〜ルアーの食わせ方〜
ルアーは食ってもらうものではなく、食わすものです。
そう思える釣りをぜひして欲しいぞ、と。
すれば、たった一尾の魚でもあなたは幸せになれるはず。
いくらポイントや潮の読みができるようになっても、ルアーをコントロールできていなければ魚のバイトを得ることは難しいでしょう。
ルアーは食ってもらうのを待つものではない、食わせるものである。
これを理解することで足下の反転やチェイスするものの、結局バイトをさせられないといった様な問題を次々と解決できるようになります。
まずはルアーフィッシングの基本でもある、ミノーイングのただ巻きを基本とし、それを応用したいくつかのメソッドについて解説していきます。
港湾部においてゲームをしている人はとっくにご存じだと思いますが、シーバスは僕たちが思っている以上にルアーを見切る事が多いです。僕が思うに9割のスズキはルアーを見切っているのではないでしょうか。
流れの少ないところ程、スズキはルアーを見切る性質がありますが、河川や干潟・サーフでも結構な数のスズキがルアーを見切り、バイトをしません。あらゆるメソッドを使ってもルアーにバイトすることがないスズキが半数の5割近くいるのではないでしょうか。
そんなことを最近は考えるようになりました。そうとしか思えない経験をたくさんしてきました。
キャストしていて全く釣れないのに、漁師が刺し網で目の前からごっそりと持っていくという経験は実際によくあることです。
それほどまでにルアーは見切られているのです。
僕が将来のためにリリースをしようと言う理由のひとつはここにあります。
たくさんいるシーバスのうち、ルアーに反応する性質を持った魚はわずかしかいないわけです。
その魚をルアーで釣ったアングラーが殺していくという事は、ルアーに反応するという遺伝子をことごとく潰していくと言うことに他ならないからです。
そう考えると、漁師や餌釣り師がスズキを殺すのとは本質が違います。
僕らはルアーに反応する魚を釣っているのです。
ならば、そのルアーに反応する可能性がある5割のシーバスをどうやって釣っていくか。
シーバスはかなり濁った潮でも容易にルアーを見切ることから測線などに伝わる何らかの情報をもってルアーをベイトフィッシュでないと判断しているようです。
僕が声を大にして言いたいのは、どんな状況であれ、ただ巻きをベースに漠然とゲームをやっているアングラーがいて、
「今日は魚が回遊してこなかった」とか、「追っては来たけど活性が悪かった」と思わないで欲しいということです。
単に食わせられなかっただけなのです。きっと魚に見切られています。
ルアーは食わすもの。そう肝に銘じてゲームに挑むだけで釣果が変わってくるでしょう。
下の図を見てもらいましょう。
食わせられない人
食わせてる人
プラグの絵の横にある数字はシーバスがバイトするチャンスを表しています。
単に漠然とルアーをキャストしてただ巻きを繰り返している人と、食わせようという意識を持っている人ではバイトチャンスの数が圧倒的に違います。その辺を解説してみます。
まず、漠然とただ巻きを繰り返す人の1キャストの間に訪れるバイトチャンスはわずかに3回しかありません。
1は着水してリトリーブを開始してルアーが泳ぎだし、潜っていく瞬間。2は単純に一定のスピードで泳いでいく間にシーバスがルアーをベイトと判断しバイトする瞬間。これは流れの中でのU字メソッドなどの瞬間も含まれます。アングラーはきっかけを与えていないが他の要因でルアーのアクションに変化が出た場合ですね。
最後の3はルアーが水面に向かって上昇した時。
シーバスは上に逃げる動きに対して反応する性質が極めて強いです。
漠然と投げているアングラーはこの3つのメソッドだけに頼って魚を釣っているのです。実際にただ巻きを忠実に行っているとこの3つのパターンでヒットするのが90%以上を占めます。これは食わせているのか?否、食ってもらえたのです。
キャストからピックアップまでの課程の中で、ルアーのアクションに変化を与えるこの3つのバイトタイミング。
そのタイミングを与えているのはアングラー?否。自然です。
変化させているのはアングラー?否。自然です。
自然がルアーを変化させます。その変化は1/f揺らぎの法則に従って微細に微妙にアクションを変化させていきます。とにかく自然で違和感のないルアーアクションの変化を醸し出します。
この自然任せのメソッドはとにかく強いのです。
これを利用したルアーがアイマkomomoなどの水面直下デッドスローメソッドと言えるでしょう。
このタイミングまでアングラーはルアーを動かさずに追尾させれば、後は自然がやってくれるアクションで間違いなく5割の魚のほとんどがバイトしてくることでしょう。
しかし、欠点が2つ。
そのタイミングが発動する前に見切るシーバスの何と多いことか。大きな魚ほど、グワッと追ってきてさっさと見切ってどっかに行ってしまいます。
また、ルアーのリトリーブ距離を長く取れないストラクチャー周りでは追尾させる時間が圧倒的に少ないので食わせるのに非常に苦労します。
そして欠点ではないけどもう一つ。
何より魚に価値がない。
あなたがシーバスをリリースすると決めた時点で、この釣りはゲームフィッシングとなります。
始めた頃は、1尾釣れれば十分でもそのうちに10尾釣れなくては満足できなくなってしまう。
10尾釣っても満足できなくなったら、100尾釣らなくてはなりません。
1尾の価値を高めていかなければ、何千尾と釣っても満足することはできなくなっていくでしょう。
この釣りでは面白くない、と個人的には思ってます。
でも飽きるぐらいまでには覚えましょう。これから紹介していくTake a lureの基本的な考えは全てここにあるからです。
ただ巻き系最強メソッド、U字メソッド
また、2のタイミングは横方向について考えた場合にも同じ事が言えます。
これがよく言われる流れの中でのU字メソッド。
流れの中で上流側か正面に投げるとルアーは必ずU字の軌道を通ってアングラーの足下まで泳いできます。着水して下流側に流れていくルアーは基本的にUターンするまでほとんど泳いでいません。
で、ラインが張ってUターンした直後に上流側に向きを変えて突然泳ぎ出します。その瞬間にバイトが出ます。
これはその前が単調であればあるほど強力に効くメソッドなので、リップレスシャローランナーでひたすらスローに巻くメソッドが大いに流行っております。
と言うか、これが現在の干潟や河川の基本となっていることは間違いないでしょう。
ところが、この釣り、あくまで流れの中でのみ活きます。流れの中の活性が高いシーバスのみが反応するメソッドなのです。
だからこのメソッドをメインでやっている人は流れが弱くなると(つまり潮止まり)途端に時合が終わったように反応が乏しくなってしまいます。ここで多くのアングラーは魚が来なくなったと判断しますが、それは間違い。
流れが弱くなり活性が下がったシーバスはルアーを見てからバイトするようになります。その時にデッドスローで泳ぐプラグを見切ってしまうだけと考えられます。
次に食わせているアングラーの場合を見てみましょう。
1.サミングバイト
ルアーは食わせるもん、と言うことを理解していれば、1キャストの間になんと11回もバイトチャンスを与えることができます。
これだけチャンスがあれば実際に何らかのタイミングでシーバスにバイトさせることが可能です。
その1つ1つを解説していきます。別のこの通り、というのではなく何らかの形で変化を与え続ける意識が重要です。
まず1の着水直後。キャストをしたら必ずサミングをすること。
よく着水音に気をつけろと言われますが、9センチ以下のプラグで着水音に気を使うことは全く必要ありません。
流れがあればなおさら必要ありません。水深30センチのシャローで30gのプラグをボッチャンと落としても、シーバスは普通に着水ヒットしてきます。流れがあれば全く気にしないでいいと考えておけばいいでしょう。流れのない岸際は風表か風裏かで変わってきます。静かなら気を使った方が当然いいでしょう。
ちなみに港湾部の明暗とかに付いている魚も極端な音やまともに頭上に放り込むと逃げてしまうようです。
と言うわけで、気を使うのも「場合によってはあり」、ですが、この1のタイミング、かなり有効です。
その為にサミングを覚えましょう。
着水直前にはラインがほぼ張った状態にして、着水と同時にベイルを戻す事が極めて重要です。
サミングしながらルアーが着水してベイルをすぐに戻す。ラインが張ったらすかさずロッドをゆっくりとあおってティップでラインの重みを感じる。ここでルアーは水をつかむはずです。バイトが出るのはその直後。近くに着水音に振り向いたシーバスがいれば、水をつかんで動き出す瞬間にバイトさせることができます。
上に書いたU字メソッドは流れの中でキャストしてただ巻きしていると1回は必ず訪れるものですが、着水直後にそれと同じ事を1回やってしまうのです。
このメソッドは明暗部とか、シャローのピンポイントストラクチャーなど、魚がいる場所をある程度絞り込めるポイントで強烈に効きます。
僕が最も得意なパターンの一つで、AreaでのハンマーやX-80SWのジャーキングメソッドはこれに当たります。必ず修得すべしです。
2.エンカウンターバイト
次に2。ルアーが潜っていく瞬間です。岸際などの障害物やカケアガリのエッジをかすめるようにこの2を行うことでエンカウンターのバイトを誘発することが可能です。スピードはかなりスローに。この釣りが得意なのがラパラCDやクランクベイトなど。グリフォンなんかも迷信では釣れないルアーの形をしているけど、シャロー撃ちでこれを使わせたらそうそうかなうルアーはありません。潜行角度をコントロールしやすいプラグはこの2が得意なのです。
次は3〜5。この間のルアーは本来、2と同じく普通に流れをつかんでそれぞれの巡航状態を保っている状態です。
この淡々とした状態も一つのメソッドになるケースもあります。
この間ずっと、アングラーが漠然とリトリーブしていた場合、ここでルアーに気付いた魚は5〜7のタイミング、U字効果が出た瞬間にバイトすることが多いでしょう。
しかし、ここで冷静に考えてみて欲しい。
デッドスローで流れに乗せてリトリーブ、ルアーがUターンした瞬間にバイト。
非常に多いケースですが、今ここでみんなに問いかけたい。
シーバスはどの段階でルアーに気付いていたのでしょうか。
Uターンした瞬間にたまたま遭遇したなんて事はあり得ません。
そう、着水直後からいずれかのタイミングでルアーに気付いていたことは間違いないのです。ルアーに気付いてからバイトするまでの間、ずっとルアーを見てチェイス(と言うか一緒に泳いでいる)しているのです。
そして、そのルアーがやがて水をつかんで泳ぎだしたのをみてバイトする。これがU字メソッドと言われるものです。
ところが、このU字効果が発揮される前にルアーを見切ってしまうシーバスもたくさんいるのです。
というより、ルアーに気付いた瞬間にU字効果を出してしまえば勝負が早いじゃないか。
3や4の段階でルアーに気付いているシーバスがいるのなら、その瞬間にUターンさせてしまえば、バイトが出るのです。
それが食わせるということです。
たったこれだけで釣果は3倍増します。
そこでアクションを付けてルアーを食わせていきましょう。
この3〜5の間にアングラーがアクションさせる事ができるのは次の5つです。
“ジャーク”
“トゥイッチ”
“スピードアップ”
“スローダウン”
“ストップ”
“ジャーク”と“トゥイッチ”は結果的にこの間に何度もU字効果を発動させることと同じになります。シーバスがルアーに気付いた段階ですぐに食わせてしまいましょう。
“ストップ”はシンキングミノーだといわゆる“フォール”ということになるし、フローティングミノーでやればわかってるアングラーの間でのみ語られる言葉、“抜き”というアクションを行うことができます。
その一つ一つについては下で詳しく紹介します。
いずれにせよ、この3〜5の間にアングラーからルアーに変化を付けてやることでバイトを誘発させるということです。
これをやるとやらないとで、釣果もまた違ってきます。
そして何よりも気持ちがいい。食わせた感、狙って獲ったと初めて言える満足感。
それがその日、ポイントについての1投目で出たのなら、脳がスポンジ状になるぐらい気持ちよいものです。
そのいずれかが今夜のヒットパターンです。
それを探りながら3〜5の間にアクションを付けていきます。
6.U字効果
次に6。ルアーの向きが変わって水をつかむ瞬間。横方向や縦方向のU字効果が起きる瞬間です。
ただ巻きリトリーブでも必ず起きる瞬間ですが、ここに“抜き”の概念を入れることでU字効果が飛躍的に高めることができます。
“抜き”とは要するにルアーに対して掛かっている水圧を一瞬抜いてあげることです。
ルアー自体のアクションはやや止まる感じになります。
ルアーが水をつかみだしてブルブル感が強くなった瞬間から1秒ないし、10アクション(ブルブルのことね)ほどの直後にフッとリトリーブを軽く止め、ロッドティップをルアーの方向に送ります。もちろん、ラインは張ったまま水の流速やルアーの沈降速度に合わせてラインを送るのです。
ここで重要なのは完全にルアーを殺さないこと。特に昼間はここで一瞬で見切られます。夜ははっきり言って気にする必要ありません。
普通のただ巻きやU字効果だと追うばかりで食わないシーバスもこのメソッドにとても弱いです。
これをやるとやらないとでは全く変わってきてしまう事も何度も経験しました。
但し、これをやると7のバイトを得ることは極めて難しくなります。
今夜はどっちが強いか?考えながらやりましょう。
この“抜き”の概念は文章で表すのがとても難しいのですが、覚えておくとあらゆるルアーフィッシングで通用します。
ちなみにストップアクションなんかで、ルアーの頭が下がると見切られる、なんてことをよく言う人がいます。シーバスライブのビデオでもそんなシーンがありますね。これは間違いではありません。そういう時もある。
でも、それが当てはまる場所の方が数少ないのです。
ほとんどの場所ではルアーの姿勢なんて関係ありません。デーゲームの場合でもメタルジグのフォーリングやバイブレーションのジャーク&ジャークなど姿勢もクソもないスーパーメソッドがたくさんあるように、一般的にシーバスのいるフィールドの大部分では関係ないと思っていいでしょう。
もちろん夜にいたっては、マーゲイの10秒フォーリングで食うパターンなんかもあります。気にするだけ無駄です。
7.抜き上げバイト
次に7〜9。いよいよルアーが水面もしくは岸際に向かって泳いでいる状態。この時にバイトが出ることはとても多いです。
通常の漠然としたリトリーブでも、シーバスがこれ以上、水深の浅いところに行きたくないという警戒心がきっかけとなってルアーにバイトする決断を迫る点が一つ必ず存在します。
それが漠然とリトリーブした場合(図ははるか上の方)の3です。多くは抜き上げヒットのような形になるので経験したことのあるアングラーも多いでしょう。
この3のバイトも冷静に考えてみましょう。シーバスはいつから気付いていたのか。やっぱりシーバスはずっと以前からルアーに気付いているのです。ずっと後ろからルアーを追っかけてきて、もうこれ以上は・・・ってところでバイトするか否かを決断する事を迫られます。フッと上を向いて泳ぎ出すルアーに果敢に加速して追ってくるのはこの時です。
しかーし。
港湾部でのゲームだとこの瞬間にギラッと反転が見えることが多いように実際は食わないシーバスの方がはるかに多いです。これはアングラーのミスです。
これはシーバスフィッシングの基本が間違っているからです。(ごめんよ諸先輩方。)
足下で食ってくる事が多いので、しっかりと足下まで集中して泳がせてリトリーブしましょう。
どの雑誌にも攻略本にも書いてあるこの基本事項。これが間違いの原因です。
シーバスは人間の足下だから食ってくるわけではありません。
岸壁際に近づいたから食ってくるわけではありません。
岸壁の無いボートでも足下で抜き上げヒットが起きるように、これはルアーが上に向かって急上昇するからバイトを得られるのです。
もちろん、ここにも自然界が働かせる1/fの揺らぎの法則があります。
足下まで集中してリトリーブしてシーバスがバイトしたとしてももろに足下ヒットになってしまうので、半分はバラすと考えていいでしょう。だってラインの余裕もないし、アワせるタイミングも慣れないうちはとても解りません。
いや、それよりか、シーバスは水面上に見える人間の気配や場所によっては水深が浅かったりすることで、非常に高速な反転食いをかましてきます。ガン!と来ておしまい。これが一番多いですね。
うわー何で乗らないの〜。とか言ってる場合ではありません。
この時点で決断を迫っているようでは遅いのです。人間側からバイトの決断をシーバスに迫ることができるのです。
ルアーフィッシングを疑似餌釣りと考えた場合、反転されることはある意味アングラーの敗北なのです。
一方、河川のウェーディングではそういった瞬間を見ることは少ないですが、ヘビカバスタイルの高感度タックルでやっているとこの瞬間にシーバスが反転する様子を感じることができるはずです。
だったら、これもシーバスの警戒心ギリギリになる手前でバイトさせるきっかけを作ってあげればいいではないか。
ここで有効なのが“スピードアップと”“ジャーク”です。
しっかりロッドを下げてリトリーブしている最中、いよいよ手前にルアーが来たなと思ったところでロッドを立てましょう。
足下まできっちりと泳がす必要はありません。むしろなるべく遠いところで水面に出てくる意識で巻いてみます。
要するに、しっかりと水をつかんで潜らせたら、なるべく遠くでルアーを急上昇させてあげる。
その時に最適なリトリーブスピードはルアーによって違います。すれば足下よりもっと遠くでバイトさせることが可能です。バイトの形もいいし、バラシも少ないです。
騙されたと思ってやってみる価値ありですよ。
それともうひとつ。僕の大好きなパターンの一つ。
潮の流れの速さが変わるエッジやブレイクラインに差し掛かった瞬間に一発ジャークを入れます。
ナイロンの人は思いっきり、PEの人はデッデロ〜ンってな感じです。
ルアーはメケメケかX-110SWがお薦め。横方向にズルッとルアーがスライドしたら間違いなくシーバスのバイトを誘えます。
その直後に一転して“抜き”を入れます。 ルアーが段々と浅いレンジに向かう途中にこの一連のアクションを入れると結果としてこの時点でシーバスにバイトするか否かの決断を迫ることができます。警戒心ギリギリでなければシーバスはバイトしてくるはず。
このメソッドもプレッシャーが掛かったハイシーズンのリバーシーバスで極めて有効です。
明暗部やシェードを絡めてやっても非常に有効、ぜひ覚えておきたいです。
最後に10〜11。ピックアップ寸前のバイトです。何度も書いて申し訳ありませんが、シーバスは水面に逃げる動きに非常に反応します。
ここでのバイトは初心者が最も経験するケースでもあります。初心者は途中でルアーを食わせられないから最後にここでバイトされるのです。
しかし、このバイトは多くの場合高速での反転バイトになりやすいです。ただでさえ乗らないし、フックアップがほとんど口の外側に浅く掛かるのと、目の前から始まるファイトのせいで結果的にバラしてしまうケースが非常に多いです。
そこで、もしバイトがあった場合を常に考えてルアーをピックアップしていく事が重要です。ある程度このピックアップ寸前のバイトを経験するとバイトのタイミングを体で覚えることができるはず。
その10番の瞬間にリトリーブを一瞬止めます。それだけ。速すぎるとシーバスが反転します。これはまだスイッチが入ってないから。ルアーの上昇に反応しただけです。
スイッチが入ってシーバスが捕食を決断してから止めないと効果はありません。これは体で覚えるしかないので、頑張って覚えてください。
ちなみにこの時にアワセは不要です。魚の重さだけでアワせましょう。それでもバレますが、そういう時は何をどうしても獲るのは無理な魚だと思うしかありません。
最後の11番はリーリングで迎えてはいけません。もし、ここでシーバスがバイトしてきた場合に、ティップとルアーの距離が短いとバラす確率が高くなってしまいます。そこで、残りのラインが竿1本分の長さまでリトリーブしてきたら最後は竿を立てて水面から抜き上げるのです。こうすれば、万が一シーバスが食っても比較的余裕のあるファイトをすることができます。
ヘビカバ最強メソッド紹介
ただ巻き系最強メソッド 「未必の故意」
みひつ・の・こい [未必の故意]〔法〕
釣り人が、バイトの発生を積極的に意図ないし希望したわけではないが、自己のリトリーブから、バイトが発生するかもしれないと思いながら、バイトが発生しても仕方がないと認めつつ、そのバイトが発生することを期待し、あえてそのリトリーブを行う心理状態。
理解不能だって?いいんだよ。
要するに、無意識の状態を意識的に出そうってことです。
初心者のビギナーズラック、女性のレディースラック、なんでああも釣れるのか。
それは無意識のうちに、ルアーアクションの変化を行っているからと思われます。
初心者のリトリーブはそれはぎこちないものです。でも魚は釣れます。
色々な釣りを楽しめた中級者時代を経て、上級者と呼ばれる頃になるとなかなか魚が釣れなくなる時期を迎えます。
釣れてもフッコばかりでなかなかいい魚が出せない。
そういう人の傾向として油断した時にバイトが出てくるようになります。
ふと考え事をしていた、おしゃべりの最中だった、他の場所を見ていた。
思い当たる節がある人はきっとビンゴです。
こういうケースは色々あるけど、バイトに共通するのはリトリーブに対して意識がない時だということです。
なんで意識している時にバイトが出ないのか、それはルアーに変化が失せているからです。
変にテンションを意識するから自然がせっかく作ってくれる1/fの揺らぎヒットパターンも自分が崩してしまってる状態なのです。
また変に上手くなるとステラを求める悪い傾向が僕たちにあります。快適な滑らかさが正確なただ巻きを生み出して、更にアクション変化を打ち消してしまうのです。
となると、上級者からのステップアップとしては意識的な無意識を生み出す事が必要となってきます。
一番の見本がHATTORI氏、彼のHPを全部読めば判りますが、集中した中でもリトリーブの超微細な変化を付けて素晴らしい釣果を上げているのが解ると思います。これこそが、1/fの揺らぎを心得たものだけが到達できる領域であると勝手に考えております。
そこで意識的に無意識なリトリーブを演じる方法 (なんだか自分でも何書いてるんだかわかんなくなってきちまった(笑))
1.芸能人持ち
ロッドを持つ手をリールシートでなく、グリップエンドを持つ。手を前に突きだして格好悪く釣ってみる。
2.肩巻き
滑らかに手首で巻いてはいけません。肩も肘も動かして巻きましょう。手首の軌道が八角形ぐらいになるのが理想です。
3.おしゃべり&歌う
そっちに全神経を集中しましょう。歌う時は目を閉じて音程に気を配ると歌も上手になるし、なぜか魚もよく釣れます。
4.よそ見
未必の故意系最強メソッド。とにかく何かに気を取られてみる。本気で気を取られないと効果ありません。
リトリーブする手から意識が消えた瞬間、来ますよ。
但し、ビックリアワセをしないように。これやったらほんとにただの初心者です(笑)
これらをやり込むことで、初心者の頃に何で簡単にヒットしたのかきっと解ると思います。
というか、ゲームの組み立てやルアーセレクトは初心者の頃より上手になってるからきっとすごく釣れるはずです。
そのリズムを覚えて、また基本のフォームで意識的な無意識を作り上げる。
これが未必の故意メソッドです。
周りで釣れているのに、自分だけどうもタイミングが合ってないな、という時にお薦めです。
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