シーバスのリリースについて

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Style
第一章
スズキについて知る
リリースについて考える
 
第二章
ヘビカバスタイルについて
港湾部のタックル
河川・干潟のタックル
ライン
ポイント開拓
ルアーの食わせ方
アワセについて
ランディング
小物について
 
第三章
潮の攻略
春の攻略
初夏の攻略
・夏の攻略
・秋の攻略
・冬の攻略
 
第四章
ゴミを拾おう
いい男になろう
オリジナルカラー
 
 
 

 

 

 


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〜魚を大事にしよう〜

 

リリースの話をする前に。

 

リリースとは自律であるべきです。

 

自律とは「みずからを律する行動規範」です。

法律ではありませんから、他人を律することは許されません。他人がとやかく口出しする問題ではありません。

隣の釣り人に逃がしてやれと言うとか、魚をキープする友人に文句をつけるとか、こういう行為は愚の骨頂と言えます。

釣った魚は全て殺すという人もいるし、釣った魚は全て逃がすという人もいます。

その2つを両極端として、釣り人は自分の価値観でバランスが取れていると思うスタンスとそれを実行する条件を決めればいいだけの話です。

1匹だけ持ち帰るとか、デッドリリースになりそうな時に持ち帰るとか、人は自分自身で持ち帰る条件や、逃がす条件を決めるのです。

 

決して人の規範に口出しをするような人にはならないでください。

ここから先に、あなたが自律を持つために参考になることが書いてあります。

しかし、あなたのリリースに関するスタイルはあなた自身が決めることをお忘れなく。

 

 

 

〜将来を考えて釣りをする〜

 

 昔から東京湾でシーバスをやっていたベテランはよくこんな事を言います。

「東京湾のスズキなんて一晩に50尾以上釣る事も訳ない時代があったんだよ。」

 僕もその時代の最後の頃を少し知っています。

訳ないとは思いませんでしたが、それくらい釣れていた記憶が確かにあります。

そして多くの人と同じように最近になって確実にシーバスが減ってきたとの印象を持っています。

 

 

特に大型が減ったという印象は強烈です。

以前は70センチ程度であれば確実にヒットし、狙うは90センチというのが、僕が始めた頃のシーバスフィッシングの印象でした。

現に何度もそういうサイズが釣り上げられるのを目の当たりにし、そして実際にフィールドで何度も超大型をヒットさせ、未熟な腕とタックルセットのせいでラインブレイクばかりされてきた経験から、今の硬いロッドに強いラインというヘビカバタックルを確立させてきました。

ストラクチャーの中や際でバイトした超大型を水揚げするためだけに僕の竿はどんどんと硬くなっていったのです。 

 

そしてようやくそのスタイルが確立した今、そのタックルが真価を発揮する超大型のヒットは実に少なくなりました。

年に数回がいいところでしょう。

 

かつて東京湾がPCBに汚染され、東京湾のスズキ漁ができない時代がありました。

その時代に彼らは最も数を増やしたと思われます。

そして、それが解禁されてからすでに20年以上経ちました。

当時8歳だった僕は解禁直後はこの釣りをやっていません。

聞くところによると解禁してからしばらくの間はとにかくたくさん釣れた様です。

 

 

そして僕は魚の数が減り始めた88年頃にこの釣りを知った訳です。

そんな僕が魚の絶対数の減少を肌に痛切に感じたのは92年、97年の頃でした。

 おまけに同年に中ノ瀬でタンカー「ダイヤモンド・グレース号」が座礁。原油1500キロリットルが流出する事故がありました。記憶にある人も多いと思いますが、当初10倍もの量が流出したと間違って予想されたために必要量以上の油処理剤が使用されてしまったのです。

 2週間後や1ヶ月後の環境庁/厚生省の調査で魚に対する油や処理剤の影響はほとんど無いと報道されていましたが、それが間違いであったということは翌年になって判りました。98年のアナゴ・カレイの絶不調は油流出事故と無関係ではありません。成魚は大丈夫でも、当時は稚魚だった彼らは大打撃を食らったのかもしれません。乗合船は早々にカレイやアナゴの看板を下ろし、漁師はスズキ漁に転向を余儀なくされました。

 それはその年以降にスズキの漁獲高が増えていることと無関係ではありません。一般的に漁獲高が増えると資源が増えたという考えをしますが、実際は魚は減っているのに獲る人が増えたから漁獲高が増えただけのかもしれません。

 すでに憶測だらけの展開なのでなんとも言えませんが、こんな時代に東京湾奥で釣りをする僕らアングラーは常に魚を大事にする気持ちを大切にしなくてはいけません。

 ちなみに、PCB汚染は終わったわけではありません。この10年間全く横ばいの状況が続いています。もちろん、近年話題のダイオキシン問題も。野菜や肉、他の魚介類よりもダントツでスズキが汚染されているのです。

だからリリースしようって訳じゃないけど・・・、ほどほどがいいと思いますよ。

 

 

さて、リリースの話に戻りましょう。

 インターネットの様々な掲示板でもよく話題になるこの話、リリース派とかイート派とか、人間のエゴだなんだとどうしても話が反れてしまいがちです。

僕は年に2〜3尾ほどデッドリリースになりそうな魚をキープして食べることもありますが、それ以外はリリースします。

理由はただ一つ。将来もこの釣りを楽しみたいからです。

いや、その言葉は少し偽善的かもしれません。正直に書けばもうひとつあります。

そんなたくさん食ってられないから。でもこの釣りが大好きだから食べたくないけどやめられない。

人間の身勝手極まりない価値観ですが、どう言葉を飾ろうともそれが真実です。

 

そしてそれだけこの釣りが大好きだから確実に逃がそうと思っています。

その為にはリリースしたシーバスが生き延びてくれないと全く話になりません。

 

 

 

〜リリースはヒットした直後から始まる〜

 まずはヒットしてからの話をしましょう。僕は基本的にシーバスの口にルアーを付けたまま逃がすのが最も残酷な行為だと思っています。俗に言うラインブレイクのことですね。これはリリースとは言いません。以前よりはだいぶ減りましたが、この点に無神経な人ってまだまだ多いです。

 ラインブレイクして口にルアーを付けたまま逃げていったシーバスはどうなるのか。ご想像通り確実に死が待っています。運良くルアーが外れればいいのだけど、ルアーが外れなければほとんどのシーバスが死んでしまうと思われます。

 

 

 ラインブレイクを防ぐコツは4つ。

 

 一、腕やポイントに見合ったラインシステムを

  以前、釣具屋さんで声をかけられた人に、

 「村岡さんはいつもPE1号とか使ってますが、僕なんかフロロの5ポンドで70センチ級をガンガン釣ってますよ。」

 と言われたことがあります。

人より細いラインを使ってるのが自慢です、なんて誰よりも細いロープで登山をしなさい

 

 釣り人は太いラインで確実に魚を獲れるようになったら更にラインを細くしてチャレンジします。これは慎重に計算されたものであれば、アングラーの技術向上をもたらすのでとてもいいことだと思います。そして、そのチャレンジ精神の延長線上にJGFA・IGFAなどの記録挑戦があります。

でも、それは個人の問題です。他人がどんなラインを使おうと勝手です。

細いラインを使ってるのが上手いとか偉いとかそういう考えは捨てましょう。

どんな状況でも適切でかつ効率よく釣りができるラインシステムを組める人。

そういう人が上手で尊敬すべき人なのです。

 

 

一、ルアーチェンジの際にはリーダーをチェックする習慣を

 ゲームの最中にテトラを擦ったり、足下の草や木に引っかかったり。その度にリーダー部分に傷が付いていきます。リーダーを指でなぞって見ると判りますが、ポツポツと傷が入っていたり、ザラザラと傷が付いていたりします。経験上、ポツポツは明らかに強度が落ちていることが多いですのでリーダーを変えた方がいいでしょう。ザラザラは少しくらいなら全然大丈夫です。明らかに太さ自体が変わるほど削れているようであれば変えましょう。

 

一、風の強い日は細心の注意で

 風の強い日はタックルセットの最中からゲームをしている最中まで、色々な場所にラインを擦ったり引っかけたりします。引っかけるのはたいていメインラインでPEラインなんかだと傷が入ってしまってヒットの瞬間に高切れを起こしたりします。
 こればかりはラインを詰めて使うしかありません。PE1号で傷を見つけだすのは困難ですから疑わしきはどんどんとラインを詰めていきましょう。財布がきつい人はそうならないように細心の注意でラインを扱いましょう。サミングをしっかり覚える事が重要です。

 

 

一、2時間に1回は結び直す

 タックルスタイルでオススメしたロッドは先調子でガイド径が小さいものが非常に多いです。それらが高感度・操作性の向上という産物を生み出すわけですが、ガイド径が小さい分、ノットはキャストの度に激しくガイドにたたきつけられます。特に傷んでくるのがリーダーの結びコブ。これが傷んでくるとキャスト中にブレイクしてルアーだけ飛んでいってしまったり、ヒットした瞬間にプツッと切れてしまったりします。

タックルスタイルで紹介しているSFノットでも持って2時間が限界でしょう。オルブライトノットやオフショアノットでは更に劣化が早くなります。

僕はランガンしている最中のポイント移動の際に歩いて結んだり、ポイントを変える際に車を運転しながら結んだり(これはあまり推奨できませんが)します。

 

しかし、ラインシステムを万全にしても、ラインブレイクは避けられません。

ファイト、様々な要因が絡み合ってラインブレイクは起きます。

 

 

魚とのファイト

魚がヒットした瞬間からフォアリリースのファイトが始まります。上に書いた下手なファイトによるラインブレイクはもちろん論外です。まずは魚をキャッチすることを最優先で考えましょう。

ライン強度に対してきっちりとセットしたドラグ設定とラインシステム、全てのテクニックを使ってファイトします。強引にやってバラしてしまってはつまらない。かといって時間を掛けすぎるのも良くありません。

 

ファイト方法については、ファイトの項目を、ランディングについてはランディングの項目をご覧ください。

 

 

 

リリースしてみる。

 

 

 

 

 ランディングからリリースへ

 まさに最終段階、ゲームフィッシングとして、一尾との出会いをできることならより良いリリースとして完結させたいものです。

 シーバスは多くの魚と同様に、水から出されたら体内に酸素を取り入れることができなくなります。人間が水の中にいるのとほとんど同じ状態です。窒息状態となったシーバスは時間と共に消耗し、やがて酸素欠乏で死亡します。エラから水中の酸素を取り入れる事しかできない魚類にとって陸の上はまさに地獄なのです。

シーバスが陸の上に上げられて生存することができる時間は魚類の中では比較的長い方かもしれません。これは僕が子供の頃からやってきた海のエサ釣りでの経験からしか判断したものですが、ハゼやアナゴの様に水が無くてもなかなか弱らない魚種もいれば、クロダイやシロギスのようにあっという間に弱ってしまう魚もいます。その中から断言するとシーバスはまだまだ比較的持つ方です。

 最終的にリリースできたケースで過去の経験から断言すると、フッコクラスで概ね8分、スズキクラスだと5分程度の時間内にリリースすればしっかりと回復して泳いでいきます。当然、ケースバイケースで時間はまちまちですが、人間はその時間内に計測をしたり、写真を撮ったりするなどしなくてはいけません。まずは早く水の中に戻すことを第一に考えて行動しましょう。

ランディングしたシーバスに対する扱い方について説明します。

せっかく魚体に与えるダメージの少ないランディング方法を行ったのだから、その後も大切に扱いたいものです。

魚が元気なうちはコンクリートの上に置かないことが必要です。特に早く寄せた魚はまだ元気ですからビッチンバッタン暴れさせてしまうと、多くの粘膜とウロコが取れてしまいます。これじゃリリースの意味がありません。

上にも書きましたが、魚体への傷は寄生虫や病気の原因となるので可能な限り避ける事が必要です。このあたりに慎重な方だと、ビニールシートを敷いてから、その上にシーバスを置いて計測や撮影を行っています。

土や草が近くにあるなら、そこに魚をおくと良いでしょう。

 と、書いたまではいいものの、釣った魚をコンクリートの上に置くしかない時もあるでしょう。

抜き上げ直後に激しく暴れるので、その間はリーダーを持つか、ロッドで持ち上げてなるべくコンクリートの上に接触しないように心がけています。これも硬い竿だからできる技です。

1分以内で必ずおとなしくなるのでそしたらそっと地面に置きます。するとずっとおとなしくしてます。

しかし、触ると暴れ出すので、極力刺激を与えないようにしましょう。消耗が早くなります。

ただ、これも大きいサイズの話でフッコ以下のサイズはリーダーを持ってぶら下げたまま、ペンチでフックを外してそのまま海へボチャンと落としています。一見すると雑な扱いに見えるけど、魚体に全く触らないという点ではこれが一番です。

 

 

高校生の頃は、実にカッコよくないポリシーを持っていました。

未熟って恥ずかしいものです(泣)

 

 

それから温度について。魚類は人間の体温でもやけどを負ってしまうものらしいです。以前ヒラスズキに触ったら手形がハッキリと残ったという記事を他誌で読んだことがあります。ただ、僕がイケスで実験した限りではこの現象は確認できませんでした。けっこうベタベタ触ったのですが、2週間経っても特に何の影響も見受けられなかったのです。

僕のシーバスフィールドである東京湾奥は完全な汽水域だから、通常よりも粘膜が多く分泌されているので、手で触ったぐらいでは火傷のような症状まで至らなかったのではないか、という推測にはなったのですが、詳しいことまではわかりません。とりあえず触らぬ魚に祟り無しって精神が大事だと思います。

いずれにせよベタベタ触っていいものではないでしょう。管理釣場のニジマスのように手形をハッキリと残したまま、弱って死んでいく魚がいることは事実なのですからね。魚体に触る際はなるべくグローブをする、濡れて冷やした手でそっと触るなどの心がけは誰でもできます。

それと、書くまでも無いと思いますが、真夏に釣れた際に熱い灼けた砂の上やコンクリートの上に魚を置くことはなるべく避けた方がいいでしょう。

 

 

 

最後にリリースの際に必要であれば行う蘇生の話。

ここからはぜひリリースをして欲しいサイズであるスズキ級の魚を前提に時間の基準を書いていきます。

シーバスは陸の上にあげて5分も過ぎれば、大抵が再度水に戻しても腹を浮かせてしまうようになります。大きなシーバスほど消耗が早く回復が遅いという傾向があり、80a超のビッグサイズともなると、ヒットしてハンドランディングという形でランディングしても、すでにその場から泳いでいけないほど体力を消耗してしまうこともあります。回復時間はその釣り場の水質に左右されることが多いです。そしてファイト時間が長ければ長いほど激しく体力を消耗するのです。

だからといって、ガシガシ寄せて素早くリリースしなければいけないというわけではありません。5分以内に蘇生作業を行えばかなりの高確率で成功することができるからです。蘇生の方法を紹介します。

基本的な考えはシーバスに呼吸をさせることです。理想的なのは普段の呼吸と同じように口の中からエラ蓋に水を通す感じがいいです。足場が低くて水面まで近づけるようであれば、魚の口を手で持って何度も前後に動かすか、8の字を描くように動かします。エラブタからではなく、口の中から水をどんどんと通していきます。時間にして3〜5分。長いときは10分以上経ってからシーバスはやがて胸ビレを動かすようになり、自分でエラ呼吸をするようになります。

小磯での90up蘇生シーンです。

 

そこで手を離すとまた裏返しになってしまうので、更に蘇生活動を続けてあげましょう。ゆっくりでもいいからエラ呼吸をしているようであれば、魚を動かす必要はありません。シーバスの体が倒れないようにそっと口を持って支えてあげるだけでいいです。

 更に力強くエラの動きが回復し、泳ごうという意志が感じられるようになってきてもまだ離してはダメです。この段階ではまだ一泳ぎでまたひっくり返ってしまうような状態です。さらにしばらくするとヘッドシェイクをのったりと始めるので手をそっと離してみましょう。シーバスが腹を浮かせずに自力で泳げるようになっているようならあとは見送るだけでいいです。この時の注意点として手を離してもまた裏返しになってしまう時もあるので、すぐにまたつかめる場所で行うこと。

 また魚類は光の当たる方向に背中のてっぺんを向ける習性があります。その習性を利用して、夜は自分のライトを点けてシーバスにどちらが上か教えてあげることも大事と思われます。

 

大きいスズキほど蘇生には時間が掛かります。もし、あなたに満足のいくサイズが釣れたことに感謝の念があるのなら、蘇生には時間を惜しまないで欲しいです。エラを傷つけてしまったり、脊髄を損傷していない限り、蘇生は必ず成功します。ただ、かなりの時間が掛かる時がある、その時にあきらめて欲しくないと思ってます。

時合の最中でも、目の前にいる釣れた一尾に集中できる人。

この余裕がある人がカッコイイ釣り人ではないでしょうか。

 

 

同じように今度は岸壁など足場が高い場合での蘇生のやりかたを紹介しましょう。

理想なのは魚が元気なうちに上からボッチャンと落としてしまうことです。5mくらいまでなら全く問題はありません。僕は頭がから落ちるように落としますが、それがいいかどうかは判りません。でも、水面に落ちた衝撃でビックリした様に泳いでいくシーバスが多いので、頭から落とすとその勢いでそのままずっと泳いでいきます。

また、すっかり消耗してしまって明らかに海に戻してもダメそうな場合は、タモ網に入れて水の中に戻してみましょう。自力で呼吸をしているようだったら、そのまま数分待っているとやがてもがくように動き出すので、そっと網から出してあげるとゆらりと泳いでいきます。その場で腹を上にひっくり返ってしまっても、自力でエラ呼吸をしていればたいていは回復してやがて自分で泳いでいきます。

 魚が呼吸すらできない場合は、蘇生作業を行う必要があります。特殊なやり方なので非常に恐縮ですが、僕はルアーを付けて再度水の中に放り込んでいます。そしてそのままテクトロの要領で引っ張り続けます。これで過去かなりの数のシーバスを蘇生することができました。

 コツとしてシーバスの下あごの外側からテールフックを差すこと。こうすると引っ張る時に口が開いて水が口の中に入りやすくなります。目的は口の中にどんどんと新鮮な水を流し込むことですからね。うまい具合に口が開くようにフックセットしましょう。シーバスの口が閉じていたらあまり意味がないのでご注意を。

魚が元気になったらバラシの練習をしてみましょう。どうやったらフックが魚から外れるのか。冷静に練習できるのはこんな時ぐらいです。できなかったら素早く陸の上にあげてフックを外してからまたリリースしましょう。

 しかし、日中にバイブレーションなどで深い水深から魚を出した場合、魚は回復しても浮き袋の関係で水面でずっと裏返しになってしまう場合がよくあります。その時に呼吸をしているからってほったらかしておくとそのまま死んでしまいます。この場合魚が潜っていけばいいのですが、一度弱ってしまうと水面でひっくり返って回復が困難なケースになります。ですからボートや沖に面した岸壁で行う方は、深い場所で掛けた魚は早めのリリースをすることが大事です。

 

 余談ですが、シーバスに自分の手でフックを差す経験をするとシーバスの口って本当に固いんだなぁとつくづく思うはずです。指の力だけで手で刺せる柔らかい部分の割合とペンチなどを使わなければ刺せない固い部分の割合は2:8ぐらいではないでしょうか。それを考えて僕は8割のフックセットチャンスを確実にものにするヘビーなタックルを日頃お薦めしているのです。もちろん柔らかい部分にフックアップした場合は身切れでバラすこともしばしばあるけれども、逆にフッキング後にエラ洗い一発でバラしてしまう事が多い人は明らかにフックが刺さっていません。

 同じようにフックに返しがあるかないかの差って本当に大きいと気付くはずです。フックは奥まで刺さってしまえばバラす事は少ないのです。

 以上、上記のようなやり方で僕はシーバスのリリースを行っています。

心がけているのは迅速さ。取材時などは写真撮影のために時間が掛かることもあるけれど、プライベートの時は1分以内にリリースしてしまいます。これくらいの時間であれば蘇生作業も全く必要ありません。

 

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