分けることが必要です。

 

シーバスだけで言えば

初心者 ナイロン

中級者 PE

上級者 ナイロンとPEの使い分け

 

という流れをたどればとっても上手い人になれるでしょう。

 


初心者を卒業したと思ったら早くPEにした方がいいでしょう。PEの最大の特徴はナイロンとは桁が違う感度です。感度がいいということは水中の情報量が桁違いに伝わってくるということです。

その凄まじいまでの情報量はあなたの上達を数倍の速さに早めてくれるでしょう。
 ちなみにPEが伝えるものでは、感じやすいものではショートバイトやルアーの振動・底の状態。感覚が研ぎ澄まされてくるとシーバスの反転からフッキングの位置・水流の変化までかなりの情報を得ることができるようになります。

川の上げ潮時は表層を下げる川の水と底で逆流する海の潮の境目が一つのキーポイントになります。これは感度の悪いナイロンライン等ではどんなに鍛錬しても明確に感じることは不可能です。(なんとなく感じることはできるんだけど)

他にも払い出しの水や対流、反転流、海の中には上から見ただけでは決して判らない要素がたくさんあります。フルキャストした先の微妙なバイトを取れるのもPEならではでしょう。それをいかに感じ取れるか、それがゲームの結果に大きく影響してくるのです。

 

 次に強力な強度でしょう。PE1号で6s近い強度を実現させたこのライン。でもシーバスに強度はそれほど要りません。リーダーシステムさえきちんと付ければせいぜい8〜16ポンドで十分な魚にPEの高強力というメリットはあまりありません。

むしろ、その強度のおかげで生まれるメリットが重要です。

一つ目はその強度を生かして細いラインを巻くことができるということ。

通常、僕はPE1号を使用しますが、PEは1号で12ポンドテストあります。ナイロンで1号は4ポンドしかないのでとても使えません。12ポンドの強度には3号の太さのラインが必要です。

ということで、同じ12ポンドのタックルを組んだ場合、PE1号とナイロン3号で細さが変わりますので、ルアーの飛距離はダントツで違うのです。

 

 

ここで勘違いしてはいけないのは、PEがすごく飛ぶという幻想を捨てるということです。

同じ3号を巻いてキャストしたら、ナイロンもPEも大差ありません。

同じ強さのラインを巻くと、PEの方が細いから飛ぶのです。

これを忘れずに、フィールドでのベストチョイスを心がけてください。

 

 

次に耐久性。

それと頻度良く行くアングラーには関係ありませんが、ラインの劣化が少ないこと。PEラインはナイロンの数倍の値段がしますが、耐久性も数倍強いです。一年間リールに巻きっぱなしでほったらかしにしてあったPEラインでもいきなり実戦で使えます。逆にナイロンだと一ヶ月もすればかなり強度が落ちてきてしまいます。使いようによっては結局コストも一緒です。

 

 

次に欠点をあげます。

まずは根ズレの弱さです。ドライの状態で何かに擦れるとあっさりと切れてしまいます。魚をかけている最中に足場の角のコンクリートなどに触れたら一瞬で切れてしまいます。
意外にも水中に入るとPEはなかなか頑張りますが、それでもナイロンやフロロに比べると弱い。海の中には貝殻やフジツボなどPEを切るエッジ状のものが多いです。

ただ誤解している人が多いのがPEの根ズレに対してです。確かに弱いけどそんなに弱くない。でもすごく弱いと思う人がかなり多いのはなんででしょうか。

 

実はこれもラインの細さによるものです。

同じ太さのPE3号とナイロン3号を擦り比べてみればよく判ります。乾いた状態だとPEの方が切れやすいですが、濡れた状態ならけっして言われるほどの大した差ではない。でも、同じ16ポンドのPE1号とナイロン3号を擦り比べるとPEの方が圧倒的に弱い。そうです。根ズレに対しては材質よりもラインの直径がものを言います。PE1号にした途端、ラインブレイクを経験してそんな印象を持つのです。

 だからその為に初心者はリーダーにフロロカーボンかナイロンの20〜30ポンドラインを付けた方が良いです。

 

 

 次に低伸度の問題。低伸度は力を吸収しません。だから高感度という長所ももたらしますが、バラしやすいという結果を招きます。確かに傾向としては考えられると思います。でもテクニックで何とかなる。

今、雑誌に出ているプロ連中の大半がPEを使ってます。そこからも理解できるでしょう。テクニックで何とかなるのです。

自分が下手なのを棚に上げてPEについて文句を言う人がいますが、バラすのは下手だからです。

ただ、ボートシーバスですと、足場が不安定で自分の膝や身体を使ってラインテンションを吸収できないため、PEよりナイロンの方がバラシが少なくなります。ボートシーバスの場合はナイロンをお薦めする理由です。

バラしやすさについてはファイトスタイルでコツを書きます。

 

 

  それから比重の問題。PEはラインの中では最も軽いラインです。その為、ルアーの潜行深度に少なからず影響を与えます。ナイロンに比べるとハチマルの遠投などでは実に15センチ近く上を泳ぐ感じ。時にこの差が釣果につながることはあるけれど、この差を常に認識していれば大丈夫です。PEとナイロンを行ったり来たりすると感覚のズレで釣果が落ちることがあります。


 またPEラインの最大の弱点として横風の際の糸ふけがあります。リバーゲームで横風ビュービューの時は水をあまりつかむことができないアイマやレアフォースなどは風にあおられたラインの方向を向いてしまい、ほとんど岸際まで泳いでくれません。こうなったら竿先を水の中に近づけてリトリーブしてしのぐしかありませんがたいていは釣れません。しっかりと水をつかむラパラCDやX-80SWみたいなリップ付ミノーにチェンジするほか無いでしょう。

磯のヒラスズキみたいに風が強いと判っていていく場合、それなら最初からナイロンの方が苦労しません。


 逆に比重の軽さを利用すれば、強風の追い風の際に重いプラグを遠くに飛ばした上で、さらに竿を立てるとラインが風にあおられてシンキングミノーでも表層を引くこともできるのです。

それぞれ一長一短があることを理解して有利にゲームを進めましょう。

 

 

 

 

ラインシステムを覚えよう

 僕がシーバスを始めた11年前、ほとんど雑誌や新聞を読まずに独学で、と言うより単なるエサ釣りの延長線上でシーバスフィッシングを楽しんでいました。

そんな僕だったからラインシステムなんて概念が存在することすら知らず、その頃に当地で標準だったナイロンの3号(約12ポンド)の直結で何ら問題なく楽しむことができていたのです。

 今思うと、実に貧しい知識と経験、そして無骨なタックルでゲームをしていたものだと改めて思います。しかし、その頃から根ズレ以外の理由でラインブレイクなんて単なるタックルセットのミス以外考えられませんでした。だから60センチ程度までなら平気でポンポンと抜き上げる極めて純粋な直結派の一人だったのです。

 それはラインシステムという概念を知ってからもしばらくの間は変わることはありませんでした。

その僕がラインシステムを使う事になる転機がやってきたのが96年の頃だったでしょうか、夢の新素材ラインとして登場してきたPEラインを知ったことでした。

 その頃のPEラインの評価を特集した記事にはこう書いてありました。

  「細くて強く、根ズレに強い、まさに夢の新素材。」

現在の豊富な知識を持つ方々は?と思う事でしょう。PEが根ズレに強い、今では考えられない評価が各誌を賑わしていました。95年のことです。

 

 港湾部というフィールドで日夜問わず、試行錯誤の毎日を過ごしていた僕は、そんないいことずくめのラインならぜひ!と、その話に飛びついたのです。そしてその評価が妥当でないことを一月もたたないうちに自ら気づいたのでした。

 僕が使った限りでは、 「PEは根ズレに強くなかった。」

誤解を招くといけないので書かせてもらいますが、これは決してその記事を書いた方々を攻めるつもりで書いているのではありません。(間違える時は俺だって間違える。)

全て今も昔もその手の話はあるのです。ライターの認識違いや勘違いもあり得ます。メーカーの思惑にはまってしまったのかもしれない。

記事やデータを自分の釣りの参考にはしても、最後は自己判断する姿勢を持たないとアングラーはいつまでも上達しません。

 

 

話は戻って弱いなりにもPEラインのメリットを存分に感じた僕はPEラインを自分の釣りに組み込むにあたってラインシステムの導入を決意せざるを得ない状況になったのです。

 その原因として2つあります。

  まず一つ目はPEラインのしなやかさから来るルアーのトラブルが発生しやすいこと。届きそうで届かない橋脚へのフルキャスト。これ以上ないトレースライン上に着水、ヒットの予感を胸に抱いてリトリーブするとルアーが水面をクルクルと回っていた・・・。 なんてことがPEライン直結だとかなりの頻度で出現するのです。これはキャスト中に重心が不安定でルアーが回ってしまったり、着水直後に水面でルアーが跳ねてしまったりしたときにルアーのフックがラインを拾ってしまう事に原因があります。着水時に水面で跳ねやすいバイブレーションプラグを使うと情けないほどの確率でラインとフックが絡んで帰ってきます。

  PEラインの細くて強いという長所に無限の可能性を感じていた僕でしたが、このトラブルにほとほと困ってしまいました。

  もう一つは細くて強いというPEの長所を生かすためにPE1〜1.5号を使用すると、どうしても根ズレの問題が出てきてしまうことでした。

1号という表現はメーカーや生産国などで微妙に違ってきますが、そのどれでも直径0.2o以下です。そんなラインでバシバシ釣り上げられるほどシーバスは甘くありません。ラインブレイクを極力嫌う僕としてはこれはなんとかするしかなかったのです。

この2つの理由を解決するために、それまではほとんど毛嫌いして興味も持たなかったラインシステムに手を出すことにしました。

 

ここで改めて書いておきたいこと。

ラインシステムとはメインラインの直結でゲームを行う場合に発生する飛距離や根ズレなどのデメリットを補う為のシステムであるということです。

直結で問題がなければ直結でいけばいいのです。

そこで問題が発生したときにラインシステムを組むべきです。ここを忘れてはいけません

 

 

 


お薦めラインシステム


ショートロッド(港湾・ボート) 
 PE + フロロリーダー20lb(ポンド) 30cm 

PEにリーダーを直接イージーノットで結びます。イージーノットはSFノットの手抜き版みたいな原理です。

キャスト時のトラブルに悩んでいる人はぜひ覚えましょう。下に結び方を書いておきます

 


ロングロッド(港湾)

 PE + フロロリーダー25lb 1.0m

ノットは上に同じです。



ロングロッド(ウェーディング)
 PE + フロロリーダー20lb 1.5m + フロロ60ポンドリーダー20cm

 

 

 

どんなPEがいいのか。

PEの中にもいろいろお薦めのラインがあります。

PEラインには大きく分けて2つの流れがあります。

まずはコーティング系。コーティングがパリパリにしてあります。

もう一つはノーコート系です。こちらはさらっとコーティングがしてある程度です。

 

コーティング系のラインの特徴として

  ○比重がアップしているのでラインが浮かない

  ○ある程度固いので使用感がいい

  ○根ズレに強いので安心

  ○PE特有のバックラッシュが少ない

というメリットがあります。

一見するといいことずくめですが、逆に言えば、PEラインが本来持っている長所を全て打ち消してしまったラインになってしまっています。

まず、コーティングをきつくしたラインはしなやかさを失っていますので、キャストの際、リールの中でラインが引っかかって放出抵抗が発生し、飛距離が伸びません。

また、硬いラインはキャスト時にラインがロッドのブランクを叩いてしまいがちです。

これは本来はロッド設計上の問題ですが、ラインによっても起きます。

 

 

ちなみに大きな声では言えませんが、最近はその辺の作り込みすらしていない高級ロッドがたくさんあるので注意が必要です。

キャスト時にラインがブランクをバタバタと叩きながら放出されていくルアーが飛ぶわけありません。こればっかりは釣具屋さんでは解りませんので、お友達や知り合いなどに聞くなどして確かめるしかないでしょう。くれぐれも単なる高感度に騙されて買わないように。

 

ちなみに僕が開発に携わった風神Z83ネオンナイトでは、その辺の設計概念に気を遣いました。シーバスPEに合わせてセッティングを出したんですが、ナイロンやコーティング系PEでも大丈夫なようにガイドのセッティングを行ってます。

 

そんで、そのテストの際にそれを投げた若手プロ、大野ゆうきの感想。

 

コーティング系PEライン1号の飛距離はナイロン1号と同程度まで落ちてしまうものがほとんどです。

さかんに広告ではPEより摩擦係数が少ない分、飛距離が伸びるなんて売り出しているラインがありますが、それはあくまで理論値です。実際に使ってみると無加工のPEラインよりはるかに飛びません。

僕が思うにPEを使うのはその細さと飛距離と軽さがあるからで、最大の特徴であるしなやかさ・飛距離を無くしてしまったらなんの意味もありません。それならばナイロンラインを使った方がマシなのです。

 


 また、コーティング系PEラインは使うたびにコーティングが取れていってしまうものがほとんどです。数回使うとただのPEラインに戻ったような感じになります。ところがそのラインは製造過程のコーティングの際に強度劣化を起こしていますので、ノーマルのPEライン以下の強度に落ちている恐れがあります。このように強度や根ズレの性能が変化するラインを使う場合は繊細に気を使わないといけません。コーティングが失われてきたらどんどんと切って新しい部分を使うようにしましょう。

ちなみに、強度に変化があるラインは論外です。どこで切れるか全くわからないという噂のラインもありますよね。

 

僕はかなり早い段階でこの釣りにPEラインを導入して、様々なメーカーのPEラインを使ってきましたが、結論として強度や根ズレ性能が変化するラインを使うべきではないと考えるようになりました。

よって最近はコーティングをほとんどしていないPEラインにフッ素コートスプレーをかけて摩擦力を下げたものを使っています。飛距離や強度・安定性の面でベストに近いと思います。

 

それからPEラインは色の明るいものを使いましょう。

PEは竿先にくるっと絡んだりしますので、竿先まで手を伸ばさなくても目で見ただけでルアーを回して回避できる明るいカラーのPEがお薦めです。

そんな理由で暗い色のバス用PEはお薦めしません。

一方で10mや25mごとに色分けしたやつなんかも初心者にはお薦めです。だってあと何mリールに残っているかが解ると言うことは財布の薄いアングラーにとっては非常に大事でしょう。上に書いたスプールのメモと残りの糸量が判れば、600m巻きなどを買ってしっかりと管理することでトータルコストを削減することも可能です。

しかし、知識として知っておいて欲しいのはPEラインは染色をすると強度が落ちるという問題です。

当然25mや10mおきに着色されているPEラインは1色ものに比べるとかなりの強度劣化を起こしています。


某社を例に取ると同じPE1号でも

色数 着色の基準 主な用途 強度(s)
10色 10m毎に着色 沖釣り用 5.5〜5.8
4色 25m毎に着色 投げ釣り用 6.3〜6.9
1色 ある1色に着色 ルアー用 6.8〜7.3
無色 無加工   7.3以上

同じ太さ・素材でこの差はかなり大きいと思いませんか?そしてその強度にムラがあることも問題です。

 

これで思うのはなんで無色でコーティングをしていないPEラインが出ないのか。

長年そう思ってきましたが、ようやくその要望を満たすPEラインが東レから出ております。よけいな事をしてないので、強度も今までのPEで一番強く、価格も一番安いのです。

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東レ、シーバスPE。

予想通り、発売した途端に、入手困難ラインになりました。今は落ち着いていますが、 SWラインで入手困難になったラインはこれが初めてでは。釣具屋で探しても無い人は頼めば商品を入れてくれるはずです。

 

 

 

 

ちなみにPEはラインが見えるから喰いが落ちるのでは?という考えは僕は完全に否定します。

僕は現在ほとんどこのラインを使っているので、それは僕の釣果で証明してます。

まず夜に関してはラインの色も太さも関係ないと思います。

日中はラインが見えるとシーバスはやはり警戒心を抱く時があります。そんな時に一番警戒心を抱かないのは白いラインです。実際に水中から見てみると判りますが、昼の水中から見た空の色は白です。

イワシからシーバス・果てはシャチまでほとんどの魚類のお腹が真っ白なのはそういうカモフラージュ効果があるからです。

そういうわけでPEも白いのがお薦め。

ちなみに以前にバス用の真っ黒なPE5号の直結で釣っていた時代がありますがその時でも、日中だってガシガシとバイトしてきました。

そんなことで、ラインが多少は見えても関係無しと僕は思っています。

 

 

 

そして最も大事なこと。それはオーバーパワーのススメです。

僕は今まで様々な人のラインブレイクを数限りなく見てきました。自分もさんざんやってきた。生涯で経験したラインブレイクは100回ぐらいはあると思う。

 1番の原因は腕に見合ったライン強度がないこと。知らぬ間に傷が付いていたとか、こすれたら一瞬で切れたとか言い訳もたくさん聞きましたが、傷が付いたことに気がつかない程度の腕なんだから傷ついても切れにくい強度を選ぶべきでしょう。釣具屋では8ポンドとか10ポンドとかのラインをよく推奨されます。でもそれで切られる人たくさんいます。切られたら太いラインに変えましょう。そして上手になってからまた細くしていけばいいのです。まずは腕に見合ったラインを。

 PEをはじめて使う人は1.5号をお薦めします。トータルで考えると1.5号がベストです。慣れてきたら少し勝負して1号といったところでしょうか。

 

 

 

 

PEのライントラブルの防ぎ方

 PEはトラブルが多いと言われます。特にナイロンから移ってきた人が使うとそういう声を良く耳にします。PEラインは慣れない人がナイロンと同じような感覚で使うとバックラッシュや竿先への絡みなどトラブル多発になってしまいます。そういった人が嫌になるのも判ります。
 特に釣り歴の長い人にそういう傾向が見られます。それは腰の弱いPEをナイロンと同じように使うクセがいけない訳でPEの扱い方を覚えれば自然とトラブルは無くなるのです。まずは頑張って釣行10回分使ってみましょう。どんなにトラブルが出てもくじけないで我慢して使い続けること。そのうちにまったくトラブルなんて起こらないようになります。

ちなみに200メートル先のシロギスを狙うサーフの遠投師達は当たり前のようにPEラインを使ってますが、バックラッシュなんて滅多に起こるものではないそうです。それはルアーマンと投げ釣り師にある違いがあるからです。そこでPEラインでトラブル無く投げるための注意項目をあげましょう。

 

PEライン用の投げ方をマスターすべし。

 少し格好悪いですが、最初は投げ釣りのように投げてみるといいでしょう。決してバスフィッシングの人たちのようにロッドの反発力と振り抜くスピードだけで投げてはいけません。バックスイングをしっかり取ってロッドのしなりを利用し、ルアーの重さをロッドに乗せてキャストする事。

同時に横風が吹く時は風下側にガイドを倒すといいでしょう。ラインがブランクを叩くことを防ぐだけでトラブル防止、飛距離アップに効果大です。

 


ラインスラッグを取るべし

 着水前に必ずサミングをするクセを付けましょう。着水直後もベールをそのままにしておくとラインは風でどんどんと出ていってしまいます。そこからリトリーブを始めるとフカフカの状態で巻き始めることになります。これが次のキャストで見るも無惨なバックラッシュを招きます。これはラインテンションをつかみづらい向かい風の時や軽いルアーを投げていると多発しやすいトラブルです。
 もっといい方法、コントロールが不要なリバーやシャローなどではキャストしたら着水の寸前にベールを戻してラインを張った状態でルアーを着水させましょう。慣れるとこのテクニックで着水音を小さくさせる事も可能です。

そしてすぐにリトリーブしないこと。これ重要です。最初は抵抗感がありませんが、3秒待ってリトリーブするだけでずいぶんと抵抗がかかっているのが分かると思います。これに竿をややあおりながらテンションを意識してリールを巻き始めます。ルアーが水をつかめば後は普通にリトリーブします。これだけでバックラッシュはほとんどしなくなります。
 また、強烈な向かい風の時は水面と平行な弾道でのキャストと、なるべく水をつかむルアーを投げましょう。

要するにラインを巻き取るときにしっかりとルアーの抵抗(ルアー自体の重さと水中における抵抗の合計です)をしっかりと感じながらリトリーブすることが大事なのです。

投げ釣りの場合、オモリを必ず海底まで沈めますね。ラインが張ってなおかつテンションを掛けながら巻き取れる。だからトラブルが起きないのです。

 


コーティングスプレーを活用すべし 

ちなみにPEなどにコーティングスプレーを使うと更に有利な点が増します。飛距離が伸びて根ズレブレイクが減ります。その代わりしっかりと結節しないと簡単にするっと抜けてしまうので注意。フッ素とかボナンザ配合とか書いてあったらなんでもいいんではないでしょうか。写真は僕が好きなやつです。というか、他を使ったことありません。

 

 

 

リーダーは使用を最前提で考える

シーバスを狙うにあたってはショックリーダーを付けることを最前提として考えます。

もちろん上手なラインシステムを組めるように練習しなくてはいけません。

ラインブレイクの原因には4つの原因が考えられます。

 ・アングラーのシステムセットのミス

 ・ライン強度・ドラグ強度設定のミス

 ・ストラクチャーに対する根ズレ

 ・ルアーを頭から飲まれた場合の歯ズレ

 スズキは引きが弱いからラインシステムなんかいらないよ、との声もありますが、ソルトルアーフィッシングを楽しむ以上ラインシステムは避けて通れません。シーバスの場合、引きの強さ云々、ストラクチャーの存在云々とは別にルアーを飲まれてしまう可能性があるからからです。

 基本的にフィッシュイーターはベイトフィッシュを捕食する際に頭から飲み込もうとします。もちろんケースバイケースで横からとか後ろからとかありますが、余裕があると必ず頭から飲もうとするということです。しかもそんな余裕がある魚は大型魚に多く見受けられます。まずは百聞は一見にしかず。

 


リアクションバイトで食わせることができるようになるとこんな状況が頻発します。
この70センチ近い魚、果たして60ポンドリーダーが無かったら取れたかどうか。

 


トップウォーターは重心の関係上、頭から飲まれやすいです。こんな状態になると強引なファイトではラインブレイクしますし、ゆっくりファイトに時間をかけても蘇生が難しくなります。

 


 口の中のルアーはマーゲイです。僕が98〜99年にかけて開発していたマーゲイSWのリアクションパターンはもろにこの問題に直面しました。マーゲイのキレの良いアクションを生み出すにはリーダーを細くしなくてはならない。しかし、細くすればするほどこんな状況でのラインブレイクが頻発したのです。

ストラクチャー際で食わした80UPにことごとく切られ、僕の中でこのルアーの開発は暗礁に乗り上げました。

今では40ポンドリーダーまでは使えるようになっておりますが、取れるかどうかはまだ運次第。



飲まれるのは、ストラクチャーだけの話ではありません。

ルアーをアクションさせる釣りを覚えていくと、どうしてもこの様な状態が多発するのです。河川でもリアクションバイトを誘い出させることができるようになると丸飲みされるのが当たり前となってきます。この85センチにとって13センチのプラグを丸飲みする事は訳無いことでしょう。60ポンドリーダーだから獲れた。と、後でリーダーを触って確信しました。

 

と、見ていただければ判るように、こういう状況はよくあるのです。

もちろんこれは魚の目の前にルアーをベイトとして送れるようになったらの話。普通にタダ巻きでやっている分には滅多にあることではありませんし、やけくそにトゥイッチやらジャークしていてもそうあることではないかもしれません。

でも、あなたが一所懸命にキャリアを積んでいけば必ずこの領域まで来るはずです。その時にいたずらにラインブレイクを繰り返して欲しくない。ラインシステムを覚えていつか、リーダー付けておいて良かった、と思ってもらえたらうれしいです。それが例え1年に1回でもそういうのってカッコイイでしょ。

ちなみに僕がバーブレスを推奨するのも上と同じ配慮があってのものです。返しがあったら上の写真の魚は全部デッドリリースだったかもしれないでしょ。

 

それで、ラインシステムを完全に覚えた人がTPOに合わせてダブルラインだけにするとか、直結にするとかであればまだ問題はないと思います。

そこから直結に戻ればまた色々と見えてくる世界が違うはずです。

 

 

リーダーの材質はフロロとナイロンがあります。

だいたいの状況に置いてフロロの方がいいと思います。専用リーダー買ってもいいし、財政的に厳しかったらトヨフロン漁業者専用(フロロ)を使うといいでしょう。(ルアー用に比べるとかなり安いです。物は一緒という噂も・・・)

 

 

 

ラインシステムを作ってもそれが自己満足では意味がありません。僕も多くの人のシステムを見てきましたが、なかには直結より低い強度ですっぽ抜けるノットを結んでいる人も結構見受けられました。

もともとラインシステムは結節時に起きる強度劣化を補うためのシステムです。だから限界時には必ずメインラインの最後、すなわちラインシステムの最初の部分(ビミニの付け根など)で切れるシステムが最高ということになります。

 そのシステムを高めていくためにメインラインの直線強度に対する限界強度を測って把握することをお薦めします。

ノットの強度を測る簡単な方法について普段僕が行っているテスト方法を紹介します。

あなたも自分が普段使っているノットがいったいどれくらいの強さを持っているのか、その点をぜひ調べてみましょう。

もしかしたら、顔が真っ青になる結果が出るかもしれないぞ、と。

テストはメインラインをダブルラインにするノット、ダブルラインとリーダーの接続ノット、リーダーとスナップの接続ノット、という3つのノット全てについて必ず一緒に行っています。スナップはもちろん普段使っているものを使います。 これは常にシステム全体でバランスを取りながらシステムを設計していくために必ず必要です。どんなに素晴らしいシステムでもスナップが弱ければ何の効果も得られません。

例えば、根がかりをしてルアーが外れない場合、最後は引っ張って回収を試みるわけですが、その時はラインシステム全体の強度が問われてくることになります。理想はフックが伸びて帰ってくること。これが釣り場の環境にとって一番いい。 でもそれだと使用するラインが太いので周りの人に比べたらルアーが飛ばないはず。そこでもう少し飛ばしたくなるのが心情。 そこでもう少し細いラインでやる場合、自然環境を無視して考えれば、理想はメインラインがリーダーの付け根付近で切れてしまうのが理想になります。

これはすでにメインラインの直線強度ギリギリまでトルクをかけたが切れてしまったケースです。ラインシステムの基本的な考えが、まずメインラインの補佐という役割である以上、メインラインの最後で切れるのがベターなのです。

 

例えばメインラインのPE1号のパッケージには直線強力6.3sと書いてあるとしましょう。当然目指すは100%であるのだけど、それはなかなか難しいです。ラインは結節部で強度がどうしても下がってしまうからです。しかし、このようなテストは限りなく100%に近い数字を残すように取り組んでいくことになります。100%には決してならないけどどこまで近づけるか。これがラインシステムの研究です。

要するに実際のシステムを全て組んでメインラインの直線強力にどれだけ近い数字を残せるか試していくのです。そんなテストを繰り返して、新しいノットが従来のノットに比べて強度や完成までの早さ、安定感、ガイド抜けの良さなどの点を総合的に見て良ければ自分の釣りに採用しましょう。

それではやり方。まずは風呂場でラインを全て濡らしたら、容積10リットル程度のバケツに水を3リットル入れます。バケツの重量は無視するとすれば重さは約3sです。バケツの取っ手にはスナップが取り付けられるように細い糸(僕はPE6号を巻いている)を取り付けておきます。

最初のテストは6.3sテストのメインラインだけで3sを持ち上げられるかどうか試してみましょう。いわゆる直結の場合、メインラインはどれくらい頑張れるのか、ということです。メインラインの材質に関係なく、よっぽど下手なノットで接続しない限り、50%強度は達成できるはず。

次にシステムを組んで持ち上げることを試みてみます。バケツに5リットルの水を張ります。水5リットルの重量は5s。5sは6.3s強力の約80%にあたります。これがメインラインで持ち上げられれば80%の強度を持っていることになります。 今度はラインシステムを組んだリーダー部の先端を接続します。リーダーの長さは40a程度で十分。 あなたのラインシステムはバケツを持ち上げることができたでしょうか。できない人多いですよ。チャレンジあるのみ。

巷で紹介されているノットはほとんどがしっかりと組めば80%を達成できるものばかりです。僕が使うイージーノットも90%を超えるはずです。締め込み不足、覚え間違い、原因はどこかに必ずあります。何度も何度も練習して確実にものにしましょう。

 

スナップが吹っ飛んだ場合は、スナップの強度に問題があります。そのスナップはもう使わない方がいいでしょう。スナップはなるべく小さい方がいいのですが、システムより強度が弱いと、ファイト中にあっさりと壊されやすくなります。

また、スナップを使わないでループノットを用いる人も多いですが、ぜひバケツにループノットで結びつけてチャレンジしてみましょう。ループノットの弱さに愕然とするはずです。もしラインブレイクの危機に瀕するほどのテンションが掛かった場合、リーダーとルアーのノットで切れてしまう可能性が極めて高いのです。だからループノットを使う人はメインラインとリーダーの強度をもう少し上げることで対応していかなくてはなりません。

何の問題もなく80%を持ち上げることができた方はそこから限界値に挑戦していきます。

計量カップみたいなものでいいから水を少しずつ足していくのです。このテストはあくまで引っ張り強力のテストなので揺すったりする必要はありません。少しずつ負荷をかけていく。 ある程度の負荷をかけていくとバチン!とラインシステムが破断してバケツが落ちるでしょう。 その時のバケツに入っていた水の重量があなたのラインシステムの限界値です。

そこからあれこれ工夫をしていきながら限界値を高めていきます。90%を越えるのは意外や意外、なかなか苦労するはずだし、様々なノットを試してみて、自分にとってのベストノットを追求していってほしいです。

そしてそこから生まれたラインシステムは揺らぎない自信と盤石の安心感となってフィールドで大活躍するに違いありません。

ノットについてはなかなか静止写真でご理解いただけないかと思いますが、T.S.S.T.やCRなどのイベントの際に聞いていただけたら喜んでデモさせていただきます。

 

 

 

 

イージーノットの結び方

簡単で強い。ノットが小さいので、ガイドトラブルがほとんど起きないというイージーノットの結び方です。

基本的にはSFノットの簡潔バージョンという感じですね。

シーバス程度であればこれで十分ですのでぜひ覚えましょう。

基本的にこれはPEラインとフロロリーダーを結ぶノットです。

 

 

ここでは、メインラインのPEラインを赤色、リーダーを紺色のラインとします。

まずはメインラインをハーフヒッチ1回でダブルラインを作ります。

(ハーフヒッチ=元のラインを巻き込んで片結び)

軽く締め込みます。

 

 

その輪っかの付け根(結び目の所)を左手でしっかり持ち、手首を180度ひねりながら、リーダーを通していきます。

 

 

こんな形で、PEラインがリーダーの上で交差し、下で交差し、を繰り返す形になります。

これを12〜14回交差させます。

この時、写真右下にあるPEの先端と左上のハーフヒッチの部分までが等距離になるのが理想です。

手首をしっかりと180度ひねると上手にできます。

コツは2回交差させたら、一度リーダーをしっかりと引っ張って奥にたぐってしまうこと

文章では説明が難しいけど、要するに一度で12回やろうとしないで、数回ずつリーダーを持ち直すということ

 

 

このノットはイージーノットというだけあって、猫が絡んできても失敗しません。

 

 

こういう風に12回ほど交差させたら、リーダーを引っ張り出します。

止める時はダブルにしているメインラインのリールから直接つながっている方を下に、ループ側のラインを上側から押さえる形で終わらせると強度が一割ほど増します。

 

 

リーダーをハーフヒッチ1回やって、固定します。

ハーフヒッチは8割ほど締め込んでおきます。

 

そしたらPEが2本になっているところをしっかり持って、じわじわと引っ張ります。

一気に引っ張らないこと、ツバをしっかりとつけて濡らすことが重要です。

リーダーのハーフヒッチがずれる時は、リーダーの結びの余っている方を歯でくわえるともっと綺麗になります。

 

 

猫も執拗にじゃれてきますが、決して緩めずにしっかりと締め込みましょう(笑)

 

 

PEラインが動かなくなるまで締め込んだら、さっきのリーダーのハーフヒッチをもう一度がっちりと締めます。

ここが生命線なのでしっかりと締め込んで、指先でできる限り、結び目を小さくしてください。

特に太いフロロほど緩みやすいので重要です。

 

で、締め込んだら、リーダーの余ってるところでもう一度ハーフヒッチをします。

こっちもしっかりと締め込んで、ハーフヒッチが二連続で綺麗に並ぶようにします。

二個目は保険なんだけど、ほどけやすいのでこっちもしっかりと締め込みましょう。

 

そしたら、最初のPEラインのダブルラインを作ったハーフヒッチをほどきます。

リーダーとの結び目側から引っ張れば簡単にほどけます。

強度劣化が怖い人は、ほどく前の結び目にいちおうツバをつけておきましょう。

 

PEの余りとリーダーの余りをはさみで切ります。

そんでしっかりと締め込みます。猫に手伝ってもらいましょう。

 

 

参考になれば幸いです。

どうしても解らんと言う人は、下記のビデオがお薦めです。

上に書いた全てのノットが収録されております。

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