シーバス(スズキ)について知る。

トップへ戻る area



 

 

Style
第一章
・スズキについて知る
リリースについて考える
 
第二章
ヘビカバスタイルについて
港湾部のタックル
河川・干潟のタックル
ライン
ポイント開拓
ルアーの食わせ方
アワセについて
ランディング
小物について
 
第三章
潮の攻略
春の攻略
初夏の攻略
・夏の攻略
・秋の攻略
・冬の攻略
 
第四章
ゴミを拾おう
いい男になろう
オリジナルカラー
 
 
 

 

 

 


トップへ戻る >>> Style -シーバス攻略法- >>>

〜シーバス(スズキ)について知る〜

 

 

 

 

魚の王様と言えば、一般的にはマダイを指すが、決してそうではありません。

 

河川・河口・砂浜・磯・干潟・港。

日本近海のありとあらゆる海に面したフィールドにスズキは生息しています。

もっとも大きいサイズになると体長1mを越え、我が物顔でフィールドを泳ぎ回る。

 

 

スズキのいない海を探す方が難しいのです。

まさに食物連鎖の最頂点。

 

 

そして、ルアーフィッシングにおける好ターゲット。

ゲーム性も高く、季節感も楽しめます

僕のような中毒患者がたくさんいます。

この魚こそ、魚の王様ではないでしょうか。

 

 

 

 

〜スズキの一生〜

スズキは冬に沖の深場で産卵するらしい。

東京湾なら観音崎沖の水深何十mで一斉に卵を産むらしい。

らしい、と書くのは、誰もまだ見たことがないからです。

 

生み出された卵は表層を漂い、湾奥にたどり着くそうです。

そして春になると孵化するとのことです。

ほんとかよ、と思うけどどんなシーバスの本にもそう書いてあります。

 

そういう魚もいるんでしょうが、初夏に河口にあれだけのセイゴが群れているのを見ると果たして本当に沖で産卵しているのだろうか、と考えてしまいます。

河口で産卵するスズキもいるのではないでしょうか

 

 

4月になると、下の写真ぐらいの大きさになります。

東京湾で言えば各河川の河口や潮だまりなどの常夜灯の下にごっそりといます。

この頃は小さなエビやカニの幼生を食べて育っています。

 

初夏になる頃には10センチぐらいになってて、ルアーの後ろを元気に付いてくるようになります。

このサイズになるとそう天敵はいません。

一番驚異なのはスズキです。

前にスズキを釣った時、セイゴを吐き出したことがあります。

 

当歳魚は冬までに15〜30センチぐらいに成長します。

1年間でずいぶんと個体に差が出ます。これはエサの量によります。

同じ年に生まれる子供が多いと、成長が遅くなる傾向がはっきりしてます。

餌の分配率に大きく影響されるようです。

だから以降の解説は、平均的な数字としてとらえてください。

 

2歳になると、いよいよフッコサイズとしてルアーにアタックしてくるようになります。

3歳になると40センチに届くサイズも現れます。

4〜5歳の頃が、いわゆる大人で一番パワーのある時期。50〜60センチ級。

なんとなくスズキの貫禄が出てきます。

この歳までのスズキは全てがオスですが、この歳以降になるとオスがメスに性転換します。

60センチを超えるとほとんどメスで、精巣を持っている魚はいません。

 

そこからはとても成長が遅い様です。

80センチを超すのは10歳になった頃、90センチやメーターオーバーは更に月日がかかります。

スズキの80センチ以上が価値が高いのは希少価値が高いからです。

 

 

 

〜スズキの顔〜

スズキには港湾部を好む魚、川を好む魚、磯や干潟などを好む魚と、それぞれのエリアでの棲み分けがかなり明確に行われています。

これは20センチぐらいのセイゴの頃に、それぞれの適性にあったエリアへ棲み分けている様です。もしかしたら遺伝性なのかもしれません。

もちろん途中で、エリアを一時的に変えたり、川のスズキが港湾部のスズキになることもあるかもしれませんが、大部分のスズキは一生を最初に選んだエリアで過ごしていきます。

 

こうして棲む場所を決めたスズキは成長過程でその場所に適した形に体型が変わっていきます。


磯の魚は根魚のように太くなります。

 


港湾部の魚。目がヨリ目なのが特徴的です。

カラス貝に付いた魚は背中が真っ黒です。

 


70センチを超えるまで港湾部にいた魚は、メバルみたいな顔してます。

 


貯木に付いた魚などは茶色い背中をしています。

 

 


干潟の魚。すらっと長く回遊ものに近い形をしてます。

 

 



川の魚。異様に大きいヒレと背中の筋肉が特徴です。

 

 


サーフの魚。お腹の白さが美しいです。

 

違いがわかりましたでしょうか。一つのエリアにこだわるのでなく、あちこち回って多くのスズキに触れ合うのも楽しいものです。

 

 

〜回遊型シーバス〜

これらのエリアを回遊する回遊型シーバスの存在があります。

常にベイトを求め、どん欲に海の中を泳ぎ回る彼らは、我々アングラーにとって最も身近な存在でもあります。

実はこの魚しか釣ってないアングラーがたくさんいます。

・上の特徴ある魚に滅多に合わない

・雨次第

・ベイト次第

なんて方には気の毒ですが、回遊型シーバスは時間と場所が合えば、誰にでも釣れるものです。合わせるのもテクニックでしょうけど、回遊しないシーバスを釣る方がはずかに難しいのです。

 

 

 

〜保護色〜

スズキの背中の色はその生息環境に合わせて刻一刻と変わる性質があります。

鱗は半透明ですから、その下の色素が変わるのです。

元々の魚体の色は銀色に近い色をしています。

サーフの魚はそれより白く、カラス貝についた魚は黒色になってます。

魚が死ぬと色素はすぐに色を失います。

死んだスズキが白っぽくなるのはそのせいです。

 

ちなみにお腹の色は変わりませんので、お腹の色で居付きか回遊かを見分けることが可能です。黒ずんでいる魚はあまり食べられません。

 

 

 

〜成長スピードの違い〜

前に書きましたが、スズキは非常に成長の差が大きい魚です。

成長の違いは、そのエリアのベイトの量で変わります。

川のスズキが一番速いペースで大きくなります。次に干潟、磯、サーフ、港湾部と続く様な感じ。一方で生息する絶対数はこれとは逆になります。港湾部にいるスズキが一番多いです。

これは地域でも当てはまります。九州・四国の魚は数は少ないですが豊富なベイトのおかげで若くして大きくなります。東京湾などに比べて、同じ80センチでも年齢が若いのです。

 

 

 

〜川スズキが危ない〜

気付いて欲しいのは川の魚が圧倒的に数が少ないこと。

今、スズキ釣りが全国的なブームで、地方の河川ではシーズンになると大きな魚が次々と上がります。

それを殺して欲しくないのです。

川のスズキを殺し続けると、川のスズキがいなくなります。いなくなったら、干潟や磯のスズキが川スズキになる事はありません。

生息数が少ないからたったの数年で顕著に減ったことがわかるのが川です。

 

過去に関東地方のアングラーは痛い目を見ています。

狩野川や相模川など、大型が連発し、釣り人が押しかけ、スズキの量が激減し、壊滅させてしまった例がたくさんあります。生息数や大きさが元に戻るのに二十年近く掛かるのです。

たくさん釣れているうちはわからないもの。だからこそ、知って欲しい。

人間が自然を失ってきた歴史を忘れてはいけません。

 

 

Raging Waterは東レと僕で進めるソルトウォーターブランドです。

そのラインのパッケージにはこんなメッセージが書かれています。

あなたの釣り場を、あなたのこの先の楽しみを創っていくのは、あなた自身なのです。

 

 

 

以上、書籍では絶対に書かれることのないスズキの事について書きました。

一般的な生態やその他は、シーバス関係の本を読むといいでしょう。

村越正海氏の「初めてのシーバスフィッシング」がお勧めです。

 

 

最後に、ミラクルワークスのビルダーでもあるこの人の言葉を贈ってこのスタイルは終わりです。

僕の気持ちも一緒。

スズキ釣りをやる人が、みんなこんな気持ちになったら本当に素晴らしいなって思います。

 

 

 

 




トップへ戻る >>> Style -シーバス攻略法- >>>

 

©Copyright 1997-2006 Tokyo-Seabass-Net.All Rights Reserved.